HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

三重県

万古焼の専用鍋で豆腐作りの楽しみを提供

企業名 ミナミ産業 三類型 鉱工業品・技術 地域資源名 四日市万古焼

豆腐作り専用の鍋

「萬来鍋」ムラがなくなめらかで美味しい豆腐が出来上がる

「萬来鍋」ムラがなくなめらかで美味しい豆腐が出来上がる

 三重県四日市市の代表的な地場産業で伝統工芸品にも指定されている万古焼。特に耐熱性に優れた土が採れることから急須や土鍋の生産が盛んで、土鍋の国内シェアは80%とも言われている。そんな万古焼の特性や見た目の温かさに着目して開発されたのがミナミ産業の「萬来鍋」。一人前の豆腐を豆乳から作って食べられる鍋だ。

 もともと同社は豆腐の機械メーカー。しかし、顧客である豆腐店がスーパーなどの進出に押されて廃業するようになり売上は激減。このままではダメだと考えていた矢先、ある外食産業の経営者から「お客さん自らが豆腐を作り、食べられる一人前専用の豆腐鍋ができないか」との相談を受けた。

 同社では、旅館、飲食店などで需要が見込めると判断し早速、試作品の製作に乗り出した。最初に作ったのはステンレス製の鍋。しかし「見栄えが悪いし冷たい感じがする」との評価で作業は頓挫。そこで思い出したのが見た目も良く、暖かみもある「万古焼」。「国産の陶器が売れない時代だから窯元も快く引き受けてくれるだろう」と考え、豆腐鍋づくりを依頼しに行った。ところが奇抜な鍋のため窯元たちの反応は厳しく、引き受け手がまったくなかった。だが、あきらめるわけにはいかない。窯元探しをはじめて8カ月。ようやく、若くて意欲がある窯元を見つけることができ鍋づくりが始まった。

海外でも売れるヒット商品に

豆乳とにがりをセットにした商品「一人前豆腐鍋セット」

豆乳とにがりをセットにした商品「一人前豆腐鍋セット」

 鍋は見た目だけ良くてもダメ。短時間で美味しい豆腐が作れるものでなければならない。そこで考えたのが蒸気二重鍋。外鍋と内鍋を持つユニークな構造で、外鍋に少量の水を入れ、そこから発生する蒸気を循環させて内鍋をゆっくり温める仕組みの鍋。そうすることで豆乳とにがりを入れた内鍋がほどよく温まり、ムラがなく、なめらかで美味しい豆腐が10分程度で出来上がるという。

 萬来鍋が完成し、市場に投入したのは2002年。自ら作る楽しみもあり、今では年間3万個を販売するヒット商品となった。さらに鍋に豆乳やにがりなどの材料をセットした商品も大好評だ。

 萬来鍋のネーミングは万古焼と先客万来を組み合わせたもの。加えて、ビジュアルでのブランドアイデンティティーにもこだわってロゴマークをアメリカの有名デザイナーに依頼し、万来ブランドとして海外にも打って出た。現在、米国をはじめ欧州や東南アジアなどの18カ国に輸出している。また、国際的な食品を集めた海外の展示会にも数多く出展。海外ではヘルシー志向が強く、毎回実演ブースに人垣ができるほどという。

豆腐づくりにかけては誰にも負けない−との思いはこれからも変わらない。現在は豆乳の原料になる新しい大豆の栽培にも注力中。三重県尾鷲市の海洋深層水で塩を作った後にできる「にがり」を利用した大豆の栽培だ。三重県、三重大学、JAなど官や学と連携して行っているもので、土鍋の基となる土とともに地域資源の活用事例として注目を集めている。この大豆を使った豆腐が味わえるのも、そう遠くはなさそうだ。

【コメント】ミナミ産業・南川勤社長
食を通じて健康と平和に貢献

ミナミ産業・南川勤社長

ミナミ産業・南川勤社長

 萬来鍋は試行錯誤して作った自信作。今では海外のレストランやホテルでも使われている。豆腐の基になる豆乳も工夫を重ねて品質期限を9カ月と長くし、輸出にも対応できるようにした。海外では豆腐の食べ方も実に様々。メープルシロップやブルーベリー系のソースをかけるなど日本人には考えられない食べ方を好む。市場調査を行ってユニークなメニューを考案・提案し、今後も輸出国を増やしていく。当社の経営理念は「食を通じて世界の人の健康と平和に貢献する」というものだが、これを実践できる企業であり続けたい。

会社概要

会社名:ミナミ産業株式会社
住所:三重県四日市市東新町3-18
業種:食品加工機器製造
電話:059-331-2158
URL:http://minamisangyo.com/