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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

山梨県

生ゆばのレトルト製品化に挑戦

企業名 ゆば工房 五大 三類型 農林水産物・鉱工業品 地域資源名 ゆば
生ゆばをレトルト食品にした「ゆば丼」

生ゆばをレトルト食品にした「ゆば丼」

 山梨県身延町は日蓮宗の総本山「身延山久遠寺」があり、寺では750年ほど前から僧侶らによってゆばが食べられていた。ゆば工房 五大は、原材料の大豆と使用する水にこだわり、伝統ある身延ゆば作りを行っている。同社が新製品として取り組んだのは生ゆばをレトルト食品にした「ゆば丼」だ。

短い賞味期限

 ゆばは大豆を釜で炊き、絞った豆乳を熱して表面に出来た膜を竹串などで引き上げたもの。生ゆばは引き上げたままの状態、乾燥ゆばは乾燥させた状態のことをいう。機械化は進んだものの、ゆば作りは手作業で行う部分が多く、大量生産には向かない。特に生ゆばは作り上げてから賞味期限が7-10日と短いため、流通経路が限られていた。望月社長は「レトルトにすることで賞味期間を長くし、全国に販路を拡大したい」と考えた。

 生ゆばをレトルト製品にするには専用設備とボイラ、配管などの工事に数千万円の費用がかかる。設備投資が高額となるため、公的な補助金などの活用を模索していたが、ゆばのレトルト製品化は「以前からやってみたいと思っていたテーマだった」(同)ことから、金融機関から融資を受け設備購入資金にあてた。

 生ゆばは、もともとデリケートな食品で「レトルトにしたものは知っている限り、製品化されていなかった」(同)。レトルト製品化にあたっては生ゆばそのものの色と風味に近づけることが重要だった。高温処理するため、色が変色してしまうことやレトルト臭が残ってしまうといった課題をクリアしなければならなかった。

繊細な味の再現に苦心

 一般的にカレーなど味の濃い食品はレトルト製品に向くが、生ゆばの場合、繊細な味を再現することが難しい。開発期間に約1年をかけ「独自の工夫と試行錯誤を重ね、生ゆばの風味を極力損なわない最適な加熱時間、温度設定を突き止めた」(同)という。

 2010年1月に製品が完成。レトルト製品にしたことで賞味期間は常温で8カ月となった。望月社長は「簡単に生ゆばが楽しめることが強みで、購入者の評判は非常に良い」と手応えを感じている。同町内の飲食店やホテル、土産品を扱う売店で販売しており、購入者の約6割が一般の顧客だ。販売開始から一年で700万-800万円を売り上げた。

 レトルトに必要な設備はそれほど大型ではないので生産量は限られている。今後は「さらに味に磨きをかけ、販路を拡大していく」(同)考えだ。県のアンテナショップや都内で行われる物産展などで徐々に顧客層に浸透させ、年間1500万-1600万円の売り上げを目指す。

ゆば工房 五大・望月五夫社長

ゆば工房 五大・望月五夫社長

【コメント】ゆば工房 五大・望月五夫社長
ゆばケーキにも挑戦

 ゆば作りでは原材料である大豆と使用する水にこだわっている。特に「大豆を洗う」という作業には気を使う。1994年に生ゆばを重ね、厚みのあるゆばに仕立てた製品を開発し「角ゆば」と名前をつけた。ゆば料理のレシピの幅が広がるとして飲食店の料理人らから好評を得ている。「角ゆば」については特許を取得し、当社のブランドとして売り出している。このように生ゆばの製造技術については基礎をしっかり固めた。
 現在は「ゆばまん」「ゆばケーキ」など、ゆばを使った新しい製品作りにも挑戦している。生ゆばのレトルト製品では味に磨きをかけることを考えている。引き合いが多いことを追い風に販路拡大に力を入れたい。

会社概要

会社名:ゆば工房 五大
住所:山梨県南巨摩郡身延町帯金3705-1
業種:生ゆば及び関連商品の製造販売
電話:0556-62-3535
URL:http://www.yuba-godai.jp/