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山形カロッツェリア研究会代表
奥山清行(おくやま・きよゆき)
世界へ発信する山形のモノづくり
気鋭のデザイナーがサポートする地域再生
−山形カロッツェリア研究会とは。
「企画・デザインから販売までをプロデュースするコンセプターを核としたイタリア型のモノづくりを目指して発足したもので4年目に入会した。ピニンファリーナ(イタリア)のチーフデザイナーとしてフェラーリなどを手掛けてきた自分の経験、そして鋳物や木工、繊維など山形県の地場企業と優れた職人技術が結集して自立化への歩みを着々と進めている」
−山形産品が欧州でも人気でしたね。
「06年に続き、07年1月にフランス・パリで開かれたインテリアの国際見本市『メゾン・エ・オブジェ』に出展した。2回目の出展で認知度も高まっており、主催者とも率直に意見交換できた。コンセプトは『モダン・ビンテージ』。前回比1・5倍のスペースにティーポット、いす、コートハンガー、ペレットストーブ、じゅうたんなど5社の20点を展示した。バイヤーからの引き合いは19カ国196社にのぼった」
−山形から発信する理由は。
「第一に故郷であるということ。山形は国宝、重要文化財が多く、文化的芸術的素地があり、またサポートしてくれる企業も多くて思ったよりやりやすい。自分が関心を深めていた家具づくりに携われるというメリットもあった。イタリアではミラノやフィレンツェなど、それぞれの都市が個性的な文化を発信している。日本でも同じことができるはず。山形をモデルケースとして成功に導き、他の地域に広げていきたい」
戦う職人の結集、そしてミラノへ
−技術者との意思疎通が重要だそうですね。
「職人は開発しながら製造できるクリエーティブクラス(知識労働者)だ。常に議論を戦わせてモノを作っていく。顧客はまず価格ありき、技術ありきといった作り手の高慢さを見抜いている。価格競争から、顧客本位の価値競争へと転換しなければならない」
−販売面での強化は。
「商業的成功が目標。ここ2−3年で1億5000万円の売り上げがあった。インターネット販売のほかに、今後は首都圏などでのショールームづくりが重要な仕事になりそうだ。そこで行政や大企業、デパートなどからの協力が得られるよう要請していく。海外展開と国内販売のM字型同時進行という黒船効果にも期待している。研究会の法人化も進めたい」
−法人化の目的は。
「売り上げを増やすための体系を構築するには、しっかりした組織が必要だ。研究会については新会員を募り、すそ野を広げる。このほか企業単体では難しいブランド管理や輸出手続きなどのサポートを行う。ただし企業ができることは基本的にお任せしたい」
−人材育成も課題ですね。
「職人にはどんどん人前で話をしてもらう。その結果、多くの若者たちがモノづくりに興味を持ち、業界に飛び込んできてくれたらしめたもの。また設計、素材から売り方まで一貫したコンセプトを提示できるコンセプターは業界内に複数必要で山形にも育ってきた。しかし地域全体を見られる総合コンセプターになるとなかなか難しい。地域にこだわりを持つ人物であるとともに、商業的成功以上の見返りも必要だろう。そこで海外で活躍した行政マンのリストアップなど地道なことから手掛けたい」
−これからの目標は。
「08年4月にイタリアで開催される『ミラノ・サローネ』への出展を目指す。家具の国際見本市では最高峰と言われる展示会なので1年かけて準備したい。中途半端にならず、自分たちの力で乗り込んでいく。この出展が一つの節目になるのではないかと思う」
【ポイント】
(1)地域資源とのかかわりを重視
(2)サポーターにとっての地域資源イメージ構築を
(3)地域資源を有効に活用するための手だてや方策が必要
(4)山形をモデルに成功させ、他の地域に広げていく
【サポーターの経歴】
氏名=奥山清行(おくやま・きよゆき)
所属=Ken Okuyama Design CEO
役職=グッドデザイン賞選考副委員長、山形カロッツェリア研究会代表