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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

京都府

植物を使ったプリント加工

企業名 カワバタプリント 三類型 鉱工業品 地域資源名 プリント染色
天然染料プリント技術を使って印刷加工したTシャツ

天然染料プリント技術を使って印刷加工したTシャツ

手捺染(なっせん)技術に天然染料を導入

 カワバタプリントはTシャツのプリント加工や染めの企画やデザインを主力とする。環境保護重視の方針から、植物を原料とする染料を使用した天然染料プリント技術を開発。同技術を使ったTシャツのプリント加工などの事業に乗り出した。通常、植物による染めは生地全体を対象とする。同社はデザインプリント用の版(型)を使って部分的に生地を染める捺染と呼ばれる手法に、植物由来の染料を導入する新たな技術を生み出した。

 着物の生産販売が多い京都では、捺染の技術も多く使用されている。特に人間の手作業で行う手捺染は、グラデーションなど機械加工ではなかなか表現できない色合いを出すこともあって人気が高い。そこに着目した同社は、天然染料に糊(のり)や水、媒染剤などを適度に配合するなどの工夫を凝らすことで手捺染への植物由来の染料導入に成功した。

 通常、シャツ類のプリントは石油を原料とした合成着色料を使用する。生産コストも低く抑えられる上に、鮮明な色合いを表現できる特徴を持つ。ただ、最近は天然染料の色合いの表現技術についても改善が進んだ。そこで今回の染色法を、アパレルメーカーなどを対象に受注拡大に注力。環境保護に加えて人体への安全性が高い点が評価され、天然染料プリントは全売上高の30%程度にまで成長している。

 一方で、今のところ原料の染料は買い入れで対応しており、利益率は決して高くない。そこで同社は、利益確保が可能なビジネスモデルの確立を模索。コスト削減のため、原料となる草花の自社栽培に乗り出した。同時に、新たな製造技術を用いた染色方法「新万葉染め」を展開。環境関連製品の拡販に取り組んでいる。

「新万葉染め」の原料としてマリーゴールドの自社栽培を始めた

「新万葉染め」の原料としてマリーゴールドの自社栽培を始めた

原料の独自調達で事業の安定化狙う

 「新万葉染め」に使用する染料の製法は、三重大学の木村光雄名誉教授が開発した。花弁や果実、葉などを粉砕して植物の細胞中に含まれる天然色素を効率的に取り出せる。染めたい色の濃度調節も簡単なほか、色材として着色に使用する植物量の削減にも成功した。従来技術の場合、色材は繊維量とほぼ同じ重量を必要とするのに対し、「新万葉染め」は3分の1で済む。

 原料の草花にはキク科の植物であるマリーゴールドを使用。現在、沖縄県宮古島市で栽培を進めている。外部から購入していた天然染料を自社で調達するルートの構築で、安定的な事業展開が可能。特に「新万葉染め」の製法は製造コスト削減につながる。同社は今後、自社栽培した植物を使ったプリント加工の試作品の生産に取り組み、2010年1月にも試験販売する計画だ。

 今後は、環境に影響を与えないプリント加工としてアピールする。子供服メーカーのブーフーウー(東京都町田市)が採用を決めた。カワバタプリントは植物の栽培量を順次増やしていくほか、自社で作製した天然染料の他社販売も検討。一方で聖母女子短期大学にも協力を仰ぎ、「新万葉染め」を使った衣類の耐久評価試験の確立も進めていく。これらの取り組みで昔ながらの手捺染と環境保護を融合した製品を低価格で販売できる体制を構築、新市場の開拓を狙う。

【コメント】カワバタプリント・川端康夫社長
色合い変化は価値の高まり

カワバタプリント・川端康夫社長

カワバタプリント・川端康夫社長

 消費者から安全性などの問いかけを受けたことがきっかけで、環境に配慮した技術の必要性を感じるようになった。これまでにも卵白やコンニャク芋などを粉末状にしてプリントする技術を確立している。環境を重視した製品については確実にファンが増えているようだ。
 一方で、既存の技術に比べ、プリントの色合いの変化が早い点は否定できない。しかし、それを劣化ととらえるのではなく、変化と考えるべきではないか。実際、時間が経った着物を良いとする見方もある。天然染料は生きており、変化に価値を見いだせば天然染料の需要はさらに増していくだろう。

会社概要

会社名:カワバタプリント
住所:京都府京都市下京区五条通室町西入東錺屋町165林英ビル内
電話:075-343-4817
URL:http://www6.ocn.ne.jp/~kkprint/