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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

兵庫県

伝統の堅こね製法を生かし、新しいかりんとうを

企業名 常盤堂製菓 三類型 鉱工業品・技術 地域資源名 姫路の菓子

 人口減少や高齢化社会でかりんとうのような油菓子は需要そのものが落ち込んでいる。2007年には生産量で20%、出荷金額で10%の減少を記録した。生産量を増やして価格を下げ、販売量を確保するのが一般的な販売戦略。しかし常盤堂製菓の天野治社長は「過当競争で悩むより、付加価値をつけて新しい需要を喚起したい」と地域資源の活用に目を向けた。

古くから伝わる駄菓子

新ブランド「こすくらん」の一つ「あわせ玉」

新ブランド「こすくらん」の一つ「あわせ玉」

 かりんとうの市場は、黒糖かりんとう(江戸かりんとう)が市場の60%を占めている。一般的にかりんとうと言えば、この黒糖かりんとうをイメージするだろう。黒糖かりんとうは発酵した生地を油で揚げた後に黒糖蜜をかけたもの。これに対して常盤堂製菓が手がける播州かりんとうは堅こね製法の技法により、よくこねた生地をさまざまな形に整え、油で揚げた後にあっさりと蜜をかけたものをいう。「パン生地とうどん生地の違いのようなもの」(天野社長)だ。

 播州かりんとうはこの堅こね製法を伝承し、黒糖かりんとうと異なる播州駄菓子として生産を続けてきた。常盤堂製菓が取り組んでいる地域資源の活用は、播州の生地作りの特徴である堅こね製法を用いて、これまでのかりんとうとは別に一口サイズの新しい駄菓子を目指すというもの。兵庫県立大学経営学部のアドバイスを得て具体化に取り組んできた。

 新しい商品は、播州かりんとうの製法を継承しながら、黒糖かりんとうでもなく播州かりんとうでもない中間の食感を狙った。技法を改良しながら、小さく丸いボール状のかりんとうなどを実現した。

新ブランドを立ち上げ

本社近くに設けた直販店

本社近くに設けた直販店

 ブランド名をどうするか。かりんとうの起源ははっきりしないが、一説には長崎に伝わった南蛮菓子の一つで、カステラと同じように全国に普及したという。古い文献の中から、かりんとうの起源と呼ばれる「こすくらん」が、姫路に伝わる硬こね製法とほぼ同じ製法で作られていたことを突き止めた。天野社長は「姫路藩が産業育成の1つとしてオランダ菓子の製法を取り入れたのだろう」と推測する。

 そこで新しいかりんとうのブランドに、この「こすくらん」を採用。昔から姫路で作っている菓子を模して、4種類を「姫路揚菓(ひめじあげ)こすくらん」としてそろえた。うずまき、ねじり、棒状、板状などの形状で、商品名は「ひねり玉」、「あわせ玉」、「つづみ玉」、「かりん玉」。昔風の袋をデザインし、季節によっては姫路のゆずや丹波の黒豆など4種類をベースに、味によって常時10アイテムをそろえるという。

 今の目標は販売だ。いかに売るか、販路開拓が事業成功の鍵を握る。インターネット販売のほか本社近辺に直売店を設けているが、次は全国の百貨店に置いてもらうのが当面の課題。「日本の代表的なお菓子になればいいなぁ」(天野社長)という思いで取り組んでいる。

【コメント】常盤堂製菓・天野治社長
意欲のあるところに商品を納めたい

常盤堂製菓:天野治社長

常盤堂製菓:天野治社長

 黒糖かりんとうがかりんとうの代名詞のように言われているのは、昭和30年代の機械化でスーパーマーケットの全国展開に合わせて商品を提供できたからだ。播州では量産の効かない堅こね製法を地道に守り、駄菓子分野を目指してきた。
 これまでも新しい分野の開拓に取り組んだことはある。新しいものを価値観の違うところに持って行ったばかりに、非常に苦しんだ。それだけに、価値観をきっちり合わせて意欲のあるところに商品を納めたい。
 この8月で地元の良質で高級な素材を使った究極の“新播州駄菓子”の製造販売事業の認定が切れたので、あわてずにじっくりと取り組んでいきたい。


会社概要

会社名:常盤堂製菓株式会社
住所:兵庫県姫路市船津町1788
業種:かりんとう並びに油菓子製造販売
電話:079-232-0682
URL:http://www.tokiwa-do.co.jp/