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地域資源活用チャンネル


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

押出し成形技術を活かした集排水処理材の製造販売

独自な集排水処理材の「もやいドレーン」

独自な集排水処理材の
「もやいドレーン」

株式会社吉原化工(愛知県知多郡南知多町)
住所:愛知県知多郡南知多町豊浜字椿廻間7-11
電話:0569-65-1911
FAX:0569-65-2557
設立:昭和52年5月
代表者:吉原孝保
資本金:1,000万円
年商:37億円
従業員:20名
■地域資源活用PG/認定事業名
プラスチックの押出し成形技術を活かし、湾曲化等の用途別形状に対応した集排水処理材「もやいドレーン」の製造販売事業
■地域資源活用PG/認定日:平成21年12月4日

事業の概要

「もやいドレーン」(上)とその断面(下)

「もやいドレーン」(上)と
その断面(下)

押出し成形技術を活用し高付加価値製品の開発に取り組み、暗渠排水材の持つ通水性の課題を克服した自社製品「もやいドレーン」を開発。立体網状体でありながら通水断面に複数の中空部を有する特徴を持ち、目詰まりがなく排水性が高いうえ、耐圧強度が格段に向上して高い評価を受けている。

事業化に至ったきっかけと現状

愛知県においては、地域資源に指定されているプラスチックを活用した事業計画が平成21年度までに4件認定を受けている。自動車産業が地域の一大産業であるがゆえにプラスチック業界はその恩恵を受けており、事業者数、売上高ともに日本有数の産業集積地として発展してきた。

そのような中、今回の認定事業者である吉原化工は自動車産業に依存するだけではなく、新製品開発を通じて新市場への取り組みをここ20年来実施してきた革新性のある企業である。

同社は昭和51年、愛知県南知多町に誘致されたプラスチック工業団地で自動車部品のプラスチック製品の製造を主とする事業者として設立。当時は、安価で加工度の低いプラスチック製品を製造する小規模事業者が林立していた時代で、競合も多く、設備を導入さえすれば、どの事業者でも同レベルの製品を製造できるという業界特有の構造的な条件もあり、概して同社のような小規模なメーカーは下請け的な立場での受注生産といった経営課題を抱えていた。

さらに、景気や経営環境の変動に伴い、厳しい経営を強いられていた折、同社の吉原孝保社長は公共土木工事等における集排水処理材(ドレーン)のニーズがあることに着目し、自社の押出し成形技術を活かした製品の開発に着手した。

新製品「もやいドレーン」の開発と販路開拓

平成4年に第1次試作品が完成し、販路開拓に取りかかったが、当初は実績もなく販売不振が続いた。その後、平成7年頃に同社近くに建設されるトンネル工事においてゼネコンに初めて採用されて以降、同社製品も従前製品同様の評価を得て、次第に各工事現場で採用されることになった。

さらに、同社ではゼネコンへの直接販売を徹底すると同時に、社長自身が建設現場に足を運んだ際に得た工事関係者からのヒアリングを踏まえ、より顧客ニーズにマッチした新製品開発に取り組んだ。先行していた他社の集排水処理材に通水性などの点で改良の余地があると判断し、平成10年頃から自社ならではの集排水処理材の本格的な開発に取り組み、完成に至った。この製品を「もやいドレーン」と名づけ、本格的な拡販に乗り出した。

当該製品は、一般的な集排水処理材に見られる立体網状体とは大きく異なり、内部構造は面内通水方向にランダムな筒状空洞部(スパイラルパイプ状)を配置し、立体網状体でありながら通水断面に複数の中空部を有する特徴を持っている。

この新しい構造体は、集水性に最も評価の高い"面集水機能"を保持しつつ、透水能力と耐圧強度を格段に向上させることになった。その機能は市場から高い評価を得ることになり、オンリーワンの製品として広く認知されるようになった。

その後、同製品を納入している際に「トンネルの壁面には凹凸があるので、縦横に湾曲でき、かつ強度を保った製品はないか」という声を多く得た。そこで、押出し成形機の口型の製造ノウハウをさらに高度化し、今回認定の対象となった新製品である使用用途に応じ横方向・縦方向に湾曲が可能なタイプの集排水処理材の開発に挑んだ。開発には足かけ2年程度を要したが、平成20年以降に自社ラインナップに加えることができ、さらなる製品群の充実化を果たすことに成功した。

事業計画策定におけるブラッシュアップとフォローアップ

吉原孝保社長

吉原孝保社長

同社に地域資源活用促進法への申請を勧めていただいたのは、同社とお付き合いのあった地域の金融機関である西尾信用金庫のスタッフの皆さんである。当該製品の知名度をあげるために国の認定を得ることが大きなメリットとなることを事業者に説明してもらい、事業計画の策定にも多大な協力を得た。特に、中小企業者が事業計画を策定する際には、金融機関からの支援は欠かすことができない。というのも新製品の開発、販路開拓など資金面での裏付けがないと計画自体の実現性が薄いものになってしまうからである。

その点、今回の場合、当初より金融機関がブラッシュアップ支援チームの一員となり、売上収支計画から資金計画まで細かなフォロー支援を得たことは、同社の認定実現への大きな要因になったことは間違いない。

さらに、吉原社長自身の事業に対する取り組み姿勢も、担当プロジェクトマネージャーをはじめとする支援事務局には大きな加勢となった。世界的な不況が伝えられる中で雇用を守るということが注目されている昨今であるが、同社長は長年社員あっての事業であることを徹底し、経営にあたられていることをブラッシュアップ支援の際にたびたび聞くことができた。社員一人ひとりに固定の業務をさせるのではなく、生産、納品から現場でのニーズの拾い上げまで多能工化を進める方針は、同社の将来性を担保する一因と理解している。

認定後は、支援事務局から販路開拓の一環として県の窓口などを紹介するなどのフォローアップ支援を続けている。「もやいドレーン」製品自体には地盤強化などの使用用途の広がりがあるだけに、さらなる事業の拡大に向けて、同社には精進していただきたいと考えている。

((独)中小機構中部 地域活性化支援事務局プロジェクトマネージャー 大嶋浩敬)

掲載:2010年4月号

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