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M&D研究所 代表
濱田晴子(はまだ・はるこ)
まず地域の素晴らしい素材
地域産業と市場の架け橋
−事業内容は。
「地域特産品の商品開発コンサルティングと開発・製造元に販路を提供することが主な事業である。14年ほど前から携わっている千葉県南房総市富浦町の特産品、房州びわ関連商品の売り上げは好調だ。はじめは役所のプレハブで細々と販売していたが、道の駅の開設で店舗を確保したことと、アクアラインの開通で観光客が増加したことで大きく売り上げが伸びた。今では強力なブランドを定着できたと自負している。私が最も効果的と考える地域活性化のアプローチは地域特産物にかかわるものづくりだ。商工会議所や商店街などのTMO(タウンマネージメント機関)が手掛けるような、都市型のまちづくりとは異なるアプローチである。地域独自の素材を、ものづくりという観点で有効活用し地域経済の活性化に貢献する。この一連のコーディネートが私の使命であって、いわば地域産業と市場の架け橋である。大手民間企業と違って地域産業は市場参入が円滑に実現できないことが多いので、コーディネーターは地域活性化にあたって重要な役割を担っていると考えている」
−地域資源を有効に活用する手段は。
「地域産業と地域行政とコーディネーターそれぞれが、地域活性化における役割を認識してその役割を果たすことが重要だ。地域産業は付加価値の高い特産品の関連商品を提供し続ける必要がある。しかし資金の乏しい地域産業は資金援助を必要とする場合が多い。その資金を提供することが地域行政の役割である。また販路の拡大を得意とする地域産業は多くない。ブランドが浸透していない特産品は、販路の獲得が不十分であることが原因だ。独自の商品に適切な販路を提供することが、コーディネーターの一つの役割である。地域産業と地域行政とコーディネーターが三位一体になって市場に特産品関連商品を提供することが、地域資源の有効活用に重要な手段であると思う」
計画的事業戦略が不可欠
−地域資源のビジネス展開をするときのアドバイスは。
「モノをつくる前にマーケティング戦略を立てることが重要である。地域産業は大手民間企業と違って、商品の開発・製造に大金を投資することができない。だから不特定多数に商品を提供することは大きなリスクになる。それを避けるために事前にターゲットを絞り、その後にターゲット向けに商品の企画・開発に着手する必要がある。モノを作ってから売れなかったというのは、資金の乏しい地域産業にとって致命的な事態を招くことになる。地域産業にはマーケティングの概念が浸透していないようだが、地域産業こそ事前のマーケティングによる計画的な事業戦略が欠かせない。また同じ理由で複数の素材の商品化に着手することは得策ではない。複数の素材から付加価値を生み出し得る素材を一つに絞り出し、その一つの素材の商品化に集中する。それが低資金でも事業の成功につなげることができる一つの手段であると思う」
−地域素材のイメージは。
「今までさまざまなケースを見てきたが、地元の人は地域特有のいい素材に気がついていない。意外と域外の人が発見することが多い。小中学校で地域特有の素材を見つけ出すというレクリエーションでいいものが発見されるということもある。地域には付加価値を生み出す素材がたくさん眠っている。地域活性化はいい素材を発見することが端緒である」
【ポイント】
(1)道の駅利用などで強力なブランド定着
(2)地域独自の素材をものづくりという観点で有効活用
(3)コーディネーターが重要な役割になう
(4)事前にターゲット絞り商品開発
【サポーターの経歴】
氏名=濱田晴子(はまだ・はるこ)
マーケティングの視点から、メーカーの新事業開発や商品開発、地域の特産品開発やブランド化、商店街の再生などのコンサルティングを行う。特に千葉県富浦町では、「房州批杷」を使って、飲料、デザート、菓子、雑貨など約40アイテムの開発に携わっている。