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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

愛知県

レジャーに防災艇に、FRP製の小型ボート

企業名 オーパ・クラフト 三類型 鉱工業品 地域資源名 愛知のプラスチック
ボートは分解すれば片手で持ち上げられる重さ

ボートは分解すれば片手で持ち上げられる重さ

 オーパ・クラフトは転覆防止用フロート(浮き)付きの繊維強化プラスチック(FRP)製ボート「オーパ・ライト3」を開発した。独自のFRP積層技術を用いて、高い強度を保ちつつ軽量で持ち運びやすいものにした。釣りなど従来のレジャー用途に加え、防災艇としての需要も見込んでいる。

40年で7千艇の実績

 同社はFRP製ボートの専門メーカーだ。創業から現在までの約40年間で7000艇のボートを納入してきた。同社のボートは「10秒で組み立て・分解ができる」(福庭正宏社長)ほど利便性に優れている点が特徴。組み立てる場合はボートの結合部分に“くさび”形をしたジョイント部品をはめ込むだけで船体が完成する。

 分解後のボートは長さ1.6メートル×幅1.26メートルとワゴン車や軽トラックに積み込める大きさ。定年退職後の“団塊の世代”を中心にボートの人気が高まっており「受注は常に数カ月先まで埋まっている」(同)状態だ。

独学で技術開発、さまざまな工夫も

フロート(浮き)をワンタッチで取り付けられる

フロート(浮き)をワンタッチで取り付けられる

 FRPの積層技術は、レーシングカーや航空機関連の技術資料をもとに福庭社長が数年間かけて独自に開発したものだという。特に苦労したのは船体とフロートの接合部分の設計だ。樹脂製の船体に対し、フロート接合部品には金属を使うためフロートに強い負荷がかかると船体表面がはく離したり割れたりするおそれがある。このため接合部分にかかる負荷をうまく分散させる特殊な船体形状を編み出した。

 このほかにもボートの持ち運びや操船を容易にするため、さまざまな工夫を凝らした。例えばフロートをワンタッチで取り付けられるような設計にしたり、フロートの先端部に角度をつけてボートが水面に引っかかる現象を防いだりした。製品化までには「約60件の技術的課題を洗い出し、一つずつ克服した」(福庭社長)という。同ボートは、同社の持つ製造技術を惜しみなく注ぎ込んだ製品といえる。

 同ボートの価格は、動力源のエンジンや運搬用のタイヤなどとセットで40―50万円。エンジンは2馬力までのものであれば操縦に免許取得の必要がなく、「ゴムボートに限界を感じた人が買い替えるケースが多い」(福庭社長)という。

東日本大震災で注目

 同社のボートは近年、消防や警察関係者から防災艇として注目を浴びている。FRP製で強度があり、転覆しにくい点が評価されているとみられる。特に2011年の東日本大震災以降は多くの引き合いが舞い込んでおり「当社の生産キャパシティーの問題もあるが前向きに検討したい」(福庭社長)と意欲的だ。

 同社は09年から、海上保安庁の協力を得て初心者向けのボート講習会も開催。海難事故の例や安全な操船方法を学ぶことで「より多くの人に海に親しんでほしい」との願いがある。今後も同社は「海に関わり、海の恵みで生かされている者」(福庭社長)との認識を強く持ち、FRPボートの製造をはじめとした事業に注力していく。

オーパ・クラフトの福庭正宏社長

オーパ・クラフトの福庭正宏社長

【コメント】オーパ・クラフトの福庭正宏社長
ハンマーで叩いて強度を説明

 FRPは強度や軽さ、一体成形による流線形のデザインなど、金属に比べて優れた点が多い。最初にFRP製のボートを作った時は、取引先に「そのような薄い素材で強度が保てるのか」と疑われた。そこでFRP製のヘルメットとハンマーを渡し「たたいても絶対に壊れない」と優位性を説明したこともある。

 当社独自の積層技術を使った「オーパ・ライト3」に対する反応は上々で、今後は防災艇としても積極的な事業展開を目指す。

会社概要

会社名:有限会社オーパ・クラフト
住所:愛知県大府市大東町2丁目100番地
電話:0562-57-3901
URL:http://www.opacraft.com