本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル


成果事例 メディアでの紹介

月刊「商工会」

「淡路瓦」活用プログラム事業化への挑戦と方向性

花器(窯変調)

花器(窯変調)

株式会社タツミ(兵庫県南あわじ市)
住所:兵庫県南あわじ市津井976
電話:0799-38-0309
FAX:0799-38-0025
設立:昭和51年9月
代表:興津 昇
資本金:5910万円
年商:150百万円
従業員:10名
■地域資源活用PG/認定事業名
淡路瓦「鬼師」がつくるオリジナルエクステリア製品・インテリア製品の開発販売
■地域資源活用PG/認定日:平成19年10月12日

事業の概要

エクステリア施工展示

エクステリア施工展示

瓦業界の不況脱出のため、屋根から降り、瓦製造技術で作ったエクステリア、インテリア製品で活路を開こうとする意欲的な挑戦である。

申請の経緯

淡路のいぶし瓦は屋根材として約380年の歴史がある。地場産業であるとともに、日本の瓦三大産地(三州、石州、淡路)の中でも、いぶし瓦の生産シェアは全国の46%(平成18年工業統計)を占め、全国第1位を誇っている。現在、130軒ほどの工場が操業している。

しかし、いぶし瓦業界は未曾有の不況に苦しんでいる。業界としては、平成18年にJAPANブランドに申請、「いぶし瓦」を世界のブランドにしようとしたが、十分な成果をあげていなかった。一社単独でもこの現状を打開しようと、平成19年6月末、タツミの興津博捷会長は南あわじ市商工会西淡支部に経営相談に赴き、初めて第1回の地域産業資源活用事業計画の募集を知ることとなった。地域資源「淡路瓦」を活用する事業として応募し、不況の打開策の一環として挑戦してみてはどうかと薦められたのである。

屋根材の中でも鬼瓦は役瓦(軒瓦、袖瓦など特殊な部分を葺く瓦)の1つであるが、「鬼師」と呼ばれるごく少数の熟練職人に手づくりされる。今後、瓦づくりの技術を生かし、屋根材以外の分野への進出という課題があったため、インテリア製品、エクステリア製品の開発および販売を考え、商工会の経営革新支援アドバイザーのアドバイスを受け、応募することになった。

当初ヒアリング時

事業名を「瓦技術を使ってのインテリア製品・エクステリア製品の開発販売」として申し込んだものの、ヒアリング時にはインターネット上に掲載されている屋根瓦を使用したエクステリアとの違いや新規性について十分な説明ができていなかった(外構に瓦を使用する例は、以前から自然発生的にみられた)。

この時点では、他への応用のイメージを具体的につかんでいなかったようである。また、他の瓦業者が参入してきたとき、差別化ができているか、競争上の優位性はどこにあるかについても、十分つかんでいなかった。

新規性について

当社は本事業を成功させるために、平成19年7月、神戸・明石を中心に外構設計・施工をしている神戸の業者と提携することを決めた。提携した造園業者が庭に使った瓦の事例写真をみて、特注品によるエクステリア商品であることがわかった。

提携先企業の社長に直接ヒアリングしてわかったのは、瓦をただ単に庭に使用しただけではダメで、施主や施工業者の希望を採り入れ、デザイン性に富んだ独自の商品としなければならないということであった。

また、他に新規性、他者との差別化という意味では、鬼師(淡路の鬼師の半分近くを抱えている)の手づくりによるものであること、インテリア分野では、いぶし瓦の窯でしか焼けない窯変調の花器であること、インテリアをオンリーワンの製品として製造していることが、他者との差別化のポイントとして挙げられることが徐々に判明してきた。

最終的には、淡路瓦「鬼師」がつくるオリジナルエクステリア製品・インテリア製品の開発販売ということなり、平成19年10月、地域産業資源活用プログラムの認定を受けることができた。

認定後の努力

興津博捷会長

興津博捷会長

認定後、当社はエクステリア製品について「新和風庭園用瓦材」としてさらに改良を進めている。親しいデザイナーや建築家はいないものの、「高田屋嘉兵衛記念公園」の設計者で緑の景観賞やグッドデザイン賞などの受賞者である建築家・奥井正造氏を独力で探し、設計をお願いしている。最初の設計は「新和風庭園」である。この庭にユニークな製品を加え、平成20年10月末、千葉県の幕張メッセで開催される展示会に出展、これを機会に販路開拓を強化し、関東地域への本格的な進出の足がかりにと考えている。今後、まだまだ商品開発と販路開拓が必要である。ようやく、庭園の分野での販売がスタートラインに立ったところなのである。

一方、インテリア製品は、リニューアルされた当社のホームページに掲載されている。地域産業資源活用事業計画の認定に係る記事が新聞、雑誌、テレビなどで報道されたこともあり、当社には多数の問い合わせ、注文が入り、売上は着実に増加している。また、専用のホームページも新しく開設し、少しでも多くの商品を消費者の目にふれさせることによって、実際の販売につながるよう日々努力している。

プロジェクトマネージャーとして、中小企業基盤整備機構が企画したイベントにも積極的に参加を促しており、今後もいろいろな情報提供、紹介、アドバイスなどにより、同社の事業を一層成功させていきたいと考えている。

瓦という伝統産業のものづくりの頭を切り替えて新分野に参入するには、相当の決意と努力が必要になる。淡路の瓦業界から本件分野に参入する企業が一社でも多く出てくることで、企業同士が互いに切磋琢磨できる環境が構築されていくことも、併せて期待している。

((独)中小機構近畿 地域活性化支援事務局 プロジェクトマネージャー 黒石康夫)

掲載:2008年10月号

前の記事次の記事


このページの先頭へ