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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

北海道

介護用の木製ユニバーサルチェアを開発

企業名 匠工芸 三類型 鉱工業品又は鉱工業品の生産に係る技術 地域資源名 木製家具・建具

機能とデザインに配慮した製品を目指して

木製ユニバーサルチェアの試作品。肘掛けを外したところ

木製ユニバーサルチェアの試作品。肘掛けを外したところ

 北海道上川郡、大雪山を望む大自然の中に社屋を構える匠工芸。無垢材を使った自然素材の家具を製造している。
 同社が開発を進めているのは、介護用の木製ユニバーサルチェア。介護用としてだけでなく、部屋のインテリアにもマッチし、誰もが使えるものを目指している。

 「介護用はデザインに配慮したものが少なく、スチール製など寒々しいものが多い。部屋のインテリアにそぐわないだけでなく、介護の現場を暗くする問題点を抱えている」と、同社の桑原義彦社長。従来の介護用品のデザイン性や、介護の現場への配慮不足を指摘する。便利で安全な機能を備えるのはもちろんだが、要介護者の"尊厳を確保"し"自立を支援"するためには、介護用品のデザインにも留意すべきだという。

 木製ユニバーサルチェアの特徴は、肘掛けの着脱が可能なため、車椅子との移乗が容易に行える点だ。介助者は要介護者を抱きかかえやすくなり、介護の負担も軽減される。ほかにも背もたれの高さ、座面の高さと奥行きの調節が可能で、使用者の体型に対応できる。
 「腰や背中の曲がり方など、ひとりひとり体型が異なるため、使用者に合わせて可変することが必要」(桑原社長)という。 ほかにも脚の長さをオーダーメイドにしたり、キャスターを付けるなど、機能的で安全性に優れた仕様も検討中。介護する人される人、双方に優しい製品に向けて、開発を進めている。

 「スチール製などの介護チェアには、こうした機能付きのものもあるが、木製の製品はなかなかない。部屋に置いても、使ったときの手触りも、従来の介護用チェアとは一線を画した製品になっている」(桑原社長)。

コンサルと共同で使いやすさを追求

本社ショールーム。ナラ、タモなどの無垢材を使った家具が並ぶ

本社ショールーム。ナラ、タモなどの無垢材を使った家具が並ぶ

 同社はこれまでにも高齢者用の家具を製造し、高齢者施設などに供給してきた。これら高齢者用の椅子やテーブルは、外部の介護専門コンサルタントと共同で、試作を繰り返して完成させた。

 座面や背もたれの高さ、背もたれや肘掛けの形、手触り、重量、脚と床の摩擦など、あらゆる部分に気を配った。さらに施設で実際に試してもらい、繰り返し改良を重ねることで、使い勝手や安全性を極めた。
 「座面や背もたれの高さや角度など、ほんの少しの違いでも使い心地が全く変わってくる。高齢者にとっての快適性を追求し、何度も微調整を繰り返した」(桑原社長)と、開発の苦労を振り返る。

 施設で実際に使用してもらうと、さまざまな要望が寄せられる。体型や疾病の状態などによって、多様な要望に対応しなければならない。高齢者だけでなく施設スタッフの声も製品にフィードバックして、より機能的で使いやすい製品を提供したいとしている。

【コメント】匠工芸・桑原義彦社長
介護の現場が明るくなる家具作り

匠工芸・桑原義彦社長

匠工芸・桑原義彦社長

 介護用の製品は、安全性や機能性の確保は必須だが、いかにも介護用というデザインでは、介護の現場で使うものとして心配りが足りないのではないだろうか。
 木材に恵まれた北海道の地で、木の温もりの感じられる家具を作り続けてきて、介護の現場にも、一般の家具のようなユニバーサルな製品が必要だと感じている。介護者、要介護者双方の心を豊かにすることも、介護の大切な一面だと思う。
 今後ますます進む高齢化社会に向けて、高齢者のニーズに対応した新たな製品を開発し、介護者と要介護者、双方の負担を軽減し、介護の現場を明るくする製品を作りたい。

会社概要

会社名:株式会社匠工芸
住所:北海道上川郡東神楽町南1番通24番地
業種:家具製造業
電話:0166-83-4400
URL:http://www.takumikohgei.com/