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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

徳島県

世界のネットをリアルタイムでつなぎ中継

企業名 松浦機械製作所 三類型 鉱工業品 地域資源名 一般機械器具

顔になる新商品を開発

無線LAN移動中継システム

無線LAN移動中継システム

 松浦機械製作所は、1961年の創業。自動車関連部品の設計や修理などを手がけている。今後の主力に育てるべく開発したのが「無線LAN移動中継システム」だ。同システムはインターネットを介した“放送ではなく通信による”中継システム。松浦社長は自身もマラソンランナーで、マラソン中継などにおいて「効率的な方法があるのではと考えた」のが開発のきっかけと話す。機械製品に加えて、事業のもう一つの“顔”になる製品の立ち上げを目指した。

 システムのポイントとなるのは、同社が開発した自動追尾雲台。モバイル衛星アンテナや5ギガヘルツ帯無線LANアンテナを自動でコントロールする。世界のインターネット端末をリアルタイムでつなぐ。

震災に威力を発揮

 開発は2011年3月の東日本大震災の発生前からだが、大震災を受け地元の徳島も東南海・南海地震への対策が早急に求められている。「災害発生時は何よりも被害状況の把握」と松浦社長が力を込めるように、新システムは情報伝達のツールとして長距離無線LANや衛星ブロードバンドを使い、大容量通信やインターネット回線の確保が可能だ。

 松浦機械製作所は衛星波と地上波の両波を送受信できる機能を1台の車両に搭載した。衛星波の送受信は高性能で世界的にも定評のあるカナダのC―COM社の双方向衛星通信用アンテナを採用した。自動追尾雲台と組み合わせて起動させる。車両はワンボックスタイプの車以外にもバイクや自転車、リヤカーでもコンパクトにした上での搭載ができる。
 初期費用は、移動中継車両に積む衛星ブロードバンド、5ギガヘルツ帯無線などで800万円(車両費は別)。

 開発した新ネットワークシステム「次世代通信用コンポーネント」は、親局となる移動基地局中継車両を中心に、子機の有効距離10キロメートルの5ギガヘルツ帯無線LANアンテナを必要な現場の各所に複数台設置する。それぞれの子機を通じWi−Fi(ワイファイ)などのアクセスポイントとして機能させる。その際、基地局は衛星波を使うために障害物などの影響を受けることなく、インターネットへの接続ができる。

 従来は、災害現場に無線局を開局するには電源の確保やアンテナの調整が不可欠で、そのためのトレーニングを積んだ技術者数人が必要だった。しかも雨天時などの悪天候時は開局に時間がかかる難点もあったという。
 雲台はアンテナを任意の方向に向ける。搭載した機器も複雑な操作を必要とせず、あらかじめ車載しているために安全で迅速な効果が発揮できるのが大きな利点だ。
 システムは徳島の代名詞ともいえる阿波おどり会場での中継実績もある。将来的にも防災からイベント関連と種別を問わず幅広いジャンルでの活用が期待されそうだ。

松浦機械製作所・松浦良彦社長

松浦機械製作所・松浦良彦社長

【コメント】松浦機械製作所・松浦良彦社長
とくしまマラソンでも採用、県や大学と連携も

 「無線LAN移動中継システム」は10月30日に徳島県小松島市で開かれた「近畿府県合同防災訓練」で地上や巡視船など各所との情報集約に使われた。11月に4回目大会が開催され、年々、参加者が増えている「とくしまマラソン」でも中継車が活躍した。先頭グループや中間、後続に至るまでランナーの表情や沿道の声援をリアルタイムでインターネット配信した。
 今後は徳島県や徳島大学との災害対策の研究も継続して取り組み、地元の徳島の地場企業とも新たな防災システムについて連携を深めたい。

会社概要

会社名:株式会社松浦機械製作所
住所:徳島市南田宮2-5-62
業種:機械設計、製作、部品加工、ソフトウエア開発、各種雲台設計、次世代通信システム開発など
電話:088-632-1056
URL:http://www.matsuura-kikai.com/