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地域資源活用チャンネル


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

糖尿病患者も楽しめるノンシュガー甘納糖

ほろ甘なっとう

ほろ甘なっとう

株式会社宮本酒造店(石川県能美市)
住所:茨城県龍ヶ崎市白羽4-5-7
電話:0297-62-0375
FAX:0297-64-1357
設立:昭和10年9月1日
代表:塚本 裕
資本金:1,000万円
従業員:35名(パート含む)
■地域資源活用PG/認定事業名
「低カロリー芋甘納糖」開発プロジェクト
■地域資源活用PG/認定日:平成19年10月12日(第1号認定)

事業の概要

創業70余年、甘納豆一筋に製造・加工販売及び卸販売を行っています。

豆・芋関係・野菜関係の糖置換製品を、昔ながらの伝統製法「直火炊き」で一釜一釜丁寧に製造しております。

平成20年3月に龍ヶ崎市白羽に新工場を建設し、食品の安全・安心を図るべく、衛生管理のしっかりした環境でお客様のニーズに合った製品づくりに努めております。

伝統の製法で新商品に挑戦

ほろ甘なっとう各種

ほろ甘なっとう各種

茨城県龍ケ崎市の街なか。ひっそりとたたずむ工場で、つかもとは、70年にわたり丁寧に甘納豆を作っている。うずら・あずき・白花などの豆類を材料とする王道の甘納豆はもちろん、ゴボウやカボチャといった野菜を使用した甘納豆も手がけ、商品は実に30種類にものぼる。

材料を水炊きして糖蜜に漬け、直火で炊き上げる。糖蜜の濃度を徐々に上げ、甘みを少しずつ浸透させていく。創業から70年間、伝統の製法をずっと守り続けている。

同社はサツマイモと林原(岡山市)が開発した「マルチトール」という甘味料を使用し、「ノンシュガーの芋甘納糖」づくりに乗り出した。マルチトールは通常より30%ほどカロリーの低い糖アルコール。甘みも通常の砂糖より控えめだ。「ほんの少しアッサリした味になるが、砂糖を使った甘納豆とほとんど変わらない。糖尿病患者の方や摂取カロリーに注意が必要な方に楽しんでほしい」と、塚本社長は話す。

サツマイモは、茨城県の霞ケ浦周辺のものを使用する。茨城県のサツマイモの年間生産量は約16万トンで、鹿児島県に次いで全国第2位であることから、「原料の安定供給が可能であるうえ、地域ブランドにもつなげやすい」と判断。

甘納豆は半生の食品であるため、水分量や糖分のバランスがポイントとなるが、皮に覆われている豆に比べ、サツマイモは煮くずれしやすい。さらに、同じ品種でも畑によってイモの固さなどは微妙に異なっており、頃合いを見定めるのが非常に難しい。甘味料の分量などは、ある程度数値化できるものの、最後には職人の腕と経験がものをいう。同社には、この道40年のベテランをはじめ、5人の職人が揃っている。まさに腕の見せどころだ。

認定事業に取り組む経緯

平成19年4月、茨城県物産協会の総会で県産業政策課の担当者から地域資源活用事業計画の存在を聞き、県の産業資源である「かんしょ」と同社が保有する甘納豆製造技術を融合させた新しい商品が開発できないだろうかと、県産業政策課に相談したのがそもそものきっかけである。

事業計画作成の際の苦労

塚本裕社長

塚本裕社長

同社では、申請書の作成経験が少なく、また、認定第1号へのチャレンジであったため、詳細事項が未決定なものも多く、事業計画の申請書を作成するのにも多くの労力を要した。期限が刻々と迫る中、通常業務の終了後、事業の新規性・市場規模など示す資料を整備し、何度も事業計画の修正を繰り返した。そして、支援機関の茨城県中小企業振興公社の協力を得て、何とか完成にこぎつけたのである。

今だから言える話だが、塚本社長は、「事業として認められるために、これほど大変な作業が必要だとは思いもしなかった」と笑顔で語る。しかし、膨大な量の関係書類の収集と、本事業のストーリー構築に多くの時間を費やしたことが、現在の本事業の基礎となっていることは間違いない。

商品化に向けての試行錯誤

甘納豆製品は、当然甘い和菓子であるし、カロリーも決して低くない。カロリーの低減だけではなく、異なった視点から付加価値を追求し、商品化に向けての工夫が必要である。規格外サイズの「かんしょ」の有効活用や形状の工夫などは、業界の固定観念から脱却したものであり、同社にとっても斬新で新鮮なことであった。

検討を重ねた結果、当面はサツマイモを「輪切り」にして使うが、これが軌道に乗れば「スティックカット」や「角切り」タイプも生産するという。茨城農政事務所によると、現在、サツマイモの1ヘクタール当たりの生産量は約25トン。このうち、「規格外」として廃棄されるものは全体の「20%前後」(県内農家)にのぼる。

こうした規格外のサツマイモを利用して、「角切りタイプ」などをつくり、地域農家の収益向上に貢献する考えだ。また、規格外のサツマイモも、できる限り、「規格品」に近い価格で買い取りたいと同社は考えている。これこそ、地域貢献につながるものではないだろうか。

苦労の末に受けた計画認定

関東経済産業局でのプレゼンテーション当日、評価委員の鋭い質問や指摘を受け、社長は当事業に認定される難しさをあらためて再認識したようだ。苦労を重ねたこともあり、約2週間後に認定の知らせを受けたときは、「非常に嬉しかった。ご協力いただいた方々に感謝の気持ちでいっぱいであると同時に、これからの事業推進にかかる責任に身が引き締まる思いがした」と社長は語る。

今現在、当事業はまだ商品化まで至っていない。今後、本当の意味で成果が問われることになるが、試作が最終段階に入っている商品も一部あり、いつから実際の販売を行うのかを検討している状況である。

認定による効果

今回の認定により、中小企業総合展などの展示会に出展することができ、数多くの菓子流通関係のバイヤーや百貨店・スーパーなどの目新しい商材を探している商品開発担当者との商談機会が大幅に増加した。

砂糖を使用した既存の製品も着目され、新しい販路が開拓されたことは、今後の新商品の販路としても活用できる。国から認定をもらっている企業ということで、買い手に安心感・信頼感を与えられたことも好材料のひとつになっている。

また、社長及び社員の意識も変わりつつある。食の安全・安心が求められる今日、数年後のISO22000(食品安全マネジメントシステム)取得に向け、今まで以上に社員教育の徹底と品質管理の向上を目指す。

大手メーカーが参入しにくい隙間産業で生きる製造メーカーとしての「こだわり」と「融通性」を最大の武器にし、今まで培ってきた「甘納豆の伝統を守りつつ、同時に伝統を打ち破っていく」という経営理念のもと、新しいことに挑戦し続ける。塚本社長は今回の認定を機に、さらに将来への思いを強めている。

((独)中小機構関東 地域活性化支援事務局プロジェクトマネージャー 三輪清一)

掲載:2009年1月号

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