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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

大阪府

高付加価値品で丸編み技術の魅力引き出す

企業名 東亜ニット 三類型 鉱工業品 地域資源名 丸編ニット

自社でデザインする生地メーカーへ

3Dニットによるワンピース

3Dニットによるワンピース

 かつて大阪府松原市で盛んに行われていた、丸編み技術を用いた生地生産。しかし、中国などアジアの繊維産業の台頭で「今は市内でも丸編みを手がける企業はほとんどなくなっている」と、東亜ニットの熊谷大輔社長は話す。そうした背景の中、東亜ニットは糸を顧客から預かって布を生産する下請け業者から、自社でデザインして生産する生地メーカーへとシフトすることで成長を続けてきた。

 丸編み機で生産する高付加価値な生地として東亜ニットが打ち出したのが、立体的な仕上がりが特徴の「3Dニット」だ。丸編み機の一種である両面選針機で生産する生地で、一般的な平面生地と異なり部分的に立体化できるなど表情豊かな生地に仕上げられる。織った後の洗ったりもみ込んだりといった生地の整理加工工程を経て、よじられた糸が元へ戻ろうと引っ張り合う力などが働いて立体化される。

 裏面、表面の両面を編む針を自在に動かせる両面選針機は国内でも導入している企業は少ないが、東亜ニットは3Dニット生産用に2台、開発用に1台を備え、ノウハウを蓄積している。染色工程では植助染工(大阪府熊取町)、市川染工場(新潟県五泉市)、整理加工工程では吉田整理(新潟県見附市)、藤井若宮整絨(大阪府泉大津市)といった企業の協力を得ている。

 同社は2008年ころから3Dニットを展開。現在の販売先は国内でデザイナーズブランドを手がけるアパレルメーカーがメーンで、高級衣類用素材として採用されている。また、新しい素材の追求に熱心な若手デザイナーからの注文も多いという。「ほれ込んでくれる若手デザイナーの人もいる」と、市場の反応に手応えを語る。

 「3Dニットの知名度はまだまだ」のため、首都圏で開催される大規模な展示会への出展を通じてPRに取り組む。「いずれは『3Dニット』というジャンルを確立したい。競合企業などもあらわれて市場拡大につながっていってほしい」と、熊谷社長は展望を描く。

まだまだ開発途上

3Dニットを生産する両面選針機

3Dニットを生産する両面選針機

 また品質改良のため、製品開発にも継続して取り組む。東亜ニットは、このほど3Dニットの立体感をより強化できる編み方を開発した。「新しい編み方に合う模様や素材を検証し、12年内にでも商品化を目指す」。また現在生産している3Dニットはウールや綿100%製がほとんどで、ドライクリーニングが必要な素材になってしまう。「家でも洗えるものを作りたい。麻の吸水性やレーヨンの柔らかさなどを生かした機能性に富んだ生地も開発していきたい」と、今後の開発戦略を語る。

 また、袋編みが出来るという両面選針機の特徴を生かし、カットするだけで衣類として着用できる「無縫製生地」も開発中だ。「いずれはお客さまに布のまま販売し、布に描いてある線にそって切れば、衣類として着用できるといった製品も展開したい」という構想も持つ。こちらは何度か着用するうちに形が崩れて来るといった課題があるため、改良に向けて開発に取り組む。

東亜ニット・熊谷大輔社長

東亜ニット・熊谷大輔社長

【コメント】東亜ニット・熊谷大輔社長
3Dニットの可能性は未知数

 高付加価値な製品を開発することで、丸編み技術を持つ生地メーカーとして活躍を続けて来た。3Dニットは当社が昔からノウハウを蓄積してきた両面選針機を活用し開発した素材で、独自性が高い。国内だけでなく海外のアパレルメーカーからも好評だったり、ほれ込んでくれるデザイナーも居るなどニーズを感じている。今後は更に知名度を上げ拡販していきたい。編み方、素材、柄など組み合わせパターンは無限で、3Dニットの可能性は未知数。3Dニットを通じて松原市の丸編み産業を継承していきたい。

会社概要

会社名:東亜ニット株式会社
住所:大阪府松原市三宅東1の9の10
電話:072-331-1131
URL:http://www.toa-knit.com