バイオ/九州 「納豆菌群の増殖・放出機能を活用した、管理が簡易な水質浄化ブロックの事業化」

納豆菌で水質を浄化

 ビッグバイオは熊本発の環境商品開発にこだわり、生きた微生物の納豆菌群を活用した水質浄化剤を製造、販売する。有機物の分解機能に優れた納豆菌類を配合、培養、保存する技術が同社のウリだ。

 同社は「02年度熊本県創造技術研究開発費補助金」の支援を得て、03年に「エコバイオ・ブロック」を商品化した。これは強アルカリ性のセメント内に生きた納豆菌群を入れた、低コストで管理が簡単な環境浄化ブロックだ。

 01年にマレーシアの国家検査機関・シリムで、この納豆菌群の安全性が証明されており、河川や池などでこの「エコバイオ・ブロック」が水質環境を改善するのに威力を発揮する。

 エコバイオ・ブロックは03年マレーシアのメラカ川の水質浄化用として約24万個をサンプル価格で出荷したほか、05年にはインド政府のパイロット事業で河川浄化用に採用された実績をもつ。また家庭用として、観賞用水槽を浄化する「エコ・バイオリング」やカビ処理剤、ぬめり処理剤なども商品化している。

 同社は納豆菌群の配合を工夫することで、有機物や悪臭の分解、水質浄化、蚊の成長抑制など幅広い機能製品をつくることができるという。今後、地球環境改善に取り組む国内や海外向けに商品を開発、事業の拡大を図っていきながら5年後には約20億円の売上高を見込む。

(株)ビッグバイオ


会社名
役割分担
■コア企業
(株)ビッグバイオ
納豆菌群の製造・販売
コヨウ(株)環境浄化ブロックの製造・販売



(株)ビッグバイオ 阪本惠子社長<br>「新連携の認定をはずみにして国内販売に力を入れていくとともに、行政と一緒になって地元の河川から水質浄化を試験的に実施していきたいです」

(株)ビッグバイオ 阪本惠子社長
「新連携の認定をはずみにして国内販売に力を入れていくとともに、行政と一緒になって地元の河川から水質浄化を試験的に実施していきたいです」

【自然環境への負荷軽減を目指して】

 河川や海など水質環境改善を目標に開発した「エコバオ・ブロック」。四角や円筒形の形状に仕上げているそれは、生きた微生物の納豆菌群とそのエサとなる有機物、住みかとなる有機固形物、セメント、多孔質岩石などが混ぜ合わされている。自然に存在する納豆菌群を活用していることから、自然の浄化力と同じ機能を持つのが特徴。

 連携体は、同社が納豆菌群の配合や培養を行い、コヨウ(福岡県みやま市)がブロックを製造販売する。すでにマレーシアやインド、韓国など海外で販売実績があり評価も高い。
 
 一方、家庭用の「エコ・バイオリング」は観賞用水槽の浄化をする。生き物に影響が無いように工夫、研究開発され、02年の発売以来、国内での販売実績は約60万個を突破した。海外では米国、インドで販売契約を結んでいる。

 ただブロックの国内販売は現在、試験的なサンプル提供にとどまっている。「生きた微生物を活用した水質浄化機能をもつブロックの販売実例がこれまでにない」(阪本惠子社長)というのが主な理由だ。そのため新連携では、連携認定と海外での販売実績や評価をもとに国内販売に力を入れていくという狙いもある。


【伝染病対策にも効果】

  国内販売を増やすためにはブロックの大型化が欠かせない。そのブロックは現在、縦390ミリ×横190ミリ×高さ90ミリメートルが最も大きなクラス。一級河川や二級河川の川底にブロックを固定して、激しい流量にも流されない強度と大きさが必要だ。それには護岸用の消波ブロック以上を想定している。そうなれば微生物の持つ自然の浄化力で長期間、しかも低コストで水質改善ができる。

 同時に、国内での納豆菌群の機能性データの収集も欠かせない。「納豆菌群を利用した環境浄化技術」というテーマで九州大学と連携してデータ収集や設置方法などを検討している。

 水質改善は池や河川の浄化ばかりでない。ほかにも工場排水や農業などの雑排水、伝染病予防にも効果を発揮する。そのため、地球温暖化により北半球の亜熱帯化が懸念されるなか、蚊を媒体とした亜熱帯地域特有の伝染病対策としても役に立つ。蚊の発生を抑える商品開発は東南アジアから大きな期待がある。加えて観賞用水槽を浄化するエコ・バイオリングも機能性とデザイン性をさらに高めていくという。

 新連携の認定をはずみに「行政に働きかけ、地元の河川から水質浄化を試験的に実施していきたい」(同)という。商品開発や資金調達支援も期待している。「環境問題は地球規模で解決していく問題」(同)と位置づけ、世界的なニーズに応える商品開発をしていく構えだ。