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地域資源活用チャンネル


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

夫婦二人三脚で世界のドレッシング市場に挑戦

各種ピクルス

各種ピクルス

株式会社あお葉フーズ(秋田県湯沢市)
住所:秋田県湯沢市沖鶴103-1
電話:0183-78-0863
FAX:0183-78-0863
設立:平成20年4月8日
代表:菅 善巳
資本金:250万円
年商:1,400万円
従業員:4名
■地域資源活用PG/認定事業名
地域野菜や果物を活用した業界注目シェフ'菅'のドレッシングシリーズ確立と新シリーズの開発
■地域資源活用PG/認定日:平成19年10月12日

事業の概要

湯沢市の地域資源である野菜、果物などを有効に利用し、ドレッシングなど加工品の開発、販売を積極的に行っている。季節の移り変わりがはっきりしている秋田県では旬の産物が豊富だが、市場に出回らないものも多く、それらを買い取り、「シェフの視点」から見た季節感のあるドレッシング、ピクルスなどの開発を手がけている。食の安全・安心が脅かされている現在、安心なおいしい商品で「食卓に笑顔を」をモットーとしている。

事業化に至った経緯

製品となる野菜たち

製品となる野菜たち

あお葉フーズは、平成13年から秋田県湯沢市でフランス料理レストラン「シェ・アラジン」を経営してきた。代表者の菅善巳さんは、独立以前には高級レストランやシティホテルでシェフを務めるなど、その料理への評価は一貫して高いものがある。また、菅さんの制作する氷の彫刻は各地で何度も受賞するなど多才を誇り、デザインセンスを生かした創作料理はレストラン経営の基礎をなすものである。

このように競合に対してのアドバンテージを有する「シェ・アラジン」ではあるが、湯沢市における地域経済の衰退や人口減少などの環境悪化は、徐々にではあるが当社の経営にも影響を与え続けている。気がつけば平成十九年の売上はピーク時の平成14年の7割程度に落ち込んでいた。この状況を打開する手段として、確固たる収益源を確保するための新たな事業の確立が急がれた。

同社では、3年ほど前から地元の食材を活用したドレッシングの開発を始めている。全工程が手づくりであり、しかもレストランの経営を行いながらの作業であるため、決して大量に製造できるものではないが、その希少性が功を奏し、菅さんの作るドレッシングやピクルスは徐々に評判を呼ぶようになった。特に「納豆ドレッシング」はそのユニークさも手伝い、一気に菅さんのドレッシングの名を高め、秋田県物産振興会や秋田空港ターミナルビルなどでも販売されるまでになった。

こうした経緯を経て、地元スーパーや納豆メーカー、大手メーカーからの問い合わせや商談が寄せられるようになり、首都圏の著名なフレンチシェフからもOEMでのドレッシングの生産依頼があるなど、これまでの取り組みの成果が出始めた。

課題克服に向けて...

菅さんの開発するドレッシングは知る人ぞ知る存在となりつつある。そのバリエーションはシリーズ化できるほど豊富になった。地元の野菜や果物を素材としたドレッシングは10種類、ピクルスは7種類、ジャム4種類と、その開発のスピードは周囲が目を見張るほどであった。

しかし、ここにきて大きな課題に直面することになる。種類は豊富になったものの、それら個々のアイテムで採算ラインに乗るほどの量の注文があるわけではない。商談へとつながる引き合いはあるものの、その多くは取引条件が厳しく、途中で諦めることとなる。時には大量注文が舞い込むことがあるが、こちらは手づくりの生産である。とても量的に応じられず、泣く泣く断らざるをえない...。

開発を始めたドレッシングの可能性を確信してはいても、経営的視点からその後の展開の方向について悩む日々が続いた。そんなときに地域資源活用プログラムの説明会が秋田市で開催されることを知る。この場での中小企業基盤整備機構の専門家(プロジェクトマネージャー:PM)による個別相談を経て、菅さんはこれまで悩み続けてきた経営課題を解決するために、地域資源活用プログラムに基づく事業計画を作成することを決意する。

真摯な取り組みが勝負を決めた

菅善巳社長

菅善巳社長

菅さんが取り組む事業計画は「ものづくり」である。いうまでもなく本業はレストラン経営。これまでドレッシングを製造していたといっても、それは本業の片手間といってもいいレベルでしかない。おいしいフランス料理をスマートに生み出すのとは勝手が違う。悪戦苦闘の事業計画づくりが始まることになった。

その道程はきわめて厳しいものとなった。PMのアドバイスと真っ向から対立することも珍しくない。菅さんの事業にかける思いは熱く、理想へと突き進んでいく。

ここで菅さんに有力なパートナーが登場する。奥様の綾さんである。今だからいえるが、綾さんの存在を抜きにこの事業計画は完成しなかったとは、周囲の一致するところである。

菅さんは「夢追い人」だ。常においしくて美しい料理をイメージしながら創作することが大好きなアルチザンだ。一方で綾さんは、夫の夢に日付けを入れ、地に足のついた視点で立ち位置を見失わない冷静さを持つ。それでいてラベルデザインなどは綾さんが担当するなど、芸術的センスを併せ持つ。菅さんが頼りにするわけである。

夫婦二人により計画された本事業は、平成19年10月12日に地域資源活用プログラムの第1号の認定を受けた。計画する事業がこれまでの業務と異質であったことから、計画づくりの苦労は並み大抵ではなかったが、二人の真摯な取り組みがその困難を克服した。認定書交付式で菅さんの笑顔の視線の先に綾さんがいたことはいうまでもない。

新たなステージを目指して

事業計画の認定を受けたときには「シェ・アラジン」は個人事業であったが、その後、株式会社に法人化した。認定後は地域資源認定企業であることを全面的にアピールし、積極的にPR活動に努めている。

認定の効果は大きく、各種新聞や雑誌にも多く取り上げられ、全国ネットのテレビ番組でも放映されるに至った。こうした知名度のアップに伴い、商談の成果も拡大している。

すでにニューヨークとホノルルに輸出を始めており、マーケットは世界に広がりつつある。

いよいよ今年は自社工場を建設する。今、あお葉フーズは未来に向けて新たなステージに立っている。

((独)中小機構東北 地域活性化支援事務局プロジェクトマネージャー 小島壯司)

掲載:2009年2月号

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