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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

千葉県

市川の梨を使った冷凍ピューレで地域を活性化

企業名 リカンヌ 三類型 農林水産物 地域資源名 市川のなし・市川の梨

収穫量日本一の梨を有効利用

市川市内の梨畑。幸水、豊水など、時期によって数種類の梨が収穫できる

市川市内の梨畑。幸水、豊水など、時期によって数種類の梨が収穫できる

 和梨の収穫量全国第1位の千葉県。なかでも市川市は年間の生産高が約8000トンと千葉県でもっとも多い。梨特有のシャリシャリとした食感とみずみずしさ、糖度の高さで人気があり、全国に広く出荷している。

 梨の果肉は空気に触れると茶色に変色するため加工が難しい。これまで梨を使った加工品が市場に出回ることはあまりなかった。 「和梨のシャリシャリとした食感は、ほかの果物にない特徴。これをいろいろな食品で楽しめたらと、かねてから思っていました」というのはリカンヌの神保里香社長。

 同社は梨を通年楽しめるよう、またいろいろな製品に手軽に加工できるよう、梨の冷凍ピューレの開発に取り組んだ。使用する梨は、傷があったり大きさの不揃いな規格外品を使う。これらは出荷が難しく地元生産農家の大きな悩みだった。

 冷凍ピューレに着手したのは市川市の「市川地域ブランド協議会」の後押しも大きい。市川の特産物や歴史、文化をブランド化し、地域の活性化をねらう取り組みで、市川の梨を使った新商品の開発にも力を入れている。和菓子や洋菓子などのスイーツから、パン、リキュールのほか、日本料理やフランス料理にも取り入れられ、さまざまな新商品が生まれた。

 地域ブランド事業の一環で、同社の冷凍ピューレを使って、市内の洋菓子店、モンペリエがゼリーを開発。
 「昔から和梨は洋菓子には不向きだと職人の間で敬遠されていましたが、冷凍ピューレを利用してゼリーを商品化することができました。ピューレを使っていろいろなスイーツの開発に挑戦したい」と洋菓子店側の評価も高い。

10段階の食感で幅広い用途に

洋菓子店が開発した梨のゼリー。梨の風味と食感が一年中楽しめる

洋菓子店が開発した梨のゼリー。梨の風味と食感が一年中楽しめる

 梨の果肉は空気に触れると茶色に酸化する。この酸化による変色を防ぐことがピューレ加工の大きな課題だった。地元の大学の研究室に相談しながらビタミンCを加える加工法を採用。ところが、加えるビタミンCの適量を見極めるのは難しい。梨の種類や熟し方によっても微妙な違いがあらわれる。  「今後、さまざまな条件で試作を繰り返し、最適な加工法を完成させたい」(リカンヌ・神保社長)としている。

 製品は、果肉の食感が感じられる粗くカットしたものから液状に近いものまで、ピューレの状態を10段階に細分化する。  「粗めにカットしたものはパンなどに、サラッとしたものは飲料など、用途によって使い分けができるようにしました」(リカンヌ・神保社長)。

 梨のピューレを使った製品の可能性は多岐に渡る。パン、ケーキ、アイスクリームのほか、ドレッシングや焼き肉のたれなどさまざまな食品に利用してもらいたい考えだ。現在、食品製造会社やレストランなどにピューレを配給し、二次加工品の開発も徐々に進んでいる。そこから使い勝手や改善点などを吸い上げて、ピューレの完成度を高めていくとしている。

株式会社リカンヌ・神保里香社長

株式会社リカンヌ・神保里香社長

【コメント】株式会社リカンヌ・神保里香社長
反響の大きさに手応え

 生産高第1位という特産品でありながら、市川の梨はあまり知られていない。また、梨を通年食すことは難しかったが、この冷凍ピューレによって、いろいろな梨の楽しみ方が広がればと思っている。
 先日、地元の特産品を紹介するイベントで梨のジュースの試飲を行ったところ、予想以上の反響があり、梨の加工品への手応えを感じた。
 食品製造会社やレストランも興味を示しており、梨を取り入れた商品開発に積極的に取り組んでいる。これまでになかった新しい梨の魅力を提供し、市川の梨の認知度を高めていければと思う。

会社概要

会社名:株式会社リカンヌ
住所:千葉県市川市大和田4-14-8-114
業種:食品加工業
電話:047-323-6003