建設/北海道 「簡易・高密度ハーブマットによる景観・緑化・無農薬農産物栽培の推進」

人と自然に優しい街づくりを提案

 ケイジーエンジニアリングを中心とする連携体は、簡単に植栽できるハーブマットによる景観、緑化、無農薬農産物栽培を推進している。
 計画では同社のハーブマットの開発技術をベースにして、高い育苗技術を持つ大森秋紅花制作室と多品種、量産化の技術開発に取り組む。また外溝やエクステリア施工の技術に加えて、屋上緑化製品開発のテクノブレインがデザイン性に富んだ施工技術の高度化を実施する。

 近年、住宅や公園、沿道などにハーブを栽培して緑化を進め、景観を向上させるケースが増えている。ハーブには防虫、防腐の効果があるため田畑のあぜ道などではハーブ栽培による農薬の抑制も進められている。現状におけるハーブの育成はポット苗からの移植が多く、そのための土壌改良も必要になる。種をまく場合も成長に時間を要する。どちらの方法で栽培しても面積におけるハーブ同士の密度が粗くなるため、雑草などの除去に手間とコストがかかってしまう。

 連携事業ではケイジーエンジニアリングのハーブマットの機能をさらに高度化する。量産化、品種拡充など事業体制を整え、自治体を中心にした景観美化事業や、減農薬生産する農業市場などをターゲットにするほか、屋上緑化事にも照準を合わせる。またハーブティ、芳香剤など2次的利用の手法も検討する。

(株)ケイジーエンジニアリング


会社名
役割分担
■コア企業
(株)ケイジーエンジニアリング
ハーブマットの開発技術、緑化対策事業のマーケティング
(有)大森秋紅花制作室 ハーブマットの多品種化・量産化
(株)テクノブレイン 外構施工・屋上緑化製品開発



(株)ケイジーエンジニアリング<br>後藤雪夫社長<br>「予想以上に需要が増えています。その需要に対応できる供給体制の確立と多様化するニーズに応えられる技術開発を推し進めていきたいです」

(株)ケイジーエンジニアリング
後藤雪夫社長
「予想以上に需要が増えています。その需要に対応できる供給体制の確立と多様化するニーズに応えられる技術開発を推し進めていきたいです」

【生産体制、ラインアップの拡充目指す】 

 「新たな収益の柱にする」(後藤雪夫社長)。調査、設計など建設コンサルタントがメーンのケイジーエンジニアリング。こんな思いのもと製品化に取り組んだハーブマットが売れ始めている。ハーブマットは多年草のハーブを高密度でマットに植樹したもので、06年7月の初出荷からこれまでにおよそ4000ロールを出荷した。

 ハーブは紅茶の原材料としても広く知られている。それ以外にも防虫、防腐効果があるため公園や沿道にハーブを栽培して景観の美化に役立てたり、田畑のあぜ道に栽培して農薬散布を抑制したりするケースが増えているという。
 そんな効果のあるハーブだが、雑草の除去や栽培に人手と手間がかかりコスト的に折り合わないことも・・・。そこで同社は2年前に「ハーブを使って自然に優しい商品ができないか」(同)検討を始めた。社内外でハーブを知る人がいたこともあって北海道の農業研修センターなどと研究を進め、本格的な開発に乗り出した。

 「誰でも簡単に設置できることが条件」(同)。製品化にあたっては誰でも、どこでもがキーワードになった。水はけや根の張り方を考慮しながら、マットを運搬しやすいようにロール状にして、生育に必要な土壌改良材や肥料を最適に配分。土壌の改良や追肥などの手間を省けるようにした。


【市場ニーズの高まりに応える】

 2月に認定された新連携の計画においては、第2フェーズとなる多品種化と量産化のための育苗技術と、普及拡大を狙ったマーケティングや施工技術の高度化を目指す。すでに市場に送り出し各方面から引き合いがあるものの、「想像以上に民間需要が増えている」(同)という。

 ハーブマットの事業化に確実な手応えをつかんだ今、同社はラインアップの拡充と生産拡大、販売ルートの構築を急ぐ。マットの多品種、量産化においては大森秋紅花制作室。施工、屋上緑化製品の開発ではテクノブレインと組んで進める。
 同社も社内に企画、生産など5人で編成する専門のチームを組織。マーケットからのニーズを吸い上げながら、次の一手を練る。9月には東京都内のオフィスビルの屋上を使ったテストを始めた。当初計画では発売3年間に東京圏で販売を始める計画だったが、「引き合いが多く前倒しした」(同)ようにプラスの誤算も生じている。そうしたこともあり1年間のテストを通じてデータを収集、需要の拡大が見込める屋上緑化分野への参入を目指す。

 「正直に言ってスタートしたばかりの年にマットが売れるとは思っていなかった」という後藤社長。需要に対応できる安定供給の体制とニーズの多様化に伴う技術開発のハードルをクリアし、「3年後には5万ロールの手応えをつかみたい」と夢はふくらむ。