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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

栃木県

アルミ加工と伝統文化を組み合わせたステーショナリー

企業名 丸信金属工業 三類型 鉱工業品 地域資源名 アルミ製品

地元の歴史・文化を取り入れる

アルミ製のステーショナリーグッズ

アルミ製のステーショナリーグッズ

 「このデザインの付箋は面白い」。2011年2月に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催されたギフトショーで外国人バイヤーの注目をひときわ集めた製品がある。本に挟む付箋などのステーショナリーグッズだ。特徴はその素材とデザインにある。薄いアルミニウムの光沢と和文字のデザインが融合し、ちょっとした高級感を醸し出している。

 開発したのはアルミニウムの加工業を営む丸信金属工業(栃木県足利市、小和田侑社長、0284-71-1639)。本業である建材や鍋などのアルミ加工で培ったノウハウを生かし、近年は自社商品の開発を進めている。自社ブランド「アル・アート」で展開する流線型の花器やオブジェなどは、国内大手百貨店はもとより、米国ニューヨーク近代美術館など世界の美術館内で販売されるなど、国境を越えた高い評価を獲得している。

 同社が次に挑んだのが、地場産業であるアルミ加工と伝統文化を組み合わせたステーショナリーだ。昭和初期にモダンなデザインで人気となった絹織物「足利銘仙」の柄と日本最古の学校である史跡、足利学校の仮名文字を「歴史コンテンツ」としてデザインに採用した。硬くて壊れにくいアルミ素材の特性を生かし、地元の歴史・文化を組み合わせて高級感を持たせ、既存品と差別化する狙いだ。

 もともと、既存品は中国製の低価格品が中心のため、価格競争が激しい。当初、参入のハードルは高いと考えていた。しかし近年、所有品にこだわりを持つビジネスパーソンや歴史に関心のある「歴女」が増えていることを受け、「ステーショナリーに地元の歴史を取り入れたら、おもしろくなるはず」(坂本勇樹専務)と考えた。地域資源事業として申請し、挑戦を決めた。

本格投入へ手応え

 開発は足利学校はもとより、足利商工会議所や市内の加工業者などと連携して取り組んでいる。アルミ製ステーショナリーという新しい分野で最も注意したのは、付加価値をどう付けるかだ。既存品との価格競争になっては意味がない。市場調査も進めながら、取り組みから1年間は試行錯誤の連続だった。

 こうして出来たのが、メッセージや和の柄をあしらった付箋、鳥をデザインとしたスタンド「ハピネス」、ビジネス用のクリアファイル、スマートフォン(多機能携帯電話)用のスタンドなど5種類の商品だ。いずれも、「足利銘仙の柄や文字を入れる上で、プレ的な商品」と坂本専務は捉える。本格開発する上で、消費者の反応を確かめるのが狙いだった。

 2月のギフトショーでお披露目したところ、特に付箋が高評価を得たという。1セット3個入り680円で、すでに販売されている。来場者の目をとどめたことで歴史コンテンツ商品を本格投入する手応えをつかんだ。今後は「アル・アート」で築いた人脈や店舗への販路などを活用し、観光客への販売や県外のセレクトショップなどへの直販も検討。目標は2014年に売上高1000万円だ。

【コメント】丸信金属工業・小和田侑社長
経営の柱に育てたい

丸信金属工業・小和田侑社長

丸信金属工業・小和田侑社長

 足利のアルミと言えば、建材やケトルなど家庭用品を中心に広く普及しており、最盛期に36社が手がけるなど地元を支える地場産業だった。だが、近年は中国製品との価格競争や景気低迷による建築着工数低迷の影響で、6社にまで減少してしまった。
 脱下請けで始めた自社ブランド事業だが、市場から高い評価を得てきている。今回の地域資源ではアルミ製品としての認定は全国初になったと聞く。新規分野として事業を育て、経営の柱に育てたい。

会社概要

会社名:丸信金属工業株式会社
住所:栃木県足利市借宿町65番地
業種:製造業
電話:0284-71-1639
URL:http://www.alart.jp/