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地域資源活用チャンネル


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

魚介類の町・南三陸町から新たな水産加工品開発への飽くなき挑戦

ほたてやかきのパイ包み

ほたてやかきのパイ包み

株式会社ヤマウチ(宮城県本吉郡南三陸町)
住所:宮城県本吉郡南三陸町五日町3
電話:0226-46-4976
FAX:0226-46-6665
設立:昭和63年5月1日
代表:山内 正文
資本金:2,000万円
年商:3億7,000万円
従業員:20名
■地域資源活用PG/認定事業名
南三陸産ほたて・かきを使ったパイ包みなどの洋風創作料理の製造・販売
■地域資源活用PG/認定日:平成20年7月4日

事業の概要

既存商品(上:ほたて、下:かき)

既存商品(上:ほたて、下:かき)

宮城県南三陸地域の地域産業資源である海産物(ほたて、かき)を原材料とし、滅菌海水によりろ過循環させた衛生管理と無添加による加工方法により、パイ包みなどの洋風創作料理の商品開発を行い、主にケータリング用惣菜としてホテルなど宿泊施設や宴会場などの事業者向けに販路拡大を目指す。

水産加工品開発への挑戦

ヤマウチの歴史は昭和24年、先代が宮城県北部、三陸屈指の恵まれた漁場・南三陸町(旧志津川町)に鮮魚店を構えたことから始まった。南三陸町は広大な太平洋を望むリアス式海岸に囲まれた風光明媚な港町である。

ほや、ほたて、かき、わかめなどの養殖が盛んな湾内は、独立閉鎖された特殊な地形を擁し、降り注いだ雨がすべて湾内に流れ込む。その雨水は長い時間をかけてゆっくりと山の栄養分を取り入れながら海に注ぎ、栄養分をたっぷり含んだ海の幸を育んでいるといわれている。

同社はその後、昭和63年に社名を山内鮮魚店からヤマウチに変更、本格的に地元三陸産の豊富な魚介類を使用した水産加工品の製造販売に着手した。以来、社長の山内正文さんは、地場産物のよさを最大限に生かした水産加工品を全国の各種品評会に出品して数々の賞を受賞するなど、当社独自の保存料不使用の技術開発・商品開発に挑戦し続けている。

現在、地元南三陸町産の魚介類を原料に、28種類303点の水産加工品を県内11店舗、県外6店舗の販売店と自社店舗2店での店舗販売およびインターネット販売(http://www.yamauchi-f.com/)を展開している。また、こうした長年の水産加工品の商品提供が評判を呼び、まんが「美味しんぼ」(小学館)の第75巻「日本全県味巡り 宮城編&双子誕生!」に山内社長と奥さんが登場している。

事業化に至ったきっかけ

このようにさまざまな水産加工品開発を手がけてきたが、既存取引業者や仙台市内のシティホテルのシェフから、魚介類を使った今までにない洋風創作料理の要望があったのが、今回の事業化の一つのきっかけである。

さらに、平成19年9月に地元の南三陸町産業振興課の担当者から地域資源活用事業計画の概要を聞き、中小機構東北の制度説明会に参加したのも事業化の大きなきっかけとなった。

事業計画作成の際の苦労

山内正文社長

山内正文社長

水産加工品開発ではいろいろ手がけてきた山内社長だが、洋風の加工品の開発は経験がなかった。当初の構想では、魚介類(ほたて、かき、うに、めかぶなど)を滅菌海水によりろ過循環させた衛生管理と無添加による加工方法でペースト状の洋風菓子を開発するというものだったが、菓子店のパティシエの助言を受けながら開発を進めたものの、満足のいく試作品の完成には至らなかった。

ペースト状洋風菓子の開発に手詰まり感を感じていた中、魚介類とパイというユニークな組み合わせを思いつく。いわゆるパイ包みである。

パイ包みは、肉や魚をパイで包む料理であるが、当社が考案したのはほたてやかきなどの貝類をパイで包むというもので、非常にユニークなものだった。さらに具材を包むパイ生地についても、海の風味を含んだパイ生地を開発することにした。大きな方向転換であった。

また、当社では事業計画の申請書の作成にも多くの労力を要した。構想はいろいろと頭に思い描けるが、それをペーパー上に表現するという作業には苦労した。中小企業基盤整備機構の専門家(プロジェクトマネージャー)の協力を得て、事業の新規性・市場規模・実施計画などの資料を整備し、何度も事業計画書の内容を練り直した。

こうして、地域資源活用事業の申請を思い立って約1年、ようやく計画内容もブラッシュアップされ、平成20年7月4日の認定となった。山内社長は「いろんな賞をいただいてきたが、地域資源活用事業計画の認定のための申請書づくりがこんなに大変なものだと思わなかった。エビデンス(証拠・根拠の意味)という言葉も今回の事業計画作りで初めて知ったが、今回の計画書作りを通じて当社の経営の方向性を見つめ直すことができ、非常に有意義だった」と笑顔で語った。

認定による効果

地域資源活用事業認定企業になったことにより、中小企業総合展などの各種展示会やイベントへの出展・参加の機会が増えた。多くの業界関係者やバイヤーとの商談の機会が大幅に増加し、新たな取引に結びつくケースが増えている。さまざまな引き合いをいただいているが、数量や価格面で対応できるもののみに対応している。

今後も同社は、南三陸産の魚介類を使用した水産加工品の開発を手がけていくが、今回の認定を機に、さらに当社の未来に思いを強めている。そして、以下の同社創業からのこだわりを大切にしていくことに、あらためて思いを馳せている。
 ・産地ならではのこだわった商品をお届けする。
 ・産地直送だからこそ実現できる自慢の品質と安さを提供する。
 ・素材そのものを生かしたものづくり。
 ・自然調味料にもとことんこだわる。
 ・田舎の素朴な味を守っていく。

((独)中小機構東北 地域活性化支援事務局プロジェクトマネージャー 梅津義人)

掲載:2009年5月号

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