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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

岡山県

養殖業者の経営改善に役立つ施肥具を開発

企業名 横山製網 三類型 鉱工業品 地域資源名 網(繊維製品)

海水中の栄養分に着目

網に簡単に取り付け、必要な時に必要な量を施肥できる「海養力」

網に簡単に取り付け、必要な時に必要な量を施肥できる「海養力」

 横山製網は1920年の創業以来、漁網の生産一筋に取り組んできた。漁業の発展とともに社業を発展させてきたといっても過言ではない。沿岸刺し網の生産では国内トップ。強みは、原料の加工から仕上げまでを自社で一貫生産できる体制だ。漁法や魚の種類など漁業者の多様なニーズに対応できる。機械メーカーと連携して独自の機械や設備を開発。また原料である糸の開発も原糸メーカーと共同で行うなどモノづくりへの意欲は旺盛だ。

 しかし近年、瀬戸内海の漁業は衰退の一途をたどる。沿岸海域がきれいになったからだという。「ダムができ河川がコンクリートにより整備された。海に土砂が流れ込むことが少なくなったが、同時に海水に栄養分も少なくなった」(横山信昭社長)と原因を推測する。これを顕著に示しているのが養殖のりの「色落ち」だ。のりの色は製品の等級を決めるうえで大きな要因。のり養殖業者の間では深刻な問題となっている。

水産物養殖用の肥料を開発

 海水中に不足した栄養分を補えば、のりの色落ちが防げるのではないかと発想。「地元はもとより全国ののり養殖業者の経営改善の役に立てれば」(同)と施肥具の開発を決めた。しかし漁網一筋の同社には肥料の知識もノウハウもない。さまざまな肥料を取り寄せ研究を重ねた。こうした試行錯誤の取り組みを繰り返し、栄養素を施肥して効果を上げるには鉄イオンの働きが必要であることをつきとめた。そこで、鉄と窒素など必要な栄養素を混ぜた肥料をつくり、これを不織布に包んだ施肥具「海養力」を開発した。養殖用網にロープで簡単に取り付けられ、必要な時に必要な量を施肥できる。取引先を通じて養殖業者に試験的に使用してもらった結果、効果が上がったという報告が届いている。また岡山県産業振興財団などからも支援を受け実証実験を行っている。

 現在、同製品は農業用肥料を転用しているが、農業用肥料は低水温では溶けきらない場合がある。これを改善するため水産用に特化した肥料の開発をメーカーに依頼。水産試験場で既に実証済みで2012年1月をめどに投入予定だ。施肥具の製造は大阪の繊維メーカーに委託。販売面では、小売りはせずすべて販売業者を通じて行っている。今後も販売力と営業力の向上のためこの販路を強化していく方針だ。

 同製品は、養殖する海産物の種類や海域の状態に合わせて必要な肥料の内容や割合を変えることができる。他にも、かき養殖用の「カキ元気くん」をラインアップしている。技術力を生かして高品質な製品を作り、オンリーワンの漁網メーカーを目指していく。

【コメント】横山製網・横山信昭社長
漁師の生活の循環を良くしたい

横山製網・横山信昭社長

横山製網・横山信昭社長

 瀬戸内海の沿岸漁業者は春先から漁を開始する。水温が低下する冬は漁獲量が減少するため、のりやかきの養殖で生計を立てるというのが一般的。漁網は新しい物ほど魚がよく捕れる。漁業者は冬の養殖業で得た利益で春からの漁に向け、新しい漁網を購入する。しかし最近は水産物がうまく育たず養殖業も衰退している。新しい漁網が買えない状況だ。
  この悪循環を断ち切り漁業者の生計を改善したいと常に考えていた。漁網メーカーの我々が施肥具を開発したのは、このような思いからだ。

会社概要

会社名:横山製網株式会社
住所:岡山県瀬戸内市邑久町虫明3133
業種:業網、ネット製造販売
電話:0869-25-0111
URL:http://www.yokoyamaseimo.co.jp/