サービス/中国 「高耐久性を有する配食・給食用チタン製光触媒保温容器のリース・レンタルサービス」

給食配食業者などに保温容器をリース・レンタル

 伸興サンライズが新連携で事業展開するのは、建設資材事業で長年培ってきたリース・レンタルサービスのノウハウを活かした、病院・施設向け保温容器レンタルサービス。
 高齢化社会の進展や医療介護制度改革に伴う訪問介護、在宅医療への移行などによる「配食サービス」の需要が急速に拡大すると予測、給食事業者、配食事業者などを対象にした新事業だ。

 独創的なのは食事を運ぶのに使う容器の材料に、従来製品のほとんどが樹脂製であるのに対し、薄肉のチタン金属を採用したこと。チタン素材表面に処理を施して抗菌性を付与し、さらにチタンの蓄熱皿をセットして保温性を嵩上げしている。これによって病院や自宅にいても、いつも衛生的で温かい食事をすることが可能になる。
 事業化計画は平成18年7月に島根県初の新連携に認定され、9月に事業化推進に向けスタートした。

(株)伸興サンライズ


会社名
役割分担
■コア企業
(株)伸興サンライズ
リース・レンタルサービスの提供開発企画
(財)電力中央研究所フレッシュグリーン技術の提供
(株) 浅野チタン容器の製造 
大光炉材(株)内蔵用断熱材の製造



(株)伸興サンライズ 金津任紀社長<br>「高齢化社会の消費動向を考えれば、ケータリング事業における保温容器のニーズは大きく高まると思います」

(株)伸興サンライズ 金津任紀社長
「高齢化社会の消費動向を考えれば、ケータリング事業における保温容器のニーズは大きく高まると思います」

【3社1機関の技術と発想で年商8億円を目指す】

 連携体は3社と1つの機関で構成。それぞれの役割はコア企業である伸興サンライズがリース・レンタルサービスの提供とユーザーニーズを踏まえた容器の開発企画など、全体の統括を行なう。
 財団法人電力中央研究所が抗菌性、耐久性を確保するための表面処理技術「フレッシュグリーン」の開発と技術を提供。群馬県伊勢崎市の浅野がチタン成型加工、および巻き締め加工による容器本体の製造を担当。さらに福岡県北九州市の大光炉材が保温性を維持するための内蔵用断熱材を製造する。

 この新連携に対する公的支援としては補助金のほか、商工中金を通じた低利融資を利用する。
 顧客は主に病院・施設向け給食事業者や配食事業者。販路開拓方法は大手容器メーカーへのOEM供給や全国のリース業を通じた代理店方式で拡販する計画だ。

 同社の金津任紀社長は今後の事業化見通しについて「食品を安全に届けるための抗菌性、熱々で提供できる保温性、リース・レンタル品として必要な耐久性などに優れた保温容器が完成した。これから本格的な量産体制を築き、地元の宍道湖中海圏域と東京圏での事業を皮切りに全国に商圏を広げ、新連携計画の終了する5年後には年商7億円から8億円の規模にしていきたい」と、抱負を語る。


【イノベーションの精神貫く】

 同社には経営のキーワードが2つある。1つは財政依存型経営からの脱却。もう1つはイノベーションの伝統を継続していくこと。今回の新規事業もこの2つのキーワードを具現化したものだ。

 島根県の公共事業がピーク時に比べて半減した中で、持ち前のチャレンジ精神で建設産業に代わる新規事業を模索、新連携による保温容器の事業化に着目した。
 そのキッカケとなった保温容器開発の背景については「6〜7年前から本業以外の新規事業を模索していた。平成15年、民事再生手続き中の食品製造業者がスポンサーを探していて、事業のなかで高齢者配食サービスを受託していた。高齢化社会に対応した大事な仕事だと考えて引き受けた」(客野實副社長)という。

 では、どうやって社会的意義のある新たな価値を創造したのか?「配食サービスを開始して分ったことは、事業者にとって、容器を繰り返し使っていく上で長期にわたる耐久性が重要であること、また、宅配では保温性と抗菌性が不可欠だということ。既存の配食容器ではいずれの点も満足が得られなかったため、新たな保温容器の自社開発を決意した」(同)と語る。

 そこで浅野や電中研の協力を得て開発したのがチタン製光触媒保温容器。従来のプラスチック(樹脂)製ケータリング容器に比べて耐久性、抗菌性、保温性、親水性に優れている。特に素材劣化が少なく高耐久性があることからリース・レンタル方式が可能になった。
 金津社長が松江市経済同友会の副代表幹事を務め、視察団の団長として電中研を訪問したことも関係を強める追い風となった。電中研もこれからは社会に役立つ研究を指向していたことが、両者のコラボレーションによる保温容器の開発に繋がった。

 客野副社長はこの事業のもう1つの意義について「高齢化社会の消費動向を考えた場合、消費者自身が買い物に出かける動きから、商品を消費者の自宅へ届ける動きが強まってくる。その意味で配食(ケータリング)は欠かせないビジネススタイル。その時に保温容器のニーズは大きく広がると確信している」と語る。