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地域資源活用チャンネル


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

国内開発ブドウ「小公子」を使ったワイン事業-山あいの小さなワイナリーの挑戦-

小公子スタンダードワイン

小公子スタンダードワイン

有限会社奥出雲葡萄園(島根県雲南市)
住所:島根県雲南市木次町寺領2273-1
電話:0854-42-3480
FAX:0854-42-3487
設立:平成2年2月19日
代表:佐藤貞之
資本金:2,260万円
年商:9,900万円
従業員:13名
■地域資源活用PG/認定事業名
国内開発ブドウ品種「小公子」を使ったワインの改良・新規開発・販路拡大
■地域資源活用PG/認定日:平成20年9月12日

事業の概要

ワイン業界では欧州系のブドウ品種「シャルドネ」「メルロ」などのワインが主流だが、奥出雲葡萄園では差別化を図るべく、日本で開発されたヤマブドウ系列の交配品種「小公子」を使っている。ワイン愛好家をメインターゲットとし、レギュラーワインの改良、新商品デザートワイン・スパークリングワインの醸造・販売に取り組む。

山あいの小さなワイナリー

島根県出雲大社から車で南に一時間走らせた雲南市の山あいに奥出雲葡萄園は所在している。地元島根県では奥出雲葡萄園は「山あいの小さなワイナリー」として知られている。

創業以来、ブドウ栽培から醸造、販売と一貫したワインづくりを行っており、「自然と共生し、地域と共存していく「シンビオシス」(symbiosis「共生」の意)をワインづくりのテーマに掲げている。

国内のワイン市場の現状

国内のワイン市場に目を向けてみると、1988年のワインブームを境に、ワインの需要が一気に拡大した。このブームをきっかけにワインは日本人にもなじみやすいものとなった。ワインブームの際は、「シャルドネ」「メルロ」「カベルネ・ソーヴィニオン」など、いわゆる定番の欧州品種の人気が高かった。

現在はワインブームの時よりは需要は落ち着いたものの、今後はこだわりを持ったワイン愛好家が増加し、特に国産にこだわったオリジナリティのあるワインに新たな需要があるといわれている。

事業着想のきっかけ

原料ブドウである「小公子」

原料ブドウである「小公子」

国産にこだわったワインに新たな需要がある一方で、日本全国のワイナリーの多くが「シャルドネ」などの欧州系ブドウ品種を使用しており、個々のワイナリーが突出した個性を出すことができないのが現状である。

もともと奥出雲葡萄園は1992年のワイン醸造開始当初、欧州系ブドウ品種を用いた定番ワインではなく、ヤマブドウの交配品種「ホワイトペガール」などを用いたワインを醸造していた。しかし、欧州系ブドウ品種のワインに比べて十分な商品力を持ち合わせるまでに至らなかった。

そこで1996年以降、他のワイナリーと同様、「シャルドネ」などのいわゆるワインの定番商品を醸造することになった。その醸造技術の蓄積はめざましく、現在、奥出雲葡萄園の「シャルドネ」は4年連続国産ワインコンクールで入賞するなどの高評価を受けるまでに至っている。

しかし、奥出雲葡萄園のシャルドネが高評価であったとしても、他のワイナリーと同じシャルドネを提供していては、決定的な差別化が図られたとはいえない。そこで、これまで培ったワインの醸造技術を生かし、地域性やオリジナル性のある国産ワインを醸造することが重要との考えに至った。

奥出雲葡萄園は原点を振り返り、創業当初に植栽したヤマブドウの交配品種である「小公子」にあらためて注目した。その時までは「小公子」に可能性を見出していなかったものの、暗中模索の中、1995年から試作を開始した。開発当初、「シャルドネ」などの欧州のブドウ品種ワインに比べると、まったく異なる特異な酸味と香りが目立ちすぎ、商品として市場に出せるものではなかった。

しかし、約10年の試行錯誤を経て、ヤマブドウ特有の酸味と、これまでのヤマブドウ系品種にないエレガントな香りや味わいのある絶妙なバランスを持つワインを生み出した。そのワインは2004年ごろより著名なソムリエ、ワイン愛好家に注目されるようになった。ここ最近では毎年10月発売早々に完売するほどの人気を博すまでになっている。

この10年の試行錯誤を経て、奥出雲葡萄園は「小公子」の可能性の大きさを感じ、「小公子」を使った新しいワインを新規開発し、当社の主力事業として成長させたいと考えるようになった。その折、地域資源活用プログラムの説明会に参加し、小公子ワイン事業が法認定を受けることができないかと考えた。

事業計画策定と認定の喜び

安部ワイナリー長

安部ワイナリー長

事業認定に向け、(独)中小企業基盤整備機構中国地域活性化支援事務局に相談を持ちかけた。その後、事業計画策定の打ち合わせを幾度となく実施した。

打ち合わせでは、既存商品である小公子のスタンダードワインをベースにして、熟成期間を延ばしたプレミアムワイン、食後などに飲まれる極甘口のデザートワイン、発泡性のあるスパークリングワインなどを新規開発することを事業計画に盛り込んだ。さらに「栽培→生産→販売」などの一貫した計画策定を行った。中国地域活性化支援事務局と意見交換をしながら、奥出雲葡萄園の目指す方向があらためて明確になったようである。

事業計画策定時の苦労があって、認定を受けた喜びはこれまでになかったようである。

認定後は、経済産業省の補助金、また中小企業基盤整備機構からの展示会紹介など、販路開拓サポートを受けられるなど、認定のメリットを十分に感じている。

今後の展開

事業計画どおり、まずはプレミアムワイン、デザートワイン、スパークリングワインの開発に注力する。「小公子」を使用したこれらワインはまだ世の中にない。

そこで、できるだけ早い段階で自信作を世に出し、ターゲットであるワイン愛好家に対し、「小公子ワインといえば奥出雲葡萄園」という確固たるブランドイメージを確立させたいと考えている。

最後に

認定事業である小公子ワインの事業が奥出雲葡萄園の主力事業に成長すれば、奥出雲葡萄園の規模拡大の可能性は十分ある。同時に地元の農家への小公子の委託栽培拡大など地域への波及効果も大きい。認定事業を通じて、山あいの小さなワイナリーが大きく成長し、地元雲南市の活性化の牽引役となるよう期待したい。

((独)中小機構中国 地域活性化支援事務局プロジェクトマネージャー 吉田英憲)

掲載:2009年7月号

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