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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

愛知県

有色再生原料で環境負荷の小さい「プチプチ」開発

企業名 川上産業 三類型 鉱工業品 地域資源名 愛知県のプラスチック

国内シェア50%

エコハーモニーの原料となる緑色のペレット

エコハーモニーの原料となる緑色のペレット

 川上産業は1967年に日本で初めて気泡緩衝材造装置を開発した企業。菓子や家電の包装などで親しまれている「プチプチ」は同社の登録商標だ。同社の11年5月期での気泡緩衝材の国内シェアは約50%。商品開発と環境対策で業界を常にリードしてきた。

 ポリエチレンと空気からなるプチプチはリサイクル性に優れ、完全燃焼すれば有害物質は発生しないが、98年にはダイオキシン対策で原料に酸化鉄を混ぜ、燃焼カロリーを高めた「オレンジプチ」を開発。同製品と一緒に加熱すれば生ごみなどの低温加熱時に発生するダイオキシンを抑制できるため、当時大ヒットした。その後も03年に生分解性の「グリーンプチ」を、04年には緩衝性能を維持しつつキャップ形状を円柱から台形に形状変更し、ポリエチレン使用量を20%削減した「ダイエットプチ」を発売するなど環境対応品を次々生み出してきた。

環境意識の高まりが背景

エコハーモニーは青−緑系色のきれいなプチプチ

エコハーモニーは青−緑系色のきれいなプチプチ

 環境対応を進める中、川上肇社長は「環境に本気で取り組むなら、色が付いているため再利用が進まない有色再生原料を活用したい」と考えていた。97年ごろから構想してきたが当初は有色再生材料に対する顧客の評価が低く、敬遠されたため製品化にはいたらなかった。しかしその後、環境意識の高まりを受け顧客が環境負荷の小さい商品を積極的に求めるようになり有色再生原料のイメージも変わってきた。

 このため06年に有色再生原料をほぼ100%使用する商品の開発に着手した。まずは国内の再生原料メーカーと有色再生原料の供給量を調査。メーカー側も同原料を欲しがる企業は少ないため積極的に関わってくれた。調査により安定供給ができ、顧客に受け入れられやすい色として青−緑系色の原料で製品化を目指すことにした。

原料証明書に顧客に安心を

 複数の有色再生原料を使うためそのまま混ぜるともろくなる。このため高度な配合技術が必要となった。そこで溶けた樹脂の流れやすさを数値化する装置を購入。「料理のレシピと同じで原料をどう組み合わせるか」(杉山彩香常務取締役)が重要なため、数値情報から原料の組み合わせを算出するソフトも開発した。さらに、製造時に30カ所で厳密な温度管理を行うことで製品強度も確保できた。こうしてついに10年に青−緑系色のきれいなプチプチ「エコハーモニー」が誕生した。

 有色再生原料を使用した同製品の販売に向け、名古屋工場の環境品質保証室を中心に品質保証にも注力する。「プチプチは食品を含めいろいろな用途に使われる。身元がきちんとわかるようにする」(杉山常務)ため、原料供給先が特定できる原料供給証明書を交付している。顧客が安心して購入できる環境を整え、販売につなげたい考えだ。

 ことしの8月には新たに粒表面に1層追加し強度や滑り性を高めた3層品を追加した。さまざまな包装対象物に対応できるよう製品ラインアップを拡充し、エコハーモニーを同社の主力製品に育てていく考えだ。

【コメント】川上産業・川上肇社長
きれいな色をそのまま活用

川上産業・川上肇社長

川上産業・川上肇社長

 東京都で黒色ゴミ袋が使用禁止になったころから有色再生原料は行き場をなくした。「色がついている以外、緩衝性能などの品質は何も問題ない」との思いから製品化を模索してきた。当時は色のバラつきを抑えるため黒とグレーの色での販売を試みた。今はきれいな色をそのまま活用しようという考えだ。有色原料のため色に多少バラツキは出るが、事前にしっかり伝えれば顧客も問題視しない。これまで利用されなかった原料を使用しているこの製品を広めていきたい。当面の目標はエコハーモニーの比率を当社プチプチ製品の4割まで高めることだ。

会社概要

会社名:川上産業株式会社
住所:愛知県名古屋市中村区千成通2-50
業種:包装資材製造販売
電話:052-483-1031
URL:http://www.putiputi.co.jp