製造/四国 「再生ポリエステルボードを使用したコンクリート脱泡ボードの開発製造」

2社のノウハウの連携で環境に優しい製品開発

 四国繊維販売はたまたま出展していた展示会で、来場者から手直しの要らないコンクリート型枠の開発を打診された。公共事業では仕上がり評価が重要視されるが、それは土木工事においても例外ではない。

 土木工事ではコンクリート型枠をはずした後、手作業で気泡アバタやクラックなどコンクリート表面の傷を手直しする必要があった。そのため請負の業者にとっては納期遅れや、コストアップの原因になるため、手直しを行わずに済む方策が求められていた。四国繊維販売は、こうした同じような悩みを抱える施工業者が多いことから、再生ポリエステルボードを使用したコンクリート脱泡ボードの開発に着手した。 

 四国繊維販売は、7年前から回収ペットボトルを利用したリサイクル事業に取り組んでおり、再生ポリエステルボードの製造技術は有していた。そこで通気性などの技術的課題については、発泡ポリエチレンバッグで日本の80%のシェアを持つなど機能性フィルム分野で高度な技術を有する日生化学と連携することでそれを克服、施工業者のニーズに応えた。 
 日生化学が四国繊維販売にフィルムを供給し、四国繊維販売がボードの表面にフィルムを張るなど製品化、建設関連の大手販売会社が販売を引き受けている。

 今回開発した製品を使用することにより、これまでの型枠工法と同一工法でコンクリート表面を簡単に、しかも手直しの必要がないほど、きれいに仕上げることが可能になった。また熟練労働者がいなくても簡単に施工でき、工程短縮、コストダウンをもたらす。そのうえ再生材料を使用しているので環境にも優しい。

四国繊維販売(株)


会社名
役割分担
■コア企業
四国繊維販売(株)
コンクリート脱泡ボードの製造
日生化学(株)樹脂フィルムの製造



四国繊維販売(株) 斉藤勤社長<br>「今後はエコマークが付いた防災分野の製品開発も積極的に展開を図っていきたいです」

四国繊維販売(株) 斉藤勤社長
「今後はエコマークが付いた防災分野の製品開発も積極的に展開を図っていきたいです」

【布団生産からエコ製品生産へ】

 四国繊維販売は「布団の生産高日本一」を誇る。しかし布団製造時に生ずる膨大な「綿ゴミ」の処理に困っていた。綿ゴミは資源ゴミとして活用しようとすると処理費用がかさむため、廃棄処分するケースが多かった。そこで環境問題などを考え、8年前から自社で再生利用の研究に乗り出した。しかし回収する綿ゴミの量が毎回異なるため、何をするにしても製品化には「材料の安定供給」がネックになっていた。

 そうしたなか大手ファイバーメーカーから再生ペットボトルのフレークの供給を打診された。同社にとっては材料の安定供給問題がクリアできるだけに、製品開発のためには渡りに舟だったわけだ。

 そして時を同じくして作業性がよいコンクリート型枠の開発話が持ち込まれた。ユーザーからの希望は、土木作業仕上げ時に用いる通気性のよいコンクリート脱泡ボードの開発だった。スターと当初から2年間は自社開発を目指したが、フィルムの熱収縮問題などの解決に頭を悩まし、他社との連携を模索した。


【2社のノウハウ連携で異業種の土木業に進出】

 日生化学は発泡ポリエチレンバッグで80%のトップシェアを持つなど機能性フィルム分野で高度な技術を有しており、以前、選挙用ボードを共同開発したことがあった。一番苦労したのは実証試験だった。大きなコンクリートの塊を造るのは困難なので、小さな塊に脱泡ボードを添えて実験を繰り返した。「10回以上繰り返し、やっとオーケーをもらった」(斉藤勤・四国繊維販売社長)という。

 四国繊維販売では、ファイバーメーカーから供給される再生材料を綿打ちして幅が5センチ〜6センチメートルの厚い板状再生ポリ綿マットを造上げる。それに日生化学から納入される樹脂フィルムを張り、コンクリート脱泡ボードを製造する。製品は建設関連大手企業が自社支店網と工務店に直接卸す2系統で販売する。

 また今回の連携は2社の役割分担が明確なことも特徴。日生化学が生産する樹脂フィルムを同社が型枠用に全量を引き取るため、新連携で起こりがちな成果配分や特許関連のトラブルも皆無だ。

 05年11月の新連携認定後も両社の新製品の開発意欲はとどまるところを知らない。認定テーマはもとより、リサイクルポリエステル綿70%、低融点ポリエステル綿30%が原料の「リサイクルPET繊維ボード」も06年2月に開発した。

 今後は燃えても有毒ガスが発生しないなど、エコマークが付いた防災分野においても積極展開を図る方針で、より一層の環境対応型商品の開発を通して循環型社会の形成にも貢献していく。