製造/近畿 「MEMS技術を活用した小型ローコスト流量計の実用化」

組込型小型ガス流量計でシェア90%
 
 1949年創業。流量計、流量制御機器、産業用ガス発生装置を手掛け、気体用面積式流量計のトップメーカー。とりわけ小型機種で高いシェアを持つ。
 液体や気体の流れの測定方法に標準的な面積式流量計を採用し、単体のほか、バルブなど関連製品と組み合わせたシステムで提案する。また、流れをコントロールする技術を応用し、産業用ガス発生装置を流量計に次ぐ事業の柱として事業拡大を進めている。

 主力の面積式流量計はフロート式流量計とも呼ばれ、液体やガスがフロート(浮き)を上げたり下げたりする位置の目盛りを読んで流量を測定する仕組み。電源不要の機械式で、低コスト、メンテナンスも容易なため需要は根強い。

 信頼性やコストはもちろんだが、ユーザーニーズにあったモノづくりに強みを持つ。面積式流量計の3分の2がカスタム生産で、環境分析機器や研究開発機器向けを中心に評価が高い。一方、産業用ガス発生装置は圧力スイング式吸着法を採用。こちらもガス発生能力が毎分50リットル以下の小型機種を強化中で、チッ素ガスでは国内トップシェアを誇る。06年8月には合成樹脂の成形加工分野で、昭和電工グループの明光通商と提携するなど業界の注目を集めている。

コフロック(株)


会社名
役割分担
■コア企業
コフロック(株)
流量計の設計・生産・販売
高槻電器工業(株)半導体素子の実装・組立
大平ソフトウェア(株)自動調整装置ソフトウェアの設計・開発



コフロック(株) 小島久寿社長<br>「連携パートナーに恵まれて実用化もスムーズでした。今後は、さらなる微少流量タイプの商品化に取り組んでいく考えです」

コフロック(株) 小島久寿社長
「連携パートナーに恵まれて実用化もスムーズでした。今後は、さらなる微少流量タイプの商品化に取り組んでいく考えです」

【開発段階から連携組み初のチップセンサー式流量計】
  
 ガスクロマトグラフィーなど分析機器の小型化要求は年々高まっている。当然ながら流量計などコアパーツの小型化は必然だ。主力の熱式電子流量計(マスフローメーター)では小型化、省エネ化要求への対応に限界があり、新しい方式が求められている。

 そんななか、07年2月発売のマイクロガスフローメータ「MODEL7100NL=写真」が注目を集めている。微小電気機械システム(MEMS)センサー採用で、寸法が幅21ミリ×奥行き32ミリ×高さ38ミリメートルと大幅に小型化を達成。そのうえで流量計測範囲が毎分2−200cc、20−2000ccの微小タイプにした。可搬式分析機器に組み込めるように5ボルト駆動の省エネ型で、1万9500円の低価格と業界が求める仕様を実現した。

 開発の着手は02年。新方式の流量計の開発を目指しモノづくりクラスター協議会に参加したのが始まりだ。圧力センサー方式とMEMS方式が候補にあがったが、「圧力センサー式は大手が先行し商品化しており特許などの点で不利」(堀尾照夫開発本部本部長)と判断。以前から手掛けているマスフローメーターと同じ流量計測原理で、さらに小型化が期待できるMEMS方式を選んだ。
 発熱体や電子回路をチップに実装するという、当時同社が保有していなかった半導体製造のノウハウは、大阪府立産業技術総合研究所と京都大学との産学連携で習得。4ミリメートル角のチップに回路を実装したプロトタイプを製作した。


【小型・省エネ実現で市場開拓をさらに強化】

 量産実用化の取り組みは高槻電器工業、大平ソフトウェアとの連携で05年からスタートした。コフロックが回路素子の製作と流量計の組み立てや事業化を行うコア企業。高槻電器はチップへの回路実装を担当し、気体流量の計測は温度影響を受けやすいため、正確に補正するソフトウェアを大平ソフトウェアが担当した。「開発段階から連携できるパートナーに恵まれた」(吉田考一開発本部チーフ)ことで、実用化がスムーズに進んだ。

 というのは、現在の実装業界では高密度集積回路(LSI)の高密度実装に対応している企業が多く、設備面でLSIより大きなチップへの実装に不向きなケースが多い。また、コフロックにとって初のチップセンサー式となるが、半導体業界で懇意の企業は少ないのが実情。まさに3社の出会いが商品化のポイントだった。

 コフロックはもともと微少流量計を強みにしている。そのシェアは毎分の流量が100リットル以下の小型タイプで35%強、100ミリリットル以下の微少タイプでは90%以上とほぼ寡占状態にある。
 新型流量計では分析機器や半導体製造機器への組み込みを中心に市場開拓を積極化、微少市場でのポジションをより強固にする。一方、今回の経験をバネにさらなる微少流量タイプの商品化に向け開発力を磨く考えだ。