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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

広島県

食生活、ライフサイクルの変化にいち早く対応

企業名 川中醤油 三類型 鉱工業品 地域資源名 醤油

ユニーク商品で生き残り図る

スモークタイプのしょうゆ「薫る大人の醤油」

スモークタイプのしょうゆ「薫る大人の醤油」

 しょうゆの生産地として誰もが知るのは千葉県や兵庫県。中国地方、とくに広島県は比較的しょうゆのイメージは薄いかもしれない。それでも市内には10社以上が集積しているという。中国地方5県を見渡しても、ずばぬけて規模の大きなところはなく、「5県で250社ぐらいあるのでは」(川中醤油の川中敬三社長)と、中小企業がひしめいている。

 川中醤油は1906年(明39)創業と100年以上の歴史を持つ。看板商品の「芳醇天然かけ醤油」をはじめ、だししょうゆやぽん酢しょうゆ、つゆやドレッシングなど商品アイテムは実に多彩だ。「アイスがおいしくなるしょう油」や「ヨーグルトがおいしくなるしょう油」などユニークなものもある。

 しょうゆの出荷量自体は伸び悩みが続いている。半面、食生活の多様化やライフスタイルの変化で、だししょうゆやぽん酢しょうゆなどの生産量は伸びている。川中醤油はそんな変化にいち早く対応し生き残りを図ってきた。「流通形態が変わりかつてのエリアマーケットではやっていけなくなった。大市場は大手メーカーの寡占で、中小の出番はない」(川中社長)と、必然的に今の業態に行き着いた。

支援制度の活用

直営店「醤(ひしお)の館」

直営店「醤(ひしお)の館」

 そこで活用しているのが、地域産業資源活用事業や農商工連携といった支援制度だ。09年2月に地域資源に認定されて以来順調に新製品を開発、商品化している。第一弾が09年8月に発売した「薫る大人の醤油」。桜のチップでいぶしたかつお節を濃い口しょうゆに漬け込んだもので、スモークタイプのしょうゆという新しいジャンルを開拓した。ゆで卵やチーズ、サーモンなどにかけるだけで味と香りが楽しめる。「40歳から50歳代の男性をターゲットにした」(同)商品だ。

 続いて11年3月に「赤紫蘇と川根柚子のドレッシング」、「金ゴマと焙煎大豆のドレッシング」の2品目を商品化した。「できるだけ地域の農作物を使いたい」との思いから、ユズは広島県安芸高田市川根のユズ果汁、大豆も広島県産のアキシロメ大豆を使った。今年度中には広島県産のはっさくとレモン、唐辛子のドレッシング、庄原市の桜を使ったドレッシングなどを発売する予定だ。

 商品開発だけでなく、新たな販路も開拓した。「薫る大人の醤油」はチーズメーカーの目にとまり、チーズとセットで販売してくれるようになった。「当初はまったく考えていなかった用途」だ。また、モノづくりの課題も補助金で解決できた。大豆を乳化する工程で不可欠な乳化機は保有していなかったが、10年3月に食農連携促進設備整備事業に認定され、導入することができた。これにより大豆だけでなく桜ドレッシングも開発できた。乳化だけでなく加圧や加熱、減圧など機能が豊富で、今後の開発に生かせるとみている。

 モノづくりの傍ら、2000年から直営店「醤(ひしお)の館」を運営している。「試食をしてもらい、そこで得た意見を開発に反映する」ためだ。味見コーナーが充実しており、名物のしょうゆソフトクリームを賞味することもできる。川中社長は「買い物よりも食べてほしい」と、次のアイデアを練っている。

【コメント】川中醤油・川中敬三社長
地域とともに歩む

川中醤油・川中敬三社長

川中醤油・川中敬三社長

 食生活など生活スタイルの変化でしょうゆメーカーは変化を余儀なくされている。いわば「簡便型」に移行している。当社の看板である「芳醇天然かけしょうゆ」は生しょうゆにカツオと昆布のだしを加えたものだが、このような簡便な商品が売れ筋になっている。量の勝負はしないしできないので、いかに付加価値の高い商品を開発するかがポイントになろう。ただ賞味期限があり、やみくもに開発しても意味がないので、公的な支援制度は活用していきたい。いずれにしても我々は地域とともに歩んでいく。

会社概要

会社名:川中醤油株式会社
住所:広島市安佐南区沼田町伴5006番地
業種:しょうゆ製造販売
電話:082-848-0008
URL:http://www.kawanaka-shouyu.co.jp/