バイオ/中部・北陸 「皮膚水分蒸発量測定による機能性パッチの開発・販売」

肌状態を5分で測る

 粘着テープをばんそうこうのように皮膚に貼るだけで、肌の水分量が測れる機能性パッチの商品化、事業の拡大を進める。コア企業のライフケア技研が持つ製造ノウハウを基に、粘着テープへの比較色印刷をタニダ、発色部製造をピアテックがそれぞれ担当。また地元の富山大学と協力関係を持っていたことも大きな強みに。

 商品名は「皮膚水分チェッカー」。腕や顔に5−10分間、貼ると肌の乾燥度合いをパッチに色調の変化で表す。機器などを使わず、貼るだけで簡単に肌状態をチェックできる手軽さが特徴だ。

 自分自身の健康に気遣うセルフケアの高まりが追い風になり、同商品は国内大手のドラッグストア、コンビニエンスストアに販路を広げている。化粧品の添付品としての需要も多く、製薬会社などへのOEM(相手先ブランド)供給も行っている。
 海外企業も機能性パッチに関心を寄せており、世界販売が視野に入ってきた。すでに韓国では販売が始まり、最近では米国、フランスの企業からも引き合いが寄せられているという。

 同様なパッチを用いて、さまざまな派生商品の開発にも意欲的だ。これまでに「アルコール体質試験パッチ」、「リラックス度チェッカー」を商品化。現在は「植物用水分チェッカー」「ペット用ストレス判定パッチ」などを開発中で、商品ラインアップの拡充を図っている。

ライフケア技研(株)


会社名
役割分担
■コア企業
ライフケア技研(株)
事業管理、商品開発、顧客開拓
タニダ(株)粘着テープ上への比較色印刷
ピアテック(有)発色部の製造



ライフケア技研(株) 横井秀輔社長<br>「資材や印刷など異分野の企業との共同開発を行ったことが開発期間の短縮につながりました」

ライフケア技研(株) 横井秀輔社長
「資材や印刷など異分野の企業との共同開発を行ったことが開発期間の短縮につながりました」

【セルフケア市場を開拓】

 コア企業のライフケア技研は「ヘルスケア関連の新しい∴纐品、医療用具の開発」(横井秀輔社長)を事業内容としている。その言葉通りに、自己で身体状態を測定するセルフケア市場という新しいマーケットの開拓に挑んでいる。横井社長は54歳の時、自らのアイデアを生かしたいと医薬品会社から独立。機能性パッチは研究者としてのアイデアから生まれた産物だ。

 肌に貼るだけという手軽さからは想像できないが、機能性パッチにはさまざまなノウハウが詰め込まれている。主力商品の皮膚水分チェッカーの場合、皮膚からの水分蒸発量に応じて、肌の乾燥状態をパッチに色の変化で表す仕組みがポイントとなった。
 比較色印刷を担当するタニダ(松江市)は、微妙な色調の差を粘着テープ上に表すオフセット印刷技術を持っていた。またピアテック(三重県鈴鹿市)は高性能な塩化コバルト含浸試験フィルムの製造ノウハウを生かし、パッチ発色部の製造で力を発揮している。これら技術の融合から皮膚水分チェッカーが誕生した。

 新連携事業の認定は06年7月。横井社長は「参加企業の優れた固有技術を組み合わせることで、単独では短期間には難しい新製品の開発を可能にする」と新連携を評価する。ライフケア技研の場合、機能性パッチという特殊な製品開発だけに「資材や印刷など異分野との共同開発を行うことにした。それにより開発期間も短縮できた」(横井秀輔社長)としている。

 皮膚水分チェッカーは06年から本格的に販売を開始。国内大手のドラッグストア、コンビニエンスストアが販路の中心だ。このほか機能性パッチを用いた応用商品として、お酒が飲めるかどうかを調べるアルコール体質試験パッチや、ストレスの度合いを調べるリラックス度チェッカーなどがあり、いずれも順調に販売量を伸ばしている。現在、月産能力100万枚の製造設備がフル稼働している。さらに量産化を進めることで、一層のコストダウンを進める考えだ。


【世界販売を視野に】

 セルフケア市場を狙った同社のビジネスは国内を飛び出し、海外にも広がりを見せている。海外からの引き合いの増加に応えるため、「4月にドイツで開催されたハノーバーメッセに出品したことで、海外からの引き合いが一層増えている」(同)と世界販売を視野に入れながら、精力的に事業活動を展開している。

 さらに機能性パッチの対象は動物、植物にも及ぼうとしている。植物対象では葉にパッチを貼り、生育状態を調べるのに用いる。現在、ミカン栽培で実験を行っており、「桃、ナシ、トマトなどにも応用できる」(同)という。動物向けでは、ペット用ストレス判定パッチを開発中で、猫などのペットの脚の裏に貼るタイプを検討している。事業拡大の勢いは増すばかりだ。