製造/関東 「垂直、水平両用の小型多関節ロボットの開発と事業化」

スピード開発でロボットを低下価格化

 半導体製造装置や液晶製造装置に関連する自動化・省力化機器のほか、産業用ロボットなどのメーカーである新光エンジニアリング。同社を中心に、ダイナックス、横山商会、愛電が連携し、垂直と水平両用の小型多関節ロボットの開発と事業化に取り組んでいる。

 ロボットの動きを制御するコントローラー部分の開発には、制御技術を持つダイナックス(東京都府中市)と横山商会(金沢市)に協力を求めて開発のスピードを上げた。コントローラーには価格の安さを重視した簡易型と性能を重視した標準型の2種類を用意することで、ユーザーによって異なる要求に応える柔軟性も確保している。

 連携体には、販売活動を担当する愛電(東京都文京区)も加わり関東地区での販売力を高める。愛電は産業用ロボットの取り扱い実績があり、開発したロボットの特徴をよく理解している。また、新光エンジニアリングと愛電は従来から取引関係があるため、互いの販売活動と製品への信頼関係を築いていたことも事業連携のプラス要因としてはたらいた。

 開発したロボットは垂直と水平の動きの変更が1日以内で可能であり、製造ラインの変更や作業変更に柔軟に対応できる。既存生産ラインの空きスペースへの設置や中小企業の導入、少人数が一貫して作業するセル生産の省力化を想定している。自動車関連や電子・電機関連、機械関連など幅広い業界での利用を見込んでいる。

新光エンジニアリング(株)


会社名
役割分担
■コア企業
新光エンジニアリング(株)
ロボット開発
(株)ダイナックス標準型コントローラー開発
(株)横山商会簡易型コントローラー開発、自動車関連メーカーの顧客開拓
 愛電(株)販売



新光エンジニアリング(株) 今川 豊社長<br>「自社の開発計画を加速させるために新連携制度の活用を選択しました」

新光エンジニアリング(株) 今川 豊社長
「自社の開発計画を加速させるために新連携制度の活用を選択しました」

【開発計画を新連携で加速】

 新光エンジニアリングをコア企業とする異業種グループの事業計画は2005年9月に新連携計画として認定された。経営コンサルタントから新連携制度を紹介されたことが制度活用のきっかけ。提出書類の作成などにコンサルタントが協力することで、認定まで大きな苦労はなかった。

 新光エンジニアリングは、新連携に取り組む以前から垂直と水平両用の小型多関節ロボットの開発計画を持っていた。同社は常に複数の開発計画を持っており、今回の計画は5年前からあたためていた。また、すでにロボットの基本技術であるモーター制御や減速器のノウハウも有していた。そのため、単独でも時間をかければロボットの動きを制御するコントローラーの開発は可能だったが、その開発には同制御技術を持つダイナックスと横山商会にあえて協力を求めた。

 新連携制度を活用する大きな理由は開発期間を短縮するため。「少しずつ時間を掛けて完成させる時代ではない」(今川社長)と、何よりもスピードを重視した。
 また、手を組むことになったダイナックスと横山商会は、従来から新光エンジニアリングとの付き合いがあり、信頼関係があった。それに開発面だけでなく、完成したロボットのユーザー開拓の面でもノウハウを持っていた。


【量産でさらに安く】

 開発の役割分担でも、開発スピードを考慮して複数社間でのすり合わせが少なくて済むように工夫した。しかし、どうしても担当者が顔を合わせる必要が生じる。開発は各社の担当者とも日常業務と並行して取り組んでいる。忙しくてタイミングが合わないという「中小企業の共通の悩み」(同)もあった。

 ロボットの特徴は低価格、小型、汎用性の高さだ。それらの要望は顧客の声から把握していた。コントローラーに低価格タイプの簡易型を採用したり、部品の共通化を進めたりするなどして低価格にすることで中小企業でも導入しやすくした。

 また小型化して既存生産ラインの空きスペースにも設置できるようにした。アーム全体を上下に動かす部分にはボールネジを使用したことで動きの精度を高めただけでなく、動作範囲によってはロボットを背中合わせに設置することもできる。
 さらに垂直と水平の動きの変更が1日以内で可能にして汎用性を高めた。これは製造ラインの変更や作業変更に柔軟に対応するため。ベルトコンベヤー型生産ラインだけでなく、少人数が一貫して作業するセル生産の省力化にも適応できる。

 ロボットの価格は、仕様により1台約80万−130万円。継続的に受注があれば量産も検討している。その場合は、もちろん「さらに安くなる」(同)という。