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地域資源活用チャンネル

認定事業計画の事例

国の認定を受けた「地域産業資源活用事業計画」申請事業者の活気ある声をお届けします。

埼玉県

伝統技術を生かした「メモリアル家具」創り

企業名 飯島桐箪笥製作所 三類型 鉱工業品 地域資源名 春日部桐箪笥

思い出と一緒に暮らす

メモリアル家具の製造に利用する欄間の廃材

メモリアル家具の製造に利用する欄間の廃材長

 約350年もの年月に渡り伝統技法を継承してきた春日部の桐箪笥。江戸時代初期に日光東照宮の造営に携わる職人が宿場町春日部に住み着いたことから興ったという。防湿性・難燃性・軽量が特徴で、全国有数の産地として高い評価を受けている。

 飯島桐箪笥製作所は家屋の廃材や伐採した植木を利用した「ファミリーメモリアル家具」を製作して、同地の産業振興に貢献する。かねてより購買客から家具のリメイクについて相談を受けることが多かったことから、建て替えやリフォーム時の廃材の利用価値に着目した。飯島勤社長は「思い出と一緒に暮らす安心感を提供できる」と語る。幅28.8センチ×奥行き37センチ×高さ37.8センチメートルの木箱の表面に廃材をはり合わせる安価なセミオーダー品から大型の家具をゼロから作り上げるフルオーダー品まで、購買客の要望一つひとつに丁寧に応えて製作を進める。

人材育成と地域活性化

工房の様子。飯島社長(右)と若手の見習工

工房の様子。飯島社長(右)と若手の見習工

 事業化の過程では「関連業者が少ないため新しい部品の調達などで苦労した」(飯島社長)という。同地の箪笥産業はかつて数多くの職人を配したが、現在は減少の一途をたどっており、既に廃業した知り合いに頼み込んで必要な金具を得たこともあるという。

 今回の取り組みを始めた背景には、こういった人材不足の問題も存在する。家屋の欧米化などで需要が減少する中、仕事量そのものが減っているため技能習得中の若手に任せる仕事も限られてしまっている。飯島桐箪笥製作所では現在見習工を1人受け入れているが、セミオーダー品など比較的簡単な製品の多くは彼に任せている。学びながら進められる仕事を与えることが「後継者の育成につながる」(同)という。

 また、製作の過程では木の伐採・運搬など付随する仕事も発生するため、さまざまな人の手を借りる。こうして庭師や製材工場などとの連携を深めることが地域活性化につながる。

新しい需要開拓の柱に

セミオーダー品の小物入れ

セミオーダー品の小物入れ

 販売に関しては、「直接お客さまの顔を見る」(同)ため直売が基本方針。展示会への出展やリーフレットの作成で製品の周知を図っている。「これまでは自ら情報発信しなかったことにも手落ちがあった」(同)として現在はPR活動に積極的だ。セミオーダー品は1台3万9900円で既に6台を納品、大型家具のフルオーダーは20−30万円程度で3件を受注した。

 今後長い時間をかけて事業を成熟させることで、新しい需要開拓の柱とすることを目指している。同製作所だけのものでなく春日部地域全体のブランドとして普及させて「桐箪笥と同じような骨格の産業にしていきたい」(同)考えだ。

【コメント】飯島桐箪笥製作所・飯島勤社長
我々にしかできないことをやり続けたい

飯島桐箪笥製作所・飯島勤社長

飯島桐箪笥製作所・飯島勤社長

家具屋にとっては製品の中に何が入るかは非常に重要。製作の過程ではその持ち主であるお客さまの話を良く聞いている。一人ひとり生活様式が異なる中で、それらに既存の家具を合わせることは本来難しい。したがって当製作所の受注はオーダーメードが基本だ。入れるもの・使う人の背丈・家の大きさなどに合わせて作る昔ながらの方法と言える。流通が発展し過ぎたことにより、店頭に並んでいる箪笥を買って自分がそれに合わせるというスタイルが普通になってしまった。しかし、昨今は流通では対応しきれなくなったのか流れが元に戻りつつあると感じる。よって、百貨ではない専門店は今後も残るだろう。我々も飯島桐箪笥製作所にしかできないことをやり続けたい。その意志を凝縮したものがこの「メモリアル家具事業」だ。

会社概要

会社名:飯島桐箪笥製作所
住所:埼玉県春日部市豊野町1-1-9
業種:家具製造
電話:048-734-3922
URL:http://www3.ocn.ne.jp/~iijima/