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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

滋賀県

ハニカム構造を持つカード入れ

企業名 清原 三類型 鉱工業品 地域資源名 布帛・ニット縫製品

縫製加工技術の応用でカード収納雑貨品を開発

ハニカム構造を持つカード入れ

ハニカム構造を持つカード入れ

 清原は和雑貨製品の企画・製造を主力とする。製品内容は祝儀袋や、小物類を包むときに用いる布の袱紗(ふくさ)をはじめ、のれん、数珠を入れる念珠袋など。なかでもメーン製品の袱紗は生産量、種類ともに国内でシェアトップとみられる。同社は新しい事業の育成を目的にクレジットなどのカード類を収納する自社オリジナルの雑貨品を開発。新事業として販促活動に乗り出している。

 新製品の外観は財布と同じ。内部にはハチの巣状であるハニカム構造に縫製した布地が収まっている。開くと同構造の6角形部分がカードの入れ口となり、その一つひとつに各種のカードを収納できるつくりとした。サイズ別に数種類あり、最大収納枚数は20枚。カード以外にジュエリーや小物類を対象とした製品の開発も進めている。

 製品開発に着手したのは約6年前。それまでは袱紗をはじめとする和雑貨の製造販売で、安定的な事業を展開してきた。しかし、事業発展には既存製品だけに頼らない経営体制の構築が必要と判断。滋賀県工業技術総合センター(滋賀県栗東市)の協力を得て同社の製品特徴である和(わ)のテイストにユニバーサルデザインを加味した製品作りを模索した結果、カード入れという製品に行き着いた。

 とくに本社を構える滋賀県守山市は、繊維産業で発展してきた経緯を持つ。今回の製品も同市で培われてきた縫製加工技術を活用した。具体的にはハニカム構造を成す布地に縫製技術を使用、6角形が崩れない強い接合力を得ることに成功している。

直営店開設で独自販路の開拓狙う

社内で製品の縫製を行う

社内で製品の縫製を行う

 完成にも紆余(うよ)曲折があった。市場投入を実現する上で最も大きな障害だったのは、素材の選定。ハニカム構造の部分は形を整えるため、強度の高い布地を必要とする。同社は麻など多くの素材でテストを実施、試行錯誤の中で不織布の中で適当な素材を発見した。ただ生産ラインに乗せる場合は設備の性格上、素材を大量に使用しなければならない。発見した素材が製品化に失敗すれば多額の損失が発生してしまう。しかし同社は生産を決断し、素材の品質が製品化の点で問題ないことを確認した。

 製品の機能以外では、デザインも重要視している。同社は日本の伝統を表現するだけでなく、若い世代にアピールが可能な意匠作りにも注力。滋賀県下にあるデザイン会社の協力を得て、ヤングミセスを核に幅広い層を取り込める製品外観を練り上げている。

 今後の事業課題は製品の販促だ。当面は百貨店などを通じた小売り販売を主軸に展開するが、将来は地元の守山市内を中心に直営店の開設で新たな販促ルートの構築を目指す。一方で、今回の製品を含む自社オリジナルブランドを「和奏(わかな)」と命名。高付加価値製品ブランドの確立と直営店の展開で地元に人を呼び込める体制構築にも取り組む。

【コメント】清原・清原健社長
革新的要素で伝統復活

清原・清原健社長

清原・清原健社長

 社長に就任した時から、モノづくりに強くこだわっていた。モノづくりは夢を具体化するという面白さにあふれる。ただ、最近は営業を強化しても製品は売れない。販促につなげるためにも、地元に直営店を置くなど"地産地消"を意識したモノづくりが今後必要になるだろう。
 当社の製品は和を特徴とする。現状、和と言えばマイナーに受けとめられがちだが、和は伝統を表現するなど良さも多い。今回の製品のように革新的な要素を盛り込めば、伝統の良さも生きてくる。今後は若い人が袱紗をはじめ和の製品を見直してくれるように取り組んでいきたい。

会社概要

会社名:株式会社清原
住所:滋賀県守山市古高町477−15
電話:077-582-2388
URL:http://www.kiyohara-net.co.jp/