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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

山口県

海外のデザイン取り入れ、伝統産業を復活

企業名 TAKE Create Hagi 三類型 農林水産物 地域資源名 萩の竹
TAKE Create Hagi・刀禰 勇社長

TAKE Create Hagi・刀禰 勇社長

ブランド化推進協議会で竹を商品に

 吉田松陰をはじめとする維新の志士を生んだ土地として知られる山口県・萩市。この街は古くから品質の良い竹が取れることで知られ、戦後間もないころには米国へ輸出されるものもあったという。

 この地でその竹が再び脚光を浴びるようになったのは5年ほど前のこと。01年に就任した萩商工会議所の刀禰(とね)勇会頭は「近い将来、地域間競争の時代が必ず来る。他地域との競争を勝ち抜き、生き残るためには萩にしかない地場産業をよみがえらせる必要があった」と、当時を振り返る。

 02年10月、同会議所の呼びかけに市内で竹製品を作っている事業者が賛同し、有限責任中間法人「萩の竹ブランド化推進協議会」が発足。竹を素材として、各種商材の製品化を目指した。

 まず同協議会は山口県立大学の協力を得て、萩の竹のブランドイメージを確立するためのポスターやロゴマークを製作した。一方で、市民の理解を深めてもらうための取り組みも進めた。04年度には「全国竹とんぼ競技大会」、「第45回全国竹の大会」を萩市に誘致した。また竹を使って何を作るか−という課題については、家具や紙、竹炭などさまざまなアイデアが出された。

 こうした取り組みは04年度に経済産業省の「JAPANブランド育成支援事業」に採択されたことで一気に事業化に向けて進み出す。海外に向けて通用するわが国ならではの商品を育成しようというこの事業で、萩市の竹商品は高い評価を受けた。

欧州のデザインとの出会い

品質に定評のある萩の竹

品質に定評のある萩の竹

 竹製品の海外展開を考えた時、ライバルとなる国は安価な人件費を武器とする中国だ。これに打ち勝つためには、萩ならではの付加価値を生み出すことが求められた。

 翌05年、JAPANブランドで高い評価を得た萩の竹は、日本貿易振興機構(JETRO)の「JAPANブランド海外販路支援事業」に採択され、世界的な木工家具の生産地であるフィンランド・ヘルシンキで展示会を実施する。ここで数件の商談の機会に恵まれ、うち1社が萩の竹に強い関心を寄せた。

 それがアルテック社だ。高いデザイン性で定評のある同社は、世界40カ国以上に販売網を持つ。新しい家具の素材として竹に着目していた同社は萩の竹の質の良さに目を見張った。その後の交渉の結果、アルテック社がデザインを提供し、これに対して萩側が製造する事業に取り組むことで両者が合意した。

 事業化に向けて手ごたえが得られたことから、家具製造事業者の設立が急務となった。同会議所は会員事業所を対象にした事業説明会を実施し、06年3月に14人の参画者による新会社・TAKE Create Hagiが誕生、刀禰勇会頭が社長に就任した。

 06年4月には萩とフィンランドの連携により生まれた作品がイタリアで開かれる世界的な家具の展覧会「ミラノ・サローネ」で披露された。「将来的にはアルテック社からの仕事だけでなく、他社やほかのデザイナーから仕事の依頼が来るようになれば」とTAKE Create Hagiの社長も務める刀禰会頭は期待する。

 家具という一つの商品が世に出る体制を整えた今後は、竹紙や食材に使えるタケノコの商品化を目指している。

【コメント】TAKE Create Hagi・刀禰勇社長
幅広い産業への広がりも考慮

 自分たちのところしかないものを見つけ出し、ほかと差別化を図って事業展開をしていくことが重要だ。竹は日本全国にあるが、萩の竹は世界に誇れる高い品質があった。

 地域資源の活用は少子化や高齢化が進む地方の活性化につながる。竹を切り出す人や販売する人、またタケノコや竹の紙を売る業者が必要になる。生産現場を産業観光の資源として活用することも出来るだろうし、1次、2次、3次産業が共生できるものにしたい。

 もうひとつの成功のカギは資金面だ。行政の補助金を得るべく、随分と動き回った。ここまでくるのに足かけ5年かかったが、今では“竹といえば刀禰”と言ってもらえるようになった。

会社概要

会社名:TAKE Create Hagi株式会社
住所:山口県萩市福井下字稗田297-1