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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

大阪府

地域に貢献できる食材を探す

企業名 サカグチ・コーポレーション 三類型 農林水産物 地域資源名 大阪みかん

こだわりで差別化

本店の店内には、ケーキのほか焼き菓子やパンも並ぶ

本店の店内には、ケーキのほか焼き菓子やパンも並ぶ

 サカグチ・コーポレーションは大阪市内に洋菓子店「ア・キャトル」2店舗を経営する。料理学校やフランス留学などで学んだ阪口敦彦社長が、「自分の店を持つならケーキがやりたかった」と1991年に設立した。

 大阪市西区にある本店は一目では洋菓子店とは分からない。入り口には木の重厚な扉、店内は見えずメニュー看板も無い。少し入りにくい店構えは「今はコンビニでもケーキが買える。何か甘いものが食べたいではなく、あの商品を買いにいこうと来てもらう店にしたかった」(阪口社長)という理由からだ。店内のショーケースにはケーキが各種1つずつ並べられ、注文すると店の冷蔵庫から出してくれる。ショーケースの照明がケーキの品質や味を落とすからだという。

 そんなこだわりを持つ阪口社長が地域資源を活用して作ったのが、「大阪みかん」を使ったフリーズドライ化できるマーマレードだ。きっかけは阪口社長と妻の「地域に貢献でき、スキル向上にもなることはないか」という思い。食材を探すなか、老若男女が食べる親しみやすい食材である一方、和歌山県や愛媛県産のみかんに押されて知名度が低い「大阪みかん」が浮かんだ。「大阪みかんのPRになるような今までにない商品を」(阪口社長)と開発に挑んだ。

みその甘みをヒントに実験

もち米発酵甘味料を使い、フリーズドライ化した大阪みかんのマーマレード

もち米発酵甘味料を使い、フリーズドライ化した大阪みかんのマーマレード

 通常、マーマレードやジャムはたくさんの砂糖を使うため、ショ糖の性質上、凍らせたものに湯をかけても水あめのようにはじいて元に戻らず、フリーズドライ化が難しかった。これを解決したのが、マーマレードに使う糖分の7割に用いた自社開発の「もち米発酵甘味料」だ。甘味料の甘さのぶん、砂糖を従来品に比べ約6割カットでき、フリーズドライ化に成功した。

 特許出願中のもち米発酵甘味料は、もち米を麹(こうじ)で発酵させて作る。みその甘さをヒントに、納戸で何時間も発酵させて甘さを確認するなどの実験を重ね、2年弱かけて開発した。配合なども工夫しながらこの甘味料を用いてマーマレードを作り、フリーズドライ化も成功。店舗で味や甘さ、香りなどのアンケートをしたところ高評価で、甘さは甘すぎるという意見もあったほどだった。

 フリーズドライ化したマーマレードは賞味期限が約1年半。常温で保存でき、軽く高カロリーという点も生かし、自治体の備蓄品や災害・援助物資、非常食、外国の軍事食料などに売り込む予定。検査機関での賞味期限の審査を待ち、2012年春の商品化を目指す。フリーズドライしないマーマレードは、店舗やホームページで販売予定。砂糖の使用量が少ないことから、砂糖の摂取が制限されている人や、子供の健康を気遣う母親などをターゲットに想定している。

地元企業や母校と連携

 大阪みかんは南農園(大阪府河南町)など、大阪南部の農園から提供を受ける。フリーズドライ化は光陽レース(同和泉市)、マーマレード製造は相互製あん(同八尾市)に委託し、大阪の企業との連携も図る。

 今後はもち米発酵甘味料を用いて、阪口社長の母校でもある辻調理師専門学校(大阪市阿倍野区)と協力した商品開発を考えているほか、「食品メーカーなどとも共同開発したい」(阪口社長)と、活用に意気込む。

【コメント】サカグチ・コーポレーション 阪口敦彦社長
災害物資としての利用も

地域に貢献できるオリジナル商品を、とモノづくりに対するこだわりを見せる阪口社長

地域に貢献できるオリジナル商品を、とモノづくりに対するこだわりを見せる阪口社長

 マーマレードのフリーズドライ化は、料理作りのノウハウや味覚を頼りに、妻と二人で試行錯誤しながら開発した。ケーキに使うイチゴを農園へ買いに行った際、大阪みかんの生産量が減っていると聞いた。珍しいフリーズドライ商品で、大阪にもおいしいみかんがあることを多くの人に知ってもらいたい。災害物資での利用のほか、砂糖が少なく添加物や保存料を使っていない点を生かし、健康志向の消費者にもPRしていく。

 今はたくさんの洋菓子店があり、どこででもケーキが買える。大量生産ではない独自の商品を作り、わざわざ来てもらう店にしたいと考えている。

会社概要

会社名:株式会社サカグチ・コーポレーション
住所:大阪府富田林市中野町2の520の1
業種:製菓業
電話:0721‐24‐6060
URL:http://www.a-quatre.jp/