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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

群馬県

地元の織物で和風のテーブルウエアを

企業名 丸中 三類型 鉱工業品 地域資源名 東毛地域の織物製品
丸中株式会社・篠田一社長

丸中株式会社・篠田一社長

和装織物の高級感を活かして

 群馬県桐生市―。東毛地域は古くから織物の産地として栄えてきた。創業60年の丸中は、独自のアイディアを取り入れて新しい織物に挑戦している。最近は、バナナの茎の繊維や、竹、ペットボトル再生ポリエステルなどを使って、環境に配慮した製品にも力を入れている。
 そんな同社が現在、取り組んでいるのが、東毛地域の織物を使ったテーブルウエアだ。着物や帯など和装の布地に特殊加工を施して、和装織物ならではの色彩、文様、素材による高級感溢れるテーブルウエアの開発を進めている。

 和装の織物は洗濯に適さないことから、一般的にテーブルウエアに不向きとされている。そこで同社は、布地にハイテク加工を施して、テーブルウエアとして使用可能な性能をもたせた。はっ水加工をさらに高度化した「超はっ水加工」を施し、高い防水性を実現。防汚牲、耐摩耗性にも優れており、200回洗濯しても性能は低下しないという耐久性に富んだ布地ができあがった。この特殊な布地を使って、テーブルクロスやランチョンマット、ナプキン、コースター、箸置きなど、さまざまなアイテムを展開する。

ランチョンマットとコースター。ヨーロッパ人の心を掴むことはできるか

ランチョンマットとコースター。ヨーロッパ人の心を掴むことはできるか

 ほかにも、布地に特殊な樹脂を染み込ませて、折り紙のように折り目を付けられる「折り布」を開発。折り紙を折るように布を折って、「折り鶴」などのオブジェを作って楽しむことができる。折り紙は欧米で人気が高いことから、注目を浴びそうだ。

 丸中はこれら製品の市場を欧米に考えている。特に日本の文化に敏感なヨーロッパに向けてアピールしたい考えだ。実際にヨーロッパで、どれだけ受け入れられるかは未知数だが、在フランスの日系代理店業者に委託して、現地でのリサーチを継続的に行っている。ホテルやレストラン経営者に試作品を提示し、反応を製品にフィードバック。また、製品PRのため、ヨーロッパで開催されるテキスタイルの展示会や、産業見本市への出展も計画中。篠田一社長自ら何度かパリに足を運び、見本市の視察を行った。

 「定期的に現地コーディネーターと情報交換を行っているが、実際に足を運んでみて、好みや美的感覚の微妙な違いを感じることができた。日本では分からなかった改善点なども把握できたので、これらを反映して改良を進めたい」(篠田社長)。ヨーロッパ人のニーズや好みに合ったテーブルウエアの完成に向けて、あと一息だ。

欧米市場に受け入れられる製品作り

2種類の布を折り紙のように折って仕上げたコースター。いろいろなバリエーションが楽しめる

2種類の布を折り紙のように折って仕上げたコースター。いろいろなバリエーションが楽しめる

 現在、このペーストをさらに加工して商品化する計画を進めている。ドレッシング、菓子 これまでに独自のアイディアで、新しい織物の開発に挑戦してきた同社だが、和風テーブルウエアの開発は、一筋縄ではいかなかった。
 古くから付き合いのある織物職人に対してでも、新しい製品の微妙なニュアンスを伝えるのは難しい。ヨーロッパ人のデザインや色彩感覚が日本人と異なるため、職人の目から見れば邪道と映ることもある。ニュアンスが伝わらない以前に、伝統から外れた製品作りを嫌う職人も少なくない。根気よく説明し試作を繰り返しながら、イメージ通りの織物に近づけていく。わずかなニュアンスの違いが製品の明暗を分けるからだ。

 優れた防水性、防汚牲を備えた素材ということから、テーブルウエア以外の用途展開も進んでいる。
 現在、メイクブラシの老舗メーカーと共同で、ポーチの製品化が進行中。化粧ポーチは油性の顔料や粉などで汚れやすく、水回りで使用することが多いため、今回の素材は打ってつけと言える。また和装の織物は、高級ブラシの雰囲気にもマッチする。

 「超はっ水性という高機能を備えた布地は、ほかの用途にも可能性を見出すことができるだろう」と篠田社長。ヨーロッパの見本市に出展し、反応をフィードバックして、デザイン、機能性などの改良を加え、さらには新規の製品への取り組みも進めるつもりだ。
 同社が現在、出展を希望している見本市は、世界各国から厳選された企業、団体が集まるため、注目度も高い。まずはこの見本市に出展し、現地の手応えをつかみたいという。

【コメント】篠田一社長
ヨーロッパの展示会で感触をつかみ、市場を開拓する

 当社はこれまで環境に優しい素材を使用したり、防縮加工やヴィンテージ風加工など、新規の開発に積極的に取り組んできた。
 今回の製品は、まずヨーロッパの市場を開拓し、その後、日本に逆輸入するかたちになればと思っている。ヨーロッパへのアプローチに向けて、製品の完成度を高める作業を進めているが、現地で受け入れられるデザインを実現するのは、もっとも難しい課題。現地のコーディネーターとやり取りしながら、質の高い製品を完成させ、認知度を高めるためのPRについても、効果的な方法を熟案している。

会社概要

会社名:丸中株式会社
住所:群馬県桐生市元宿町3-20
業種:繊維製品製造元卸業
電話:0277-46-3415
URL:http://www.saien-marunaka.com/