HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

大阪府

紙器の製造手法を応用した可食容器

企業名 木村アルミ箔 三類型 鉱工業品 地域資源名 紙器
素材の食品シート

素材の食品シート

新たな材料シートの開発も

 木村アルミ箔は、飲食店や弁当などの料理盛り付け用に、海苔や昆布、寒天などのシートを材料とする食べられるカップ(可食容器)の製造に取り組んでいる。大阪市などの地域資源となっている紙器の製造技術を応用した製品だ。同社は今までにもアルミ箔やフィルムによる弁当のおかず用カップなど、食品用包装資材製造の主力事業でその技術を応用してきた経験を持つ。今回の試みでその応用範囲を可食容器に広げ、2008年に地域資源活用制度の認定を受けた。

 盛り付けのために、従来のおかず用カップを使用するとゴミが出る。カップを料理の一部として食べられるようにすれば、ゴミを減らせるという考えだ。さらに、「ゴミが出ない」可食容器の長所を最大限に生かすため、分離性を高めるためのカップ間の紙や、形を整えるためのあて紙を使用しない量産方法を研究していく方針だ。

 材料を供給するのは、福井県敦賀市の寿司用昆布卸業者や大阪市内の海苔販売店、長野県伊那市の寒天メーカー。これらの企業の開発担当者と連携し、材料の改善や効率的な加工方法の研究に取り組んでいる。また、既存の食品シートをベースにするだけではなく、新たな材料シートの開発にも取り組んでいく。

 既存の食品シートは水分を吸ってしまうため、当面は飲食店や宿泊施設など、食べる直前に使用する現場への供給となる。米国の回転すし店などからはすでに引き合いが来ているという。今後、撥水性のある食品シートの研究を進め、弁当など長時間でも使用できる可食容器の開発を目指す。また、大阪独自の「なにわの伝統野菜」も材料とし、「既存の食品シート」「撥水性のある食品シート」と合わせて3本柱とする方針だ。2013年7月期に売上高1億5000万円を目指す。

成型したカップ

成型したカップ

食品に対する高い意識

 同社が可食容器開発に取り組んだ要因として、食品安全に関するISO22000の認証を取得していることが挙げられる。同社は菓子用包装資材の使いやすさを確認するために社内で菓子作りを始め、それを生かして2006年に「きむら菓子製作所」として菓子の製造・販売や大阪市生野区でのカフェの運営を始めた。この際、食品製造の現場の安全管理の重要性を痛感し、同認証取得に取り組んだ。結果、菓子工場だけではなく、包装資材工場でも認証を取得し、全社を挙げて安全性管理を徹底している。

 2009年10月からは、包装資材の製造をりんくうタウン工場(大阪府泉佐野市)に一元化し、カフェ近くの大阪工場(大阪市生野区)は菓子製造拠点へと生まれ変わった。可食容器の製造は、「食品工場」である大阪工場で行う。容器と言っても食べることを前提にしているため、異物混入などを徹底的に防ぎ、高い安全性を実現する姿勢を明確に打ち出した。

 そのため、量産にあたっては、あて紙など副資材の不使用を目指すなどゴミの出ない製造方法の確立とともに、食品シートに手を触れずにすむ完全自動化を目指している。地域資源活用制度による補助金は、製造方法の研究・開発とそれを実現する設備投資に活用する。地域資源活用制度の申請には、経営革新などとは違う独自の申請書の書式が必要だ。中小企業基盤整備機構近畿本部の担当マネージャーにアドバイスを受けた。2009年中に量産のための技術を確立し、2010年の年明けからの量産スタートを目指す。

【コメント】木村アルミ箔・木村裕一社長
改善進め、より安全な製品を

木村アルミ箔・木村祐一社長

木村アルミ箔・木村祐一社長

 可食容器は直接口に入れるため、従来の食品用包装資材以上の安全性が求められる。可食容器を作る決意を固めたのは、ISO22000の認証を取得しているためだ。菓子製造現場だけではなく、フィルムカップなどの食品向け包装資材工場でも、食の安全に携わるという意識を高めるため、同認証を取得して安全性と品質管理の徹底を進めてきた。
 それでも、可食容器の製造を包装資材工場ではなく食品工場で行うのは、やはり食用の製品であるため。従業員には認証取得に伴い、食の安全に対する高い意識が浸透しているが、可食容器が食品であると意識することで、さらに品質管理の徹底が進むと考えている。容器に手で触れずにすむよう工程改善を進め、安全な製品を供給したい。

会社概要

会社名:木村アルミ箔株式会社
住所:大阪府大阪市中央区高津2の1の21
業種:金属製品製造
電話:06-6213-1125
URL:http://www.kimura-alumi.co.jp/