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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

三重県

伊勢の伝統薬の特徴を生かした「萬金飴」開発

企業名 伊勢くすり本舗 三類型 鉱工業品 地域資源名 萬金丹

 「越中富山の反魂丹(はんごんたん)鼻くそ丸めて萬金丹(まんきんたん)」という俗謡で知られる三重県伊勢市の伝統薬「萬金丹」。主に胃腸の不調を改善する薬で、食欲不振や飲みすぎ、食べすぎ、胃もたれなどに効果があった。江戸時代に旅の道中に常備する万能薬とされ、伊勢参りに訪れる人たちが伊勢路の土産物として買い求めたことで萬金丹の名は全国に広まった。戦後も伊勢市の製薬会社2社が胃腸薬として作り続けてきたが、後継者が育たないことから廃業となり、2002年には製造が止まってしまった。

 萬金丹の名が将来は消えてしまうかもしれない−。そうした危機感から復刻しようと乗り出したのがパイン・メディテック(現・伊勢くすり本舗)の加藤宏明社長。加藤社長は、室町時代末期から代々製薬業を営む家系の生まれで、昭和大学の薬学部を卒業後に薬剤師の資格を取った。その後、中国留学で漢方、アメリカ留学で統合医療を学んだ後、2004年に同社を設立した。

医薬部外品の萬金飴を開発

「伊勢国朝熊岳・萬金飴」

「伊勢国朝熊岳・萬金飴」

 「萬金丹を医薬品として復刻すると、薬局の販売に限定されてしまう」と考えた加藤社長は、薬局やドラッグストア以外の小売店でも販売できる医薬部外品の健胃清涼剤として復活させることにした。2009年に鈴鹿医療科学大学と共同研究を開始。萬金丹の処方を踏襲し、薬の安定性などの試験を繰り返して「伊勢萬金丹」を完成。2010年に国から医薬部外品の承認を得た。

 さらに加藤社長は、萬金丹をもっと多くの人に知ってもらうため、地元で飴製品の製造・販売を手がける松屋製菓(三重県伊勢市)の協力を得て萬金丹の飴を作ることにした。飴には萬金丹の主要成分として含まれる和漢植物のカンゾウ、アセンヤク、ケイヒを配合し、松屋製菓が得意とする黒糖風味の飴に仕上げた。完成した飴は「伊勢国朝熊岳・萬金飴」と名付け、2009年から販売を開始した。飴には殺菌作用があり、炎症を抑えるのど飴としての効果がある。さらに「黒糖風味にしたことで子供から年配の人まで幅広く好まれる味になった」とできばえに自信をのぞかせる。

10万袋以上販売

屋台での販売風景

屋台での販売風景

 「萬金飴」の販路拡大を目指し、2011年2月に地域産業資源活用事業計画の認証を受けた。補助金は萬金飴を販売するための屋台やパンフレットの作成費用などに充てた。屋台は伊勢神宮・内宮前のおはらい町に設置した。現在、その屋台を中心に県内のホテルや土産物屋などでも販売し「これまでに約10万袋以上は売れた」という。さらに今年は伊勢神宮は式年遷宮を迎えにぎわっている。「ビジネスチャンスと捉え販売を強化している」と語る。


伊勢くすり本舗・加藤宏明社長

伊勢くすり本舗・加藤宏明社長

【コメント】伊勢くすり本舗・加藤宏明社長
口上売りを検討

 2011年4月にパイン・メディテックから伊勢くすり本舗に社名を変更した。わかりやすい社名にして、お客様に認知してもらえるように考えた。三重には「萬金丹」のほかにも、伝統薬・家伝薬が数多く存在していた。伊勢街道沿いには「鎮驚丸(ちんきょうがん)」や「龍心湯(りゅうしんとう)」など、明治時代には少なくとも100種類ものの伝統薬が存在していたという。伊勢くすり本舗では、今後もこうした薬の復刻を考えている。
 また、萬金飴をはじめとする自社商品の販売方法も工夫していく。伊勢市の観光地「おかげ横町」など観光客が集まる場所で、江戸時代がルーツといわれる「口上売り」での販売などユニークな販売でアピールしていく。

会社概要

会社名:伊勢くすり本舗株式会社
住所:三重県伊勢市二見町松下1757-10
電話:0596-21-2460
URL:http://www.mankintan.net/