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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

愛知県

刺し子織りの三河木綿で作務衣やバッグを製品化

企業名 タネイ 三類型 鉱工業品・技術 地域資源名 三河木綿

耐熱性や吸汗性に優れる

三河木綿の刺し子織りの作務衣

三河木綿の刺し子織りの作務衣

 タネイ(愛知県豊川市、種井美文社長、0533-76-4181)は、柔道着や剣道着などの武道着メーカー。少子化や安価な中国製品の流通で事業環境が厳しくなる中「現存の設備、人材を生かして販路拡大できる製品を開発したい」(種井美文社長)と生き残り策を模索してきた。武道着の素材である刺し子織りの三河木綿を用いた作務衣(さむえ)やバッグを製品化し、通信販売を中心に新たな柱事業として育成している。

 刺し子織りは重ね合わせた布地一面に糸を細かく縫い込むため、丈夫な生地ができる。耐熱性や吸汗性に優れ、江戸時代から消防服として着用されてきた歴史がある。

 作務衣の製品化は、これまでよりも細い糸を用いて生地を薄くした夏用の剣道着を製作したのがきっかけだった。この薄い生地を作務衣に応用することを思いつき、2003年に「和楽」というブランド名で売り出した。

 ただ武道着を主力とする同社の販路は、学校や武道教室が中心で、作務衣の販路開拓が難しかった。中小企業基盤整備機構に相談したところ、同機構の新連携事業で販売会社を探すことにした。レンタルでの事業化を模索したが、刺し子織りの三河木綿はアイロンがけが不要という素材のよさが阻害要因となった。レンタル事業者にとってはアイロンによるクリーニングが収益源になるため、アイロン不要の製品は魅力がない。新連携事業は断念し、三河木綿が地域資源に認定されたこともあり地域資源活用事業での展開を目指すことにした。

欧州中心に海外開拓

バッグは通信販売を中心に売り上げを伸ばしている

バッグは通信販売を中心に売り上げを伸ばしている

 人材面では同機構のOB人材派遣事業を活用してマーケティング活動へのアドバイスを受け、通信販売会社への販路開拓にこぎ着けた。また、刺し子織りの生地の優れた耐熱性に加え、火の粉がついてもほとんど穴があかないという強みを生かして料理店のユニフォームとして同社独自に売り込み、用途を開拓した。

 バッグはハンドバッグやトートバッグなどを中心に、06年に作務衣と同じ「和楽」ブランドで発売し、09年に女性向けの「sasicco(サシコ)」ブランドを加えた。丈夫な生地で作られていることが高い評価を受け、通信販売を中心に売り上げを伸ばしている。今後は革と刺し子織りを組み合わせ、ボストンバッグなどバッグの種類を増やす方針。「刺し子織りの新たな概念に挑戦したい」(同)と意気込む。

バッグを製作する本社工場

バッグを製作する本社工場

 さらなる事業拡大に向けて12年から海外販売を始める。12年1月に仏・パリで開かれる繊維製品の展示会「メゾン・エ・オブジェ」に出品、欧州を中心に海外市場を開拓する。展示会で繊維製品の卸問屋や商社を対象に代理店を募集し、代理店を通じて百貨店や路面店に流通させる考え。仏では柔道の人気が出ていることもあり、柔道着も同時に海外販売を始める。

 作務衣やバッグなど武道着以外の売上高は10年9月期見込みで2300万円。今後は10年末にシンプルやユニセックスをテーマにデザインを一新したバッグや作務衣などを投入する。さらに12年をめどにシーツカバーやソファーカバーを製品化して介護用品やインテリア用品としての用途開拓を図り、15年9月期までに2億円に引き上げる計画。

タネイ・種井美文社長

タネイ・種井美文社長

【コメント】タネイ・種井美文社長
生地の特徴生かして高付加価値化

 少子化や武道人口の減少のなか、新たな販路を開拓しようと作務衣やバッグなどを製品化してきた。地域資源活用事業の認定を受けたことで新聞やテレビなどで取り上げられることが多くなり、受注が増えた。現在は通信販売会社10社に扱われるほどの人気になった。今後も軽くて丈夫という生地の特徴を生かして高付加価値製品を開発し、幅広い顧客層に売り込んでいく。

会社概要

会社名:株式会社タネイ
住所:愛知県豊川市御津町西方中屋敷35番地
業種:武道具、バッグ、作務衣の製造・販売
電話:0533-76-4181
URL:http://www.tanei.co.jp/