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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

愛知県

LEDを用いた光る繊維ロープを開発

企業名 三栄製綱 三類型 鉱工業品 地域資源名 三河のロープ・網

25年挑み続けた開発テーマ

LEDチューブライト入りで光る繊維ロープ「ヒカロープ」

LEDチューブライト入りで光る繊維ロープ「ヒカロープ」

 三栄製綱(愛知県蒲郡市、大竹宏幸社長)は、発光ダイオード(LED)照明を用いた光る繊維ロープ「ヒカロープ」を2007年に発売した。光を通しやすいポリエチレン繊維にチューブ状のLEDを組み込んだ漁業用ロープ。夜間の漁業で魚を集めるための光に用いたり、潜水作業時のガイドロープなどに用いられたりしている。海だけでなく、陸上でもイルミネーションなどでの用途が出ている。

 同社は漁業用の合繊繊維ロープメーカー。光るロープは、25年ほど前に水産会社から開発要請を受けてから挑み続けた開発テーマだった。畜光材などを用いて開発したものの、長時間光る性能を確保できなかったり、すでに特許申請されていることが分かったりするなど苦しんだ。もがき続ける中、03年に大竹宏幸社長はイルミネーションを見てLEDを繊維の中に組み込むことを考案した。

苦難の末に完成、公的試験も

ポリエチレン繊維のねじり方には試行錯誤を3年以上繰り返した

ポリエチレン繊維のねじり方には試行錯誤を3年以上繰り返した

 結果としてヒカロープにはLEDが用いられているが、この開発でも苦難の連続だった。ロープは繊維をねじりながら製造するのに対し、LEDは電球の破損や配線コードのショートが起きるためねじられない。ねじるものとねじられないものという相反するものの結合は想像以上に難しく、3年以上もポリエチレン繊維のねじり方に試行錯誤を繰り返した。そして苦難の末、LEDチューブをねじらずにロープの中に組み込む技術を確立、製品化した。製品名は「インパクトと呼びやすさを考えた」(大竹社長)結果、ヒカロープとした。

 愛知県蒲郡市などの愛知県東三河地域は漁業用ロープや漁網などの生産が盛んだが、当初、同社は地域資源活用への申請は念頭にはなかった。ヒカロープの販売支援としてメーンバンクの蒲郡信用金庫(愛知県蒲郡市)からのアドバイスを受けて申請し、認定された。

 蒲郡信金は98年から地域活性化を目指して、取引先の経営相談事業を積極化している。三栄製綱も多くのアドバイスを受けた。まず、品質保証のために公的機関での試験を受けることにした。製品化の前に1年間、地元の潜水業務会社での試験は行っていたが「従来ない製品の品質保証には公的な証明が必要」(大竹社長)と判断し、海洋研究開発機構で試験した。水深30メートルの水圧に耐えられること、耐荷重300キログラムなどの証明を得た。

 品質保証されたこともあって漁業や潜水業務向けを中心に徐々に広まり、現在は月産10トンの規模になった。ただ全社の生産量の1割にも達しておらず、用途を広げて拡販する考え。

ホテルから消防まで

 用途拡大で期待がかかるのがイルミネーションだ。地元のリゾート施設や蒲郡市役所が頑丈なロープと節電につながるLED照明との組み合わせに着目し、イルミレーションとして使っている。寒い環境での試験を兼ねて使わせてほしいと言ってきたホテルもある。

 知名度向上のため展示会なども積極的に活用している。11月に東京で開かれた中小企業総合展では消防用具の商社が関心を示した。またヒカロープ専用のホームページを開設し、新しい用途開発を進めていく。

三栄製綱・大竹宏幸社長

三栄製綱・大竹宏幸社長

【コメント】三栄製綱・大竹宏幸社長
多くの現場で使ってほしい

 ヒカロープは、繊維ロープメーカーとして蓄積したノウハウ、技術を駆使して開発できた。LEDが点灯できる状態で繊維をねじるのに2年以上を要し、さらに1年近くかかってロープとしての機能を果たせるようになった。
 苦労を積み重ねて開発した製品だけに、より多くの人に使ってほしい。蒲郡信用金庫に大変お世話になりながらも販路開拓に励んでおり、漁業やイルミネーション以外にも使い方が広がるのを期待する。夜の工事現場で安全性を確保するための照明など用途拡大の可能性は限りなくあり、ユーザーの方からも使い方を提案してほしい。

会社概要

会社名:三栄製綱株式会社
住所:愛知県蒲郡市形原町西欠ノ上10
電話:0533-57-6135
URL:http://www.aichi-biz.com/cat1/112.html