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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

山口県

レトルト加工に活路 鯨肉の新たな魅力をアピール

企業名 マル幸商事 三類型 農林水産物 地域資源名 クジラ、ふぐ、レンコダイ、ウルメイワシ

 山口県下関市は商業捕鯨発祥の地と言われる。旧大洋漁業(現マルハニチロホールディングス)や日本水産が同地を遠洋漁業の基地として利用、水産食品加工業が大いににぎわった。しかし1987年に日本が商業捕鯨を休止したのを機に、大手水産メーカーが相次いで捕鯨業から撤退、地元の加工食品メーカーは相次いで経営難に追い込まれていった。

鯨肉を手軽に食す

レトルト加工の新商品「くじらジャーキー」

レトルト加工の新商品「くじらジャーキー」

 1919年創業で全国でも有数の鯨肉取扱高を誇るマル幸商事は、現在も調査捕鯨の委託会社である共同船舶(東京都中央区)から副産物を購入、加工して鯨肉を全国に販売している。それでも消費が激減した現在、経営の多角化に迫られているのが現状だ。

 鯨肉はほとんどが冷凍・冷蔵商品。このためマル幸商事は2010年にレトルト加工用のサンプル機を導入、レトルト加工に着手した。「学校給食向けに竜田揚げはあるが、一般的には切って焼くかベーコン程度」(古田宏一社長)のため、製品開発は難航した。
 第一弾として12年に「くじらジャーキー」を商品化、市内の土産物売り場で販売を始めた。「冷凍肉を買ってきて切って焼くのは現在の食卓事情に合わない。女性や子供も手軽に食べることができるジャーキーには期待している」(同)という。
 現在は「パストラミ」(香辛料で調味した燻製)を試作中で13年の発売を目指す。低カロリー、低脂肪、高タンパクといった鯨肉の特徴を女性に訴えると同時に、食の洋風化に合わせてパンやサラダにも使える加工食品を、レトルト技術を利用して提供する計画だ。

地場の水産資源をPR

学校給食用のレンコダイの空揚げ

学校給食用のレンコダイの空揚げ

 山口県を代表する水産物はクジラだけではない。ふぐ、レンコダイ、ウルメイワシも有名だ。このうち「下関のふぐ」は全国ブランドとして認知されており、同社も加工品を手がけている。全国で初めて商品化した缶詰「ふく缶」を洋風化した「ふぐのオリーブオイル漬」も試作しており、近く発売を予定している。

 現在、力を入れているのが日本一の水揚げ高を誇るレンコダイの加工だ。美しい容姿と身のやわらかさから人気の魚だが、県内の学校給食向けに年間6万尾提供している。レトルト技術を使って流通販売しやすくすると同時に、給食向けに開発した空揚げは表面に県産米粉を利用することで小麦アレルギーを持つ児童でも食べられる食材が人気を呼んでいる。

 周囲を海に囲まれた山口県は水産資源が豊富。中でも下関市はクジラやふぐなど、この地にしかない特色を持っている。だが近年は食の欧米化や魚離れ、またPR不足も災いして地場の水産加工会社は疲弊している。
 まずは関東や関西の都市部で行われる商談会や展示会に商品を出品し、特産品を認知してもらう。その上で評価を元に最適な販売チャンネルを絞り込んでいく。消費者が“ギョギョッ”と驚くような商品開発が待たれている。

【コメント】マル幸商事・古田宏一社長
新製品で成功事例を

マル幸商事・古田宏一社長

マル幸商事・古田宏一社長

 残念だがクジラはもはや売れない。今のままでは若い人や女性に食べてもらえない。だからといって創業以来続けてきた鯨肉加工を手放す気はない。どうやったら一般の人に食べてもらえるか。答えは手軽に手に取ってもらえる商品、またパンにもあう商品に行き着いた。まだまだ試行錯誤の段階だが、あらゆる製品化を試して、一つでも成功事例を出したい。クジラは食物アレルギーがない食材としても有名なので、その点もアピールしていきたい。ふぐやレンコダイはすでに人気商品が生まれた。販路も含めて新たな取り組みで業容を拡大するつもりだ。

会社概要

会社名:マル幸商事株式会社
住所:山口県下関市彦島西山町4-13-48
業種:水産食料品製造
電話:083-267-3727
URL:http://www.marukou-inc.co.jp/