サービス/沖縄 「高濃度海水タラソテラピー施設および八重山オリジナルのSPA事業=八重山式タラソテラピー事業」

地域ブランドから新たなブランドを創造

 石垣の海からつくる天然の塩。その製塩施設から安定的に供給される高ミネラル水を八重山の地域活性化に役立てようと、石垣の塩がコア企業となって推進しているSPAプロジェクト。連携体を組んでいるケーケーアロマがSPAノウハウを、パナ・ンがSPAトリートメント技術を持ち寄り、地域の特性を活かしたSPA「八重山式タラソテラピー」事業を目指している。

 タラソテラピーは、日本語で「海洋療法」と訳され、SPAブームと相まって全国にタラソテラピーを名乗る施設が次々と誕生している。しかし、その多くの施設はタラソテラピー分野で長い伝統をもつ欧州、とりわけフランスから技術とノウハウを導入したものだ。
 八重山式タラソテラピー事業は、塩づくりのプロセスで自然あふれる海から抽出される高濃度海水、高ミネラル水を利用する。また沖縄県の機能性素材を使った、シャンプーや海藻トリートメント製品などの開発も計画している。

 台湾中部とほぼ同緯度にある、日本最南端に位置する八重山諸島。その豊かな自然や伝統、歴史、文化の魅力をふんだんに盛り込み、長期滞在型の来訪客がタラソテラピーによって癒し・美容・健康を満喫できる事業に仕立て上げていく。

(株)石垣の塩


会社名
役割分担
■コア企業
(株)石垣の塩
タラソテラピー施設の開発・運営
(有)ケーケーアロマSPAノウハウ
(有)パナ・ンSPAトリートメント技術



(株)石垣の塩 東郷清龍代表取締役<br>「目指している海洋療法の異業種複合施設のキーワードは癒し、美容、健康です」

(株)石垣の塩 東郷清龍代表取締役
「目指している海洋療法の異業種複合施設のキーワードは癒し、美容、健康です」

【大自然の恵みが生み出した高ミネラル水】

 「石垣の塩」は平成18年10月、特許庁から地域団体商標制度、いわゆる“地域ブランド”の沖縄県第1号として認定された。沖縄といえば琉球泡盛、沖縄そばなどの知名度が全国的に高い。こうした著名な伝統商品と並んで、誕生してから約10年にすぎない「石垣の塩」の商標権が認定されたのは非常にめずらしい。これも「石垣の塩」が、しっかりと地域に根をはった事業として認知されている証拠だ。

 石垣の塩を率いる東郷清龍代表取締役は、地域経済の活性化第2弾として新たな事業の創造に動き出した。東郷氏が「製塩事業を始める前から抱いていたビジネス」と語るタラソテラピー事業がそれだ。自然塩をつくるプロセスで、人体に欠かせないミネラル分を豊富に含有した水が大量に抽出される。「この高ミネラル水を有効に活用したい」との思いから生まれたのが、八重山式タラソテラピー事業である。
 タラソテラピーのタラソはギリシャ語で「海」を意味する。その海を熟知していても、フランス語のテラピーが意味する「治療」となると全くの畑違い。そんな折、東郷氏が地元商工関係者から紹介を受けたのが、わが国のタラソテラピー第一人者・城西大学薬学部の川口健夫博士。川口博士の縁でケーケーアロマを知り、また地元企業のパナ・ンにも話を持ちかけて連携体を構成した。

 この連携体を構築する際、東郷氏が「担当官庁への申請、資金を含めた事業計画の策定で、言うにいわれぬお世話になった」というのが中小企業基盤整備機構の沖縄事務所。西里プロジェクトマネジャーの包括的な指導のもと、新連携として認定された後も毎月、井海サブマネジャーが石垣島を訪れている。プログラム企画、トリートメントスタッフの充実、マッサージ施療計画のほか、連携体企業のコミュニケーションなど、事業全般が円滑に進展しているかのチェックといった支援を行っている。


【沖縄・八重山SPAリゾートへの展開を目指す】

 現在までに事業化の前段となるタラソテラピー実証施設が石垣の塩の工場内に設置され、川口博士の指導により数々の試みが行われてきた。モンゴルのパオ風に仕立て上げられた施設内部には、数倍から十倍濃縮された海水、濃度別ミネラル水の入浴設備などが整えられ、延べ400人以上の参加・協力者のもとで理想の展開策を探ってきた。
 東郷氏によると「いろいろな施療効果が実証されたが、なかには川口博士が『理由が分からない』という治癒もあった」とのこと。またローション、シャンプー、海泥トリートメントなども開発、試作製品の評判も上々とのことだ。

 石垣島に海洋療法の異業種複合施設開設を目指すプロジェクトも進行中だ。そのなかで東郷氏は「キーワードは癒し、美容、健康」と熱く語る。同プロジェクトには八重山観光振興事業協同組合や旅行会社が営業支援として参画しており、東郷氏は同協同組合の代表理事も務めている。

 世界一の珊瑚礁と芸能の島、八重山諸島には年間70万人もの観光客が訪れる。八重山式タラソテラピー事業は、より多くの長期滞在型観光客を誘致する格好のツアーメニューになり、まさに東郷氏が描いている「地域経済の活性化に貢献できるビジネス」として期待される。