本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

伝統の三河木綿刺し子地の特性を生かしファッション商品を開発

刺し子ユニホーム

刺し子ユニホーム

株式会社タネイ(愛知県豊川市)
住所:愛知県豊川市御津町西方中屋敷35
電話:0533-76-4181
FAX:0533-76-2687
設立:昭和43年5月23日
代表:種井美文
資本金:1,850万円
年商:2億600万円
従業員:14名
■地域資源活用PG/認定事業名
刺し子織の三河木綿を使用したバッグ・袋物など新分野商品の製造・販売事業
■地域資源活用PG/認定日:平成20年2月20日

事業の概要

柔道着

柔道着

「これまでの布製バッグの素材は、帆布の生地が主体だったが、硬くて2次元の世界だった。それに比べ、刺し子生地は温かみがあり3次元の世界を有している。これはヒットすると思うよ」-これは、某有名流通業のカリスマバイヤーから、タネイ社が新分野商品として試作した三河木綿刺し子地のバッグに対していただいたご意見である。

タネイが歩んだ道

愛知県三河地域は、平安時代初期に日本で初めて綿が伝来した地域と言われており、江戸時代には「三白木綿」として江戸方面に送られ、さらに明治時代には「三河木綿」「三河縞」というブランド名で全国に知れわたり、「丈夫で質の良い綿織物」として今日まで受け継がれている。

三河木綿の刺し子地は、元来、丈夫な三河木綿の生地全面に、さらに木綿糸で刺繍加工を施したもので、江戸時代から「消防刺し子地」として火事装束に使用されるなど、非常に丈夫で耐火性に優れているうえ、通気性、吸湿性にも優れ、柔らかくて肌触りがよいという特長がある。

タネイは、古くから三河木綿の生産地である御津町で大正10年に創業した。三河木綿の刺し子織の特性を生かし、柔道着地、消防刺し子などを製造してきた。大正11年、現社長・種井美文氏の祖父であり創業者である種井三代次さんが、それまで手刺しで製造していた工程を、全国に先駆けて刺し子地の自動製織機の開発に成功し、一気に事業を拡大。現在では国内有数の武道着メーカーとして、全国のスポーツ用品、武道具店で当社製品が取り扱われている。

1984年のロサンゼルスオリンピックにおいて、柔道無差別級で優勝した山下泰裕氏が使用していた柔道着は、タネイ社の三河木綿刺し子地を用いて製作したものである。

新分野への挑戦-さまざまな「出会い」

種井美文社長

種井美文社長

しかし、近年は少子化により武道着の需要が減少傾向にあり、加えて安価な中国製品の流入・席捲によって、国内の武道着メーカーは非常に厳しい状況に直面している。

そのため、種井社長は武道着という本業力を生かしつつ、これを補完する第二の柱の構築が社長としての責務であると捉えていた。

刺し子の特質を生かした新しい商品を開発すべく、デザイナー、商品開発・販路開拓アドバイザー、バイヤー等々各分野の専門家とのアイデア・情報交換を重ねながら、商品の開発・事業化を進めた結果、現在は作務衣、和帽子の販売が軌道に乗りつつあり、さらに三河木綿刺し子の持つ機能・風合いを最大限に生かした商品として、バッグ分野への挑戦に取り組んでいる。

種井社長は「これまでに経験したさまざまな分野の方たちとの出会いが、武道着専門のタネイに新しい風を吹き込んでくれた最大のファクター」と話している。

新商品・新事業開発のプロセス

それでは、「さまざまな出会い」が、どのようにして「新商品・新事業開発」につながっていったのか。いくつかの事例を紹介する。

○作務衣(作業着)-料飲店に対するユニホームの直接販売

「刺し子地の作務衣は丈夫、火に強い、軽い、洗濯機で洗濯可能、アイロン不要」。
 種井社長が直接商談に当たった料飲店の経営者から、刺し子地の仕事着はユニホームとして大変優れているとの評価をいただき、現在は、「ひつまぶし」で有名な名古屋市内の鰻料理店や、三河地域で多店舗展開する居酒屋チェーンで継続的に採用されている。

○「和楽」「こてめん堂」ブランド展開-通信販売への進出

種井社長と販路コーディネーターOさんとの出会いが、通信販売への進出のきっかけである。
 種井社長は(独)中小企業基盤整備機構から紹介されたOさんから、新しい販路として通販会社S社の紹介を受け、通信販売分野へ進出した。刺し子地で作った「和帽子」は大変評判がよく、2008年4、5、6月にはS社通販の販売実績(数量)で1位のヒット商品になっている。

○バッグ分野への挑戦-新しい主力商品の開発

種井社長と女性デザイナーのFさんとの出会いが新しい主力商品としてのバッグ開発のきっかけである。
 世界的に有名な日本人ファッションデザイナーのもとで経験を積んだFさんが、刺し子素材の魅力に注目し、インターネット検索でタネイ社を知り、直接種井社長に電話をしたことが、現在Fさんが所属するデザイン事務所とタネイ社との共同によるバッグの開発、販路開拓への取り組みへとつながっていった。
 これまでの武道具に関しては種井社長が商品開発を進めたが、女性を主ターゲットとするバッグ開発に関しては、女性のセンスが何よりも大切と、社長夫人で同社専務取締役である由美子さんを主要メンバーに加えた。
 現在は、来年からの市場投入を目途に、デザイン事務所が作成したデザイン画をもとに、タネイ社が刺し子地製バッグの試作品を製作中である。

おわりに--危機意識の持続と新事業へのたゆまぬ挑戦意欲

「今までどおり漫然と事業を続ければ、この会社は私の代で終わるかもしれません。そうならないよう挑戦していくことが私の使命と考えています」。最初に種井社長にお会いした時の言葉である。

タネイ社の挑戦は始まったばかりであるが、これまでの事業化に向けた活動を経て、事業の方向性とデザイン・製作・販路開拓・販売などのビジネス推進体制が次第に明確になってきている。本当の挑戦に向け、種井社長にとって、正面から危機に立ち向かい、新たなビジネスチャンスに挑戦する日々が続く。

((独)中小機構中部 地域活性化支援事務局プロジェクトマネージャー 清水重雄)

掲載:2008年11月号

前の記事次の記事


このページの先頭へ