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地域資源活用チャンネル


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

自社ブランド販路開拓への挑戦~熊野筆の伝統と革新~

ギフトセットMGシリーズ

ギフトセットMGシリーズ

有限会社瑞穂(広島県安芸郡熊野町)
住所:広島県安芸郡熊野町4548
電話:082-854-0432
FAX:082-854-9182
設立:昭和55年12月23日
代表者:尺田泰吏
資本金:1,000万円
年商:2.6億円(22年6月期)
従業員:29名
■地域資源活用PG/認定事業名
熊野筆の伝統技法を活かした化粧筆等、新用途商品の開発、新規提案及び新規自社ブランドを通じた販路拡大
■地域資源活用PG/認定日:平成19年10月12日

事業の概要

一本一本手作りの高い製造技術力及び毛先をカットしない自然な穂先を活かした穂首作りという熊野筆の特性を活用し、慶祝・アニバーサリー市場向けの化粧筆パッケージ商品、穂首・口金・ハンドルの各パーツが分解可能な環境配慮型ブラシ、歯科技工士用及びネイルアート用ブラシなどの新しい視点の商品開発を目指す。

筆の里から自社ブランドを発信

展示会の様子(IFFにて)

展示会の様子(IFFにて)

広島市、呉市に隣接する熊野町は、筆づくりに170余年の歴史を有し、明治時代の書道教育の普及とともに成長してきた筆の産地である。

戦後になると新たな筆記具が次々と誕生し、書道教育も廃止されたため、生産量が落ち込んだ時期もあったが、熊野の職人たちは画筆や化粧筆などにその用途を広げてきた。現在では、国内の筆の生産量の80%以上を占め、国内のみならず、海外でも「KUMANO JAPAN」として認知され、買い求められるまでに発展している。

有限会社瑞穂はその熊野町にあり、筆の穂首処理から組立、検品に至るまで一貫生産体制を持つメーカーの一つである。原毛の毛先をカットしない「先寄せ」という熊野独自の製法を現代に伝え、メイクブラシや洗顔ブラシ、プロ向けの専用ブラシなどを製造販売している。

有限会社瑞穂

有限会社瑞穂

瑞穂が地域資源活用事業に取り組むきっかけは、商工会からもたらされた。熊野町商工会が中心となって実施していたJAPANブランド事業に平成18年度から参画し、海外展示会出展などに挑戦していた折り、経営指導員から地域資源施策の紹介を受けた。

地域資源活用促進法が施行された平成19年当時、瑞穂の売上はほぼOEM生産によるものであった。しかし、OEMではクライアントの企画開発力、事業規模に一義的に依存するところが大きく、最終消費者のニーズへの対応が後手に回る懸念があった。作れば売れるというスケールメリットも、中国製品をまじえた競争激化に伴い、生産者サイドからの企画提案能力が重視されるようになっていた。

不安定な経済状況下、OEM以外の販路を模索していた同社は、地域資源活用事業に取り組み、自社ブランドの立ち上げを目指すこととなった。

自社商品開発─販路はどこに

統括事業部長の丸山氏─商品をバックに─

統括事業部長の丸山氏
─商品をバックに─

地域資源の認定を受けることにより、試作品開発や市場調査などに活用できる認定事業専用の補助金や、政府系金融機関等の優遇金利融資、信用保証の特例などが利用できるほか、中小機構のソフト支援を受けることができる。指導員からの紹介を受け、瑞穂も中小機構中国のマネージャーとともに事業計画を作り込んだ。

瑞穂が地域資源活用事業で取り組んでいる内容は大きく4つに分類される。1つ目は「アニバーサリー市場向け商品の開発」。2つ目は「専門性の高い新分野向けブラシの開発」。これは歯科技工士やネイルアーティストの使い勝手に徹底的にこだわった商品である。3つ目は「環境配慮型分解可能ブラシ」。ブラシを「穂首」「口金」「ハンドル」に分解でき、分別処分が可能になった商品である。この機能は実用新案登録を平成18年度に取得した。4つ目は、これら商品群の自社ブランド化による国内・海外への販路開拓である。

瑞穂の社員

瑞穂の社員

瑞穂でこの地域資源活用事業を推進している丸山取締役事業統括部長は、認定を受けてからの1~2年は試作品開発に追われていたと言う。「作ったはよいが、誰に売るのか、といった議論が社内で起こりました」。

2年目以降はマーケティング活動に力を入れ、業界団体と歯科技工専門ブラシの共同開発を進めたり、香港の展示会ではメイクアップ・アカデミーとの取引が決まったりと実績を上げ、自社商品の売上が全体の3割を占めるまでになった。しかし、国内の一般消費者向けの販路は、なかなか足元が固まらずにいた。

ブランディングの再考─国内販路開拓の足掛かり

尺田泰吏 代表取締役

尺田泰吏 代表取締役

今年度、瑞穂は中小機構の「地域活性化アドバイザー派遣」制度、「地域活性化パートナーの活用による販路開拓等支援事業」を活用している。どちらも地域資源活用事業の認定を受けた企業が利用できる制度で、アドバイザー派遣は、ある課題に対し5回まで無料で専門家からのアドバイスを受けることができる。パートナーの活用による販路開拓支援は、小売・卸・商社など、流通を中心に編成された大手企業にパートナーとして協力いただき、都市圏での展示会や販売会に参加できる制度である。

国内販路開拓の足掛かりとしてパートナー企画の販売会を目標に設定し、その準備としてアドバイザー派遣を活用し、自社ブランドの整理や売り場に合った商品提案などのアドバイスを受けることとなった。

「アドバイスを受ける前は『花コスメ』『Mizuho Brush』『尺』と3つの自社ブランドがあり、その中にいくつもの商品ラインがあったものを、そもそものブランドコンセプトから指摘を受け、商品群の整理を行いました。そのおかげで、展示会や販売会のお客様層に合わせた商品提案がようやくできるようになってきました」と丸山氏。

パートナー企画で1月に実施した展示会では、ファッション雑貨関連の専門店など複数社からのアプローチがあり、引き続き商談を行っている。

現在は、春に控えるパートナー企画の販売会に向け、VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)などのアドバイスを受けているところ。外部からのアドバイスは、自社の高い技術力と良質な商品を届けるという揺るぎない信念があるからこそ、効果的なものとなっている。昨年度の瑞穂の経営努力が、新年度、国内販路の確立という形で花開くことを願っている。

(独立行政法人中小企業基盤整備機構 新事業支援部 連携事業支援課 立石美和子)

掲載:2011年4月号

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