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地域資源活用チャンネル


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

廃棄みかんの処理に端を発した三ヶ日地域の活性化への取り組み

三ヶ日みかんシュークリーム

三ヶ日みかんシュークリーム

株式会社フードランド(静岡県浜松市)
住所:静岡県浜松市北区三ヶ日町三ヶ日843
電話:053-525-0153
FAX:053-524-1290
設立:平成2年6月
代表者:中村健二
資本金:1,500万円
年商:3億5,000万円
従業員:10名
■地域資源活用PG/認定事業名
三ヶ日のブランド化による廃棄みかんを利用したみかんペーストの商品化
■地域資源活用PG/認定日:平成20年3月6日

事業の概要

静岡県の三ヶ日地域で、規格外品として出荷することなく廃棄されるみかんを、消化酵素を使った独自の技術で丸ごと溶かしてペースト化し、食品素材として食品メーカー等に幅広く販売を行っている。販売に当たっては「JAみっかび」とも連携し、ペーストについても三ヶ日みかんのブランドを冠して「三ヶ日地域」の知名度アップに貢献している。

廃棄みかんを何とかしたい

三ヶ日みかんペースト

三ヶ日みかんペースト

三ヶ日町は、高品質なみかんの生産地として有名である。しかし、品質の良いみかんだけを出荷するために、出荷量よりはるかに多くのみかんが生育途中で摘果されて廃棄されており、廃棄みかんは環境問題にもなっている。

(株)フードランドの中村社長は、みかんとはまったく関係のない、食肉卸店の3代目経営者であるが、かねてから地元で大量に廃棄されるみかんを何とかできないものかとの思いを強く持っていた。

本事業に取り組むきっかけとなったのは、規格外のみかんを使ったジュース作りの依頼を受けたことであった。しかし、設備もノウハウもない同社が単純にブランドみかん(A級品)を絞っただけでは価格が折り合わず、さらには、効率が悪いだけでなく、ジュースと同量の搾りかすも発生する。その処理費用を考えると、とても採算に合う仕事ではなく、依頼に応えることができなかった。

三ヶ日みかんパン

三ヶ日みかんパン

そこで考えたのが、食肉加工で用いられる酵素処理技術の応用であった。本業の食肉卸業では、硬い肉を食べやすくするために、パパイン酵素を使用して食肉をやわらかくする処理を行っていた。この考え方をみかんにも応用し、使用する酵素とその使用時間、温度を工夫して、みかんを丸ごと酵素によってペースト状に溶かしてしまう技術を開発したのである。

みかんの香りや風味は、果肉の部分よりも皮のほうに多く含まれている。このみかんペーストは、みかんの成分が丸ごと入り、香りや風味も豊かな食品素材として食品加工メーカーに幅広く販売が見込めることから、廃棄みかんの新たな用途開発として、地域への貢献性も高い。そこで、廃棄みかんを活用したみかんペーストの商品化事業に取り組み、2008年3月には関東経済産業局から地域産資源活用事業計画の認定を受けた。

商品開発は連携先の協力も得て順調に進み、翌2009年4月には地元の食品メーカーを中心に「みかんペースト」商品化プロジェクトを立ち上げ、みかんペーストを使用した各種食品の発表試食会も行った。

ペーストもブランド化だ

いなり寿司とサラダロール

いなり寿司とサラダロール

本事業のもう一つの目的は、「三ヶ日」のブランド認知度の向上である。三ヶ日みかんそのものは本事業に着手する前年に「JAみっかび」が地域団体商標として登録を行い、地域の特産品としてブランド化に取り組んでいた。中村社長としては、それだけにとどまらず、三ヶ日地域の活性化のために、さらにあらゆる手段で「三ヶ日」の知名度をアップさせたいと考えたのである。

その実現には、本事業が地域資源活用事業として認定されたことが効果を発揮した。開発商品の品質の良さに加えて、事業が認定されたことで、中村社長の地域貢献への取り組みに対する理解が深まり、本事業で開発するみかんペーストを使用した商品についても、JAみっかびと連携して「三ヶ日みかん」ブランドの表示が可能になったのである。

肉屋が観光協会の会長に

商品ラベル

商品ラベル

本事業をきっかけとして中村社長自身が三ヶ日町観光協会の会長に就任することになり、現在、名実ともに三ヶ日町の地域活性化に取り組んでいる。

その活動の中心が「ステキみっかび発信プロジェクト」(SM@Pe:スマッペ)である。三ヶ日の未来を明るく元気にしたいという熱い気持ちを持った20~30代中心の若者メンバーに囲まれて、次々とイベントを企画し、活性の担い手である地元の人材と地域資源を紹介する三ヶ日のPR映画を作製したり、観光資源と結びつけたみかんのブランド発信を行ったりと精力的な活動を行うプロジェクトの中で、中村社長は中心的役割の事務局長として活躍している。

商品は広がる

中村健二社長

中村健二社長

みかんペーストのPRについては、中小機構関東としても、各種展示会への出展の機会を提供したり、認定事業者間の交流会を実施したりするなどして、事業のマッチングの機会提供などを行ってきたが、県内外の食品加工業者に対する販売には十分手応えを感じており、現在ではユーザー側からの問い合わせが引きも切らない状況である。

昨年からは、食品分野以外の新たな用途開発として、化粧品、トイレタリー製品の分野にも、みかんペースト使用の可能性を求めて商品開発への取り組みを始めた。この分野については、商品開発以上に販路の確保が課題となるため、中小機構関東では、商品開発力と同時に化粧品業界に販路も持った連携先を紹介して、事業を支援している。

また、酵素を使ったペースト化の技術は、みかんだけにとどまらず、メロンやいちごなど県内の農産物資源のうち、規格外品や過剰在庫品の活用を図りたいという出荷組合や農業従事者からの要望にも応えて、新たな商品開発を行い、未利用農産物の販売機会の増加にも寄与している。

((独)中小機構関東 地域活性化支援チーフアドバイザー田中敏夫)

掲載:2010年7月号

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