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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

大阪府

「生命を守る」電気錠の専門メーカー

企業名 日本電子工業 三類型 鉱工業品 地域資源名 建築金物

 建築金物は大阪の地場産業だ。明治時代に欧米から輸入を始め、次第に大阪で生産するようになったとされる。現在は大阪市東部、東大阪市、八尾市、堺市などに企業の集積がある。大阪市生野区に本社を構える日本電子工業は、建築金物の中でも電気錠の製造・販売・施工を手がける。金融機関、役所、病院、老人ホームなど1600カ所以上に電気錠システムを納め、「国内の電気錠の歴史は当社が作ってきた」(山之口良子社長)と胸を張る。

自動車のABSから電気錠に転身

引き戸用電気錠の新製品「ケアロック」

引き戸用電気錠の新製品「ケアロック」

 電気錠はその名の通り、施錠・解錠を電気制御する錠前だ。扉や窓につける電気錠と集中管理用の制御盤、施錠・解錠用の認証機器で一つのシステムを構成する。鍵を使わず番号式のボタンで施錠・解錠でき、病院などの施設の扉を一カ所で集中・遠隔管理できる。無理にこじ開けようとすると警報を鳴らすことも可能だ。

 日本電子工業は、もともと自動車用のアンチロック・ブレーキング・システム(ABS)用のセンサー開発を目指して創業した。現在はその電気制御技術を応用した電気錠が主力となっている。中でも引き戸用の電気錠は同社が15年前に国内で初めて開発したものだ。現在、自社製品は引き戸用に特化しており、国内のトップメーカーとなっている。
 創業当初から変わらないのは「生命を守る技術を拓く」という企業使命だ。たとえば引き戸用の電気錠は、病院や老人ホームで窓からの転落事故を防ぐのに役立っている。1995年の阪神淡路大震災では、当時、同社だけが採用していた感震解錠システムが作動し、多数の施設で避難経路の確保に貢献した。現在も、引き戸用電気錠には感震解錠システムを標準搭載している。

施錠時でも換気できる新製品を開発

ケアロックを取り付けた様子

ケアロックを取り付けた様子

 電気錠と制御システムは社内で設計・開発するが、生産は協力工場に委託している。一方、取り付け施工やメンテナンスは自社で対応する体制を備えている。各施設の要望に応じて解錠・施錠のシステムを細かくカスタマイズし、競合メーカーとの差別化を図る。施工や保守の作業の中でユーザーの要望を集め、次の研究開発に生かす仕組みだ。
 2011年には、経済産業省から「地域産業資源活用事業計画」に認定された引き戸用電気錠の新製品「ケアロック」を完成した。介護福祉施設などで、部屋の換気のために施錠時でも15センチメートル程度開けておけるのが特徴。従来品より小型化してコストも改善した。同年にグッドデザイン賞も受賞した。

 電気錠の需要は病院、老人ホームなどで引き続き旺盛であるほか、住宅メーカーも防犯性能の向上に力を入れているという。ドア、ロッカー、トラック荷台など引き戸以外の電気錠需要も増えているため、顧客の要望に応じたOEM生産を始めることも検討中だ。こうした市場の追い風を受けて、2014年は電気錠で年間1万台の販売を目標とする。売上高は2015年7月期に2012年度の約2倍となる10億円を目指している。
 既存事業の成長に加えて、津波避難ビル向けの電気錠システムや、独居老人の挙動を見守るセンサー機器の開発も進んでおり、新しい事業の芽も出つつある。

日本電子工業・山之口良子社長

日本電子工業・山之口良子社長

【コメント】日本電子工業・山之口良子社長
産業支援制度を励みに事業を前進

 当社は新製品の開発や新事業の立ち上げの際、産業支援機関による認定・助成制度などに計画を申請して、それを励みとしながら事業を進めてきた。計画を作成し、定期的に進捗(しんちょく)状況や成果を確認することで、着実に事業を前進させられる。
 新製品「ケアロック」も経済産業省など産業支援機関のサポートのおかげで育てることができた。これからも「窓を安全にする会社」として、社会に貢献していきたい。

会社概要

会社名:日本電子工業株式会社
住所:大阪府大阪市生野区勝山北1-4-21
業種:電気錠の製造・販売・施工
電話:06-6731-1331
URL:http://www.jei.co.jp/