製造/北海道 「北海道産の家畜飼料用添加サプリメントの開発・販売」

道産微生物を生かして家畜用添加材を開発

 ロムが保有する微生物の効果的なブレンド技術、清水鋼機のバチルス乾燥菌体製造技術、高谷土建の酵母培養技術を融合し、高機能で環境対応能力の高い家畜用サプリメントを製造する。

 飼料などと一緒にサプリメントを与える育成法は、腸内環境を安定させ、健康維持と肉質向上、生産性アップにつながるといわれている。ロムが培ってきた家畜用製剤の製造技術を基に、産業技術総合研究所と共同開発を行っている微生物利用技術も投入して新たなサプリメントを開発することにしている。

 使用するのは北海道で産出するバチルスや酵母などの有用微生物。いずれも履歴の明らかな素材で、連携企業がすでに開発を進めてきたものがベースとなる。道産微生物の特性や機能を生かし、道内農家らの協力による実証実験を経て、新たな家畜飼料用サプリメントを作り上げる。

 連携体では、国内外のブランド牛・豚などの生産者に供給する一方で、酪農や畜産分野での「北海道ブランド」確立の一翼を担うことも大きな事業目標に掲げている。北海道ブランドの力により、一層の需要増大を図って市場を広げていく予定だ。

(株)ロム


会社名
役割分担
■コア企業
(株)ロム
開発/製造
清水鋼機(株)有用微生物の培養・製造(バチルス乾燥菌体製造)
高谷土建(株)有用微生物の培養・製造(酵母の培養および製品の製造)



(株)ロム 高谷範子社長<br>「サプリメントを販売していくうえで一番大事なことは、食材として生かされていることを農家が感じ、喜んでくれることですね」

(株)ロム 高谷範子社長
「サプリメントを販売していくうえで一番大事なことは、食材として生かされていることを農家が感じ、喜んでくれることですね」

【一流ホテルのシェフも評価した健康卵】

 「見てください。この卵」と目を輝かせて説明するのはロムの高谷範子社長。北海道産微生物を使った飼料用サプリメントを与えて育てた鶏が産んだ卵は、皿に割り落としてみると、見た目にもしっかりした作りであることが分かる。
 この卵を持ち込んだ札幌にある有名ホテルの料理長は「殻が違う。臭気がしない。白身がしっかりしている」と次々に違いを指摘したという。「新連携認定事業であることとは全く関係なく」(高谷社長)卵そのものを評価し、引き続きホテルで購入してくれることになった。

 鶏にサプリメントを与える実証実験は約50羽を対象に約3カ月間実施した。生まれ変わった卵は、このホテルの料理長がプリンやケーキの材料としても利用した。高谷社長は「こうした料理になることで、食材として生かされていることを農家がその目で見ることができる。サプリメントを販売していくうえで一番大事なことは農家が喜んでくれること」(同)という。実証実験を通じて事業化に向けた道筋の一つを見いだしたようだ。

 ロムの出発点は排水処理・廃油分解のための微生物の研究と販売だった。2003年にはロムと北海道大学が共同で「鉱物油脂分解菌、それを用いた土壌浄化装置」の特許を出願。同年、ロムと産業技術総合研究所が共同で「高機能脱窒油脂分解菌、該高機能脱窒油脂分解菌を用いた排水浄化方法」の特許出願を行い、開発型バイオベンチャーとしてのポジションを確立していった。


【道産微生物を培養し食の安心・安全に貢献】

 「もともと家畜の牛などは、草と一緒に土も食べ、土に生息している有用微生物を腸内に取り込むことで体調管理を行っていた」(有森秀一ロム専務)。牛舎などで育てられることが多くなった家畜の健康管理には、自然に摂取してきた微生物の代わりが必要だ。ロムでは、排水・廃油処理や土壌浄化のための微生物販売の一方、酵母やバチルス菌などを加工した家畜飼料添加物「ネオス」の販売を開始していた。

 今回の新連携支援事業に認定されたのは、この添加物製品をベースに、北海道内で産出する有用微生物を使用した新たなバイオサプリメントを開発する取り組みだ。道産の微生物を使用することでその履歴をより明確にし、食の安全・安心を目指す北海道の戦略にも合致すると判断した。
 開発に当たっては、菌の培養技術や設備を持つ企業との連携が成立した。高谷土建は岩見沢市で経営しているパークゴルフ場のゴルフの芝の育成・管理にバイオ資材を活用した経験から、ゴルフ場向けの酵母製品を事業化していた。清水鋼機はバチルス菌の量産施設を開発し、本格的な事業化ステップのキーとなる役割を期待されている。