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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

愛媛県

「和テイスト」でタオル技術に新たな市場を

企業名 田中産業 三類型 鉱工業品 地域資源名 タオル

 田中産業は、1932年(昭和7年)にタオル製造業として愛媛県今治市で創業した。今治は国内有数のタオル産地として知られるが、近年では需要の低迷や海外製品との価格競争によってタオル製造業者は苦戦を強いられている。高付加価値商品の開発や新市場の開拓が課題だ。

きっかけは小倉織との出会い

 田中産業は、高密度織りと呼ばれる仕上がりの色目がはっきりとして立体感がある手法を得意とする。主に大手メーカーからの依頼を受け、タオルやバスローブなどの縫製品をOEM生産(相手先ブランド生産)しているが、同社も苦しい環境は例外ではなく、タオルの生産技術を活用した新たな市場の開拓を模索していた。

 同社が「和」と接点を持ったきっかけは、武士のはかまなどに使われた小倉織の商品ブランド「縞縞(しましま)」を手掛ける小倉クリエーション(北九州市小倉北区)との出会いだった。小倉織は縦縞模様が特徴。この縦縞のデザインに惚れ込んだ田中産業側が、何とかタオルとして商品化できないかと検討を始めた。企画・開発を担当した一木敬正さんは「タオルと和の結びつきをイメージさせる商品作りに苦労した」と振り返る。

 11年2月には地域産業資源活用事業計画の認定を受け、本格的にタオル製品と「和」との融合に向けて動きだした。小倉織とコラボレーションしたタオルは商品化したものの、その後の事業展開について「実は、半年くらいは方針が決まらなかった」(一木氏)と打ち明ける。
 最終的に決まった方針は、新たな設備投資を避けて自社の既存の織機を使うことと、地元の文化や産業を取り入れること。この基本方針のもとに伊予絣(かすり)のデザインを取り入れた商品を開発し、売り出した。

焼き物ともコラボレーション

高密度織りで砥部焼の図柄を再現したタオル地の巾着袋

高密度織りで砥部焼の図柄を再現したタオル地の巾着袋

 同社の「和」テイストの商品作りは、織物の範囲を超えた新たな展開に踏み出している。目をつけたのは愛媛県の伝統産業である「砥部(とべ)焼」だ。砥部焼観光センター(愛媛県砥部町)とは以前から取引があり、砥部焼とタオルのコラボレーションの検討もスムーズだった。
 ここで田中産業は2種類の商品開発を進めている。一つは、タオル地の巾着袋の表に砥部焼の図柄を高密度織りで再現し、その中に砥部焼のおちょこを入れて販売する商品。もう一つは、そばちょこ型の小物入れで、表と裏で異なる柄の生地を貼り合わせた商品だ。
 図柄のかすれや手書き感を「どこまでタオルで表現できるかが課題」(同)で、一からの商品作りに試行錯誤を繰り返している。「窯元も、自分の作品がタオル地になるとどうなるのか楽しみにしている」(同)という。

そばちょこ型小物入れ

そばちょこ型小物入れ

 また同社は商品開発と平行して、12年2月に東京でモニタリング調査を実施した。「自社で費用を掛けて市場調査をするのは負担が大きい」(同)ため、調査には地域産業資源活用事業計画の助成金を活用した。調査の結果、若い女性が和雑貨に興味があることなど「今後の事業展開に大変参考になった」(同)と成果を語る。

 当面の目標は、砥部焼を入れるタオル地の巾着袋を13年春の発売を目指して開発し、砥部焼観光センターを通じて販売していくこと。また「織izm」というブランドを立ち上げ、タオル製品を使った和雑貨を開発・販売していきたいとしている。「5年後に全社売り上げの5%が目標」(同)と、公的な助成を活用した新たな事業の柱の育成に全力を注ぐ。

【コメント】田中産業・田中良史社長
地に足をつけ商品開発

田中産業・田中良史社長

田中産業・田中良史社長

 地場産業が規模の大小を問わず縮小傾向にある中で、産地の垣根を飛び越えて新しい商品を作り出すことは、大変意義深いと感じている。
 弊社はこれまで、小倉織(GOLDPEARL×SHIMASSHIMA)や、伊予絣(蒼相SoSo)など、織物産地とのコラボレーションを積極的に進めてきたが、砥部焼という異素材、しかもタオル生地を使ってタオル以外の商品を開発するのは初めての試みで大きなリスクを伴う。
 そのためにも「地域資源活用事業」の認定企業として経済産業省の助成金を活用できることは、弊社にとって大変心強い。単独では手掛けることができない事業にも、積極的に投資することで、地に足をつけた商品開発ができると考えている。

会社概要

会社名:田中産業株式会社
住所:愛媛県今治市東村5丁目1−35
業種:タオル製品全般の企画・製造・販売
電話:0898-48-2225
URL:http://www.goldpearl.co.jp/