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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

兵庫県

将来性ない地場産業向け技術を次々と応用

企業名 衣川製鎖工業 三類型 鉱工業品 地域資源名

切れない鎖の依頼

バイク向けに開発した「かてーな」

バイク向けに開発した「かてーな」

 衣川製鎖工業が自動車盗難防止チェーンの開発に取り組んだのは大型バイクの盗難防止チェーン「かてーな!」の用途をさらに拡大するためだった。

 「かてーな!」は将来性を失った地場産業の船舶用チェーン技術を何とか他で生かせられないかと思案しているとき、阪神地区のオートバイクラブから届いたメールが開発のきっかけになった。
 「バイクの盗難が相次いでいる。切れない鎖を作ってくれないか」というものだった。しかし、切れない鎖は存在しない。兵庫県立工業技術センターの協力を得て盗難防止策を研究し、「油圧カッターを使っても切るのに時間のかかる鎖」として20トンの加重に耐えられる、太さ16ミリメートルの特殊合金製の鎖を実現した。

 自動車用も盗難に遭った人から自動車の盗難防止用チェーンと金具の製作を依頼され、ランドクルーザー用の商品を作ったのが始まり。車体を強力なチェーンで地中に埋め込んだアンカーとつなぎ止め、物理的に動かせなくするものだった。その度特注品として製作してきたが、2009年10月から市販を始め、その年に経済産業省から地域産業資源活用事業に認定された。

車種ごとにカルテを作成

工夫をこらし自動車用に開発した「かてーなAUTO」

工夫をこらし自動車用に開発した「かてーなAUTO」

 基本的にバイク用の転用だが、乗用車の場合、固定する箇所がほとんどないのがネック。また、車種や年式によって構造や部品に差がある。そのため、一品料理で処理しなければならなかった。自動車販売業者の指導を受けてけん引用のフックと陸送用プレートの調査を実施、現在車種ごとのカルテを作成中だ。

 ネーミングは「かてーな!AUTO」で04年に商標登録済み。「かてーな!」を売り出した時にはまだ名前がついていなかった。インターネットでアンケートを採ったが気に入るものがなかった。ある時、小樽の学生が「カテーナ」という言葉を教えてくれた。調べるとラテン語でチェーンの意味だった。これだと思ってすぐに採用した。

 今、「かてーな!」は年間売り上げ4000万円の商品に育ってきたが、今後の拡大は期待が持てそうにない。バイク市場そのものが縮小しているためだ。ただ大型バイクはそこそこで推移しているため、現状維持が期待できるが、今後の期待は何と言っても「かてーな!AUTO」。自動車愛好家の情報を持っている自動車関連業界の人々と提携しながら拡大を図る。

【コメント】衣川製鎖工業・衣川良介社長
「防犯」を真剣に考えて

衣川製鎖工業・衣川良介社長

衣川製鎖工業・衣川良介社長

 自動車の盗難事故を無くすのに努力しているのですが、盗難被害に遭われた方は防犯意識が高く、話はどんどん進みます。それ以外の方は「私の車は盗まれないよ」と不思議な自信をお持ちで、説明と説得に苦労します。
 自然豊かな日本では「空気と水はただ」「安全はあたりまえ」と考えられてきましたが、国際化した社会では状況が異なってきています。日本で盗難に遭った自動車が東南アジアや中近東で走っているケースが目立ってきました。
 日本は泥棒天国ではありません。「防犯」のことを真剣に考えてもらい、自分の愛車の防犯を見直してほしいと思っています。「かてーな!AUTO」が役に立つことを期待しています。

会社概要

会社名:衣川製鎖工業株式会社
住所:兵庫県姫路市飾磨区阿成渡場 1111
電話:079-234-1515
URL:http://www2.memenet.or.jp/kinugawa/