HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

愛媛

伝統工芸品・砥部焼の新しい魅力が開花

企業名 中田窯 三類型 鉱工業品・技術 地域資源名 砥部焼
電灯笠に絵付けする中田正隆さん

電灯笠に絵付けする中田正隆さん

手作り・手描きの味わいある伊予の陶磁器

 砥部焼は約230年前に特産品の伊予砥石(といし)のくずを利用して磁器を開発したのが始まり。素地の絵模様や少し厚手の飾り気のない形、手作り、手描きの味わいが特徴。一般的には食器や花器が多い。出荷額は1995年をピークに年々減少し最近は年20億円程度で推移している。そうした中、砥部焼の里の魅力をアピールするため商店街を中心に60基の砥部焼オブジェを置いたり、「陶街道五十三次」と題して砥部焼などにちなんだ53のポイントを巡るスタンプラリーを行うなど砥部焼の魅力にもっと触れてもらうことや、新しいことにチャレンジしようという機運が高まっている。

砥部焼の伝統笠

砥部焼の伝統笠

独自の新商品を生み出そうする意欲が大事

 中田さんは74年に砥部町で中田窯を設立後、86年には、砥部焼の陶石原料はあるものの、窯元のなかった砥部町の隣の旧広田村(現在合併に伴い砥部町)に移り、後継者育成の指導にあたった。地元の人を雇用し、これまでに4人の後継者を輩出している。

 中田窯の砥部焼は見て使って触って楽しむ食器づくりを心がけてきた。絵付けの難しい釉裏紅(ゆうりこう)の色彩をうまく活かす数少ない職人の一人である中田さんは「釉裏紅は銅分で下絵付けするため赤色がいつまでも保たれる。しかし染め付けに比べ発色が不安定で黒ずんでなかなか鮮やかな紅色が生まれない」と強調する。

 電灯笠を考案したのは4、5年前から窯元の親しい仲間で住宅全体の空間の中に砥部焼を使っていこうと考え、洗面鉢を製作したのがきっかけ。さらに「洗面鉢を逆さまにした形を見て洗面鉢とマッチした電灯笠にもなるのではないか」と思いついた。

 電灯笠の工法は陶磁器の製作技術を持ち合わせていれば簡単だが、ほかに陶磁器の電灯笠がないか調べると意外にも、展示会出品作品程度しか見あたらなかった。陶器製の電灯笠は、一般的なガラス製に比べ、透光性に乏しいが多様なデザインを楽しめる。模様は笠の裏と表の両方にデザインが可能で部屋のインテリアにも適し、釉裏紅の色彩もうまく活かされている。もちろん、磁器のため耐熱性に優れ、薄く軽く強度のある電灯笠を容易につくることができる。
 中田さんは「レトロ調の古民家向けや照明の取り方も昔とずいぶん変わり、ライフスタイルが多様化する中、こだわりを演出するスポット的な照明として需要があるのではないか」と期待している。

【コメント】中田正隆氏
連携の力で新分野に挑戦

 電灯笠は反響が大きく、発売から1年弱で約80個売れた。もっと電灯笠を知ってもらいたいが販路がない。そうした中、国の地域資源を活用した制度があると愛媛信用金庫さんから教えてもらった。提出書類もすべてやってもらい助かった。今後の販路開拓は展示会の出展や愛媛県のバイヤー仲介支援制度など活用したいと考えている。

 課題はコスト。電灯笠の部分はつくれてもほかの金属や電源部分はうちではつくれない。笠の製作や絵付けなどすべて手作り。メインの食器を製作しながら7人の分業制で製作するとせいぜい月間数十個程度。私は砥部の中で、もっと多くの人に電灯笠をつくってもらえるようになってほしい。そして砥部焼にはほかの焼き物にはない独自の電灯笠もあるのだと認知度が高まればうれしい。

会社概要

団体名:中田窯
住所:愛媛県伊予郡砥部町総津159-2
業種:砥部焼製造販売
電話:089-969-2077
URL:http://www.nakatagama.com/top.html