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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

兵庫県

そろばん珠を生かした「和」家具を海外に

企業名 ヤマソロ 三類型 鉱工業品 地域資源名 播州そろばん

まねができない素材は…

ヤマソロが開発した「衝立OCHITSUKIシリーズ」

ヤマソロが開発した「衝立OCHITSUKIシリーズ」

 ヤマソロは兵庫県の東播磨地域のほぼ中央に位置する小野市に本社を置く。小野は江戸時代からの「播州そろばん」と「家庭刃物」が特産で特にそろばんは雲州(島根県)と並び、全国で高いシェアを占める。同社はそろばんを製造・販売する山本算盤店として1928年(昭3)に創業し、現在は家具やインテリア製品などを手がけている。
 同社が地域資源活用に関与した理由は、デザイン面でまねのできない家具を作ることにあった。家具は少ロットでもまねが簡単にできることから、まねのできない素材を探した結果、行き着いたのが身近にあったそろばん珠だった。
 過去、そろばん珠の製造技術を使った応用製品に昭和30年ごろに開発された「珠のれん」がある。台所、客間などを仕切る珠のれんは、上から吊るした糸に球や管の形にした木珠を多数通してのれん状にした空間インテリア商品だ。

モダンさを感じさせる

「衝立OCHITSUKIシリーズ」の一部分。

「衝立OCHITSUKIシリーズ」の一部分。

 ヤマソロはこの珠のれんの「目隠し」と「風通し」に着目し、それにデザイン性を付加したスクリーン(ついたて)の開発を09年6月ごろに思いついた。
 これに木製品を手がける吉田製作所(兵庫県小野市、吉田隆社長、0794-63-5616)と工業デザインのデザインエミ(同、住本吉隆社長、0794-63-0767)が協力した。いかにモダンさを感じさせるかで議論しながら取り組み、同年11月には試作品が完成した。周りでも好評だったことから「これならいけるんちゃうか!」(山本一郎社長)と自信を深め、翌12月には「地域産業資源活用事業計画」に申請した。これに早くから支援してくれたのが中小企業基盤整備機構で、おかげで翌10年2月には認定された。


英語表記でアピール

ヤマソロ本社

ヤマソロ本社

 11年8月にサンプルの第一弾12点「OCHITSUKI(おちつき)シリーズ」が完成した。海外で販売するため英語表記とし、KOUBE(神戸)、OSAKA(大阪)、KYOTO(京都)の3タイプ4種類を取りそろえた。縦型8点、横型4点で周囲を幅広の木枠で囲み、その中にそろばん珠やそろばん珠をくりぬいた後の木片などを飾った小枠を複数配置した。「和」を意識し、落ち着いた雰囲気に仕上げた逸品だ。製作にあたり吉田製作所の吉田泰之専務は「こんなのは初めてで、小枠をズレなく組み合わせる精度と接着技術に苦労した」と話す。今後、家具やインテリア製品の国内展示会に出展し、評判を確かめながら販売対象、デザイン、価格、販売方法など詳細を決める方針。12年度は500万円、14年度に2000万円を当面の販売目標としている。
 現在の同社の売上高は12億8000万円(12年5月期)。そろばん家具の販売が本格化する14年度には15億円を目指している。製品の差別化が地域資源の活用につながり、さらに地域の活性化にも貢献することになった企業の挑戦が始まっている。

【コメント】ヤマソロ・山本一郎社長
地元の小野市を少しでも元気に

ヤマソロ・山本一郎社長

ヤマソロ・山本一郎社長

 日本でそろばん珠を作っている地域は小野市とその周辺以外にない。珠の製造技術を使って家具を作れば、ほかではまねされることがなく、デザイン性も高く差別化できると気がついた。それを基にスクリーンの開発を思いついた。最近は台所とリビングがいっしょになった間取りが多く、空間をうまく分け、部屋のアクセントになるツールとして開発に取り組んだ。今後は通常の販売ルートはもちろん、欧米を中心としたネットを絡めた販売ルートも構築していきたい。次の製品の構想も既にあり、この製品で海外展開を是非、実現してここ小野市とその周辺地域を少しでも元気にしていきたい。

会社概要

会社名:株式会社ヤマソロ
住所:兵庫県小野市下来住町887
業種:インテリア家具の製造・販売
電話:0794-63-1681
URL:http://www.yamasoro.com