バイオ/九州 「SB菌バイオを吸着した家畜飼育用敷材の製造・販売」

独自の菌を植え付けた家畜用敷材の普及と技術の発展

 独自の微生物を利用した畜舎用の敷材を製造・販売する。この敷材は微生物によってふん尿を分解し、病原菌の悪臭を防いでふん尿処理の手間や費用を減らす。これにより人間の作業環境と家畜の飼育環境が良くなる。

 また豚の場合は敷材を食べても病原菌への拮抗作用や抗菌作用が起こり、健康を保つことにつながって有機畜産に近い状態が可能になる。健康維持コストが削減されるほか、成長が早まったり、豚肉の品質が高まることで販売価格が高くなったりする影響があるという。

 微生物を発酵させる機械も販売して、農家の規模や飼育品種に合ったふん尿処理システムを畜産農家に提案していく。また、敷材の材料調達や使用済み敷材の再利用を地域内で行うことで、循環型畜産システムの構築を目指していく。中心となるのは、畜産農家への敷材の供給と敷材の製造システムの販売を手掛けているサコダバイオ研究所。

(株)サコダバイオ研究所


会社名
役割分担
■コア企業
(株)サコダバイオ研究所
敷材製造/敷材生産システム構築
三池産業機械製作所(株)機械製造
(株)フネン販路展開
(株)ゴール販路展開
福岡県工業技術センター微生物効果研究
北九州市立大学国際環境工学部バイオ研究



(株)サコダバイオ研究所<br>迫田茂実社長

(株)サコダバイオ研究所
迫田茂実社長

【微生物技術で畜産の省力化、コスト削減、高付加価値化】

 牛や豚の飼育に欠かせない敷材。稲わらや麦わらのほか木材チップも使われる。その木材チップに特殊な菌を植え付け、ふん尿処理効果や病気の予防効果を持たせているのがサコダバイオ研究所だ。特に豚での利用に実績を積んでいる。

 家畜のふん尿の処理に対する規制は厳しくなっている。また、規制が守られていたとしても悪臭に対する周辺の目は厳しい。サコダバイオが開発した敷材は、ふん尿を分解するともに腸管出血性大腸菌(O−157)、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌の三つの菌に拮抗(きっこう)作用や抗菌作用がある。

 拮抗作用は、病原菌は存在するものの別の菌とのバランスをとって病原菌の効力を抑える状態にする作用。抗菌作用は病原菌を寄せ付けない作用である。

 豚は、敷材を食べることがある。敷材に病原菌がいれば、病気になる理由の一つになる。しかし、サコダバイオの敷材だと、豚の体内でも拮抗作用と抗菌作用が生じる可能性があるという。

 従来、病気の発生やまん延を防ぐために抗生物質の投与や畜舎の消毒、広い場所で隔離しての飼育などが行われているが、コストや手間がかかる。抗生物質の投与は胎児のころから母豚に対して定期的に行われており、大きな費用負担だ。さらに消費者の健康、安全意識の高まりから抗生物質使用への目は厳しくなっている。そこで有機農業の畜産版の有機畜産が注目されている。

 有機畜産物は飼料や飼育場からの投与薬品が食肉に残留することを規制するために、母豚の段階から治療以外の投薬を禁じて、食肉の安全性を厳しく求めた飼育方法で飼育された畜産物を指す。


【ブランド豚と地域連携の確立へ】

 サコダバイオの敷材を使うと、飼育した豚の肉の味にも好影響を与えるという。連携グループは、この敷材を使って家畜の種類や飼育数に応じた飼育法を確立する。その飼育法で育った豚をブランド化する計画だ。

 サコダバイオは既に敷材の製造や利用法についての基本的技術は確立していたが、「一企業では限界がある」(迫田茂実社長)として連携することにした。従来は交流のなかった公的研究機関も連携メンバーに加わったことで、開発技術の学術的裏付けが確実になるほか「連携体で開発が早くなる」(同)と期待している。また、新連携に認定されたことで社会的信用が増すことや、融資による資金調達がしやすくなることを期待している。

 菌を植え付けた敷材の利用技術は、敷材の材料となる木材チップの調達などで地域の連携につながる。また同技術は家畜ふん尿の処理だけでなく、土壌改良や汚泥の処理などにも利用できる可能性があるという。