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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

大阪府

地元のブドウでたこ焼きに合うスパークリングワイン

企業名 カタシモワインフード 三類型 鉱工業品 地域資源名 柏原ワイン
「たこシャン」。遊び心のある名前の本格的なスパークリングワイン

「たこシャン」。遊び心のある名前の本格的なスパークリングワイン

栽培放棄の畑を利用

 1914年創業のカタシモワインフード(大阪府柏原市)は、柏原ワイン製造で培われた技術を生かし、カジュアルに飲める国産低アルコール発泡性果実酒(スパークリングワイン)を製造販売している。地元産のデラウェアを用いたスパークリングワインづくりは、地域のブドウ畑を活用する取り組みでもある。栽培農家の高齢化が進んでおり、栽培放棄された畑もある。そこで、同社が栽培農家から畑を借り上げ、デラウェアを栽培しスパークリングワインに活用する。

遊び心のネーミング

 スパークリングワインは「たこシャン」。大阪名物のたこ焼きに合うシャンパンという意味だが、もちろん普通の料理にも合う。製法はフランス・シャンパーニュ地方の伝統的な瓶内2次発酵製法。製造法自体はシャンパンと同じ。デラウェアの栽培法から考え、デラウェア特有の臭いも消す工夫をした。
 ラベルはグリコやロート製薬のロゴデザイン、京都大学のホームページデザインなどを手掛けた奥村昭夫氏がデザインした。ネーミングには遊び心があるが、力のある商品だ。

 飲食店向けに販売するたこシャンは1本420円(250ミリリットル)。今年は2週間で1万本が完売という人気商品になった。「お店の人も、楽しんで紹介できるのでは」(高井利洋社長)。一般向けには750ミリリットル、1500ミリリットルのマグナムボトルも作った。「取り組む中身は濃いけど、どこか面白い」(同)ところがたこシャンの人気の理由かもしれない。

 同社の畑では、剪定(せんてい)した木や1年間発酵させたワインの搾りかすを肥料にし、除草剤を使わない減農薬栽培(有機草生栽培)に取り組んでいる。農薬を一般的な使用量の3分の1以下に抑えて作ったブドウは大阪府のエコ農産物に認定されている。

歴史の重みと地域の個性で

太平寺地区のブドウ畑と町並み。こうした風景も地域資源

太平寺地区のブドウ畑と町並み。こうした風景も地域資源

 増産のため、5年計画でブドウ畑を増やす計画。「今年は1000坪増やす計画だが、人手もかかり簡単ではない」(同)という。
 同社の畑には西日本で1番古い96年になる甲州ブドウの木、35年の木もある。25年で新しい木に植え替えると、ブドウの収穫量も増える。ただ35年の木のブドウだけで作ったワインは、新しい木にはないワインの個性になる。また、畑の土壌によって、ワインの味は変わる。ワインづくりは、ある意味でローテクだが、作り手によって地域の個性を生かした魅力ある商品を生み出せることになる。

 大阪府柏原市は、明治時代からブドウ栽培が始まり、その後、ワイン製造も始まった。今でも大阪府のブドウ生産は全国7位、食用でなじみの深い「デラウェア」という品種では同3位だ。

 一方、柏原市は大阪市内にも近い事から、宅地開発が進みブドウ畑は減っていった。高齢化が進む農家で栽培放棄の畑が増えれば、山際に広がるブドウ畑の風景も失われる。同社のある太平寺地区では「太平寺わしらのまちづくり委員会」ができ、地域のブドウ畑、古民家、寺院、地域の歴史、飲食店なども含めて地域の魅了を高める活動に取り組んでいる。デラウェアを使った「たこシャン」づくりには、地域、ワイン製造などの思いが詰まっている。

【コメント】カタシモワインフード・高井利洋社長
魅力ある商品はいきいき働く社員から

カタシモワインフード・高井利洋社長

カタシモワインフード・高井利洋社長

 円高の中、国内でモノを作らなければならない。会社の商品コンセプトは大事だ。魅力ある商品は、社員がいきいきと働いていないと生まれない。15年ほど前には売り込みに行き店頭販売もしたが、店の棚に並べてくれるわけでもなく、有名なワイン産地にしといた方がいいのではと、ばかにされたこともあった。

 今は、朝にホームページでワイナリー見学の告知を出すと、夕方には満員になる。情けなさや悔しさを積み重ねて続けてきた結果なのか。なぜこんなに状況が変わったのか、正直よく分からない。

会社概要

会社名:カタシモワインフード株式会社
住所:大阪府柏原市太平寺2-9-14
電話:072-971-6334
URL:http://www.kashiwara-wine.com/